第10話 雄二は知らない?
〜〜〜校長室〜〜〜
今日は土曜日で学校は休みだが昨日の事を話すため若菜さんの前に座っている。
「・・・ってわけで、なんかすっごい悔しかったんですよ」
「成る程ねぇ〜雄ちゃん昔から負けず嫌いだしねぇ〜」
若菜さん、俺は負けず嫌いじゃあないですよ・・・多分、おそらく、めいびー・・・
「それでぇ〜雄ちゃんはどうしたいのぉ〜」
若菜さんはニコニコしながら俺に尋ねてくる・・・分かってるくせに・・・
「・・・若菜さん俺を強くしてくれませんか?」
こう見えても若菜さんは世界で五本の指に入る霊能力者なのだ・・・見た目では信じられないが・・・こんな凄い人はそうそういないしな・・・
「うぅ〜ん、他の生徒のこともあるからぁ〜付きっきりて訳にはいかないけどぉ〜少しくらいならいいわよぉ〜」
「よろしくお願いします!!」
よかったー若菜さんが引き受けてくれてー
「それじゃぁ〜早速頑張りましょ〜ねぇ〜」
「はい!!」
〜〜〜3時間後〜〜〜
「ゼェー!!ゼェー!!し、死ぬ!!」
「あらあらぁ〜まだ若いのにだらし無いわねぇ〜」
ニコニコと大の字に横になっている俺を見下ろしている若菜さん、知らない人が見れば今の若菜さんの笑顔に何人の男が堕ちるか・・・
「わ、若菜さん・・・これ・・・・・・キッツイです・・・」
今まで俺がやっていたのは霊力を纏った状態をキープすることだ・・・まだ右腕までしか纏えないが・・・
「まだ10分も維持できてないのよぉ〜それじゃ〜まだまだよぉ〜最低でも1時間はキープしないとぉ〜」
間延びしながらしゃべる若菜さん、すでに2時間霊力を纏ったままだ・・・しかも全身・・・
「私はぁ〜2日ぐらいなら余裕よぉ〜」貴女は人でない、美佳でも2時間が限度らしいし・・・
「雄ちゃ〜ん、今とっても失礼なこと考えなかったぁ〜?」
「イエイエソンナメッソウモナイ」
「何で片言なのかしらぁ〜?・・・まあいいわぁ〜」
「ホッ・・・」
「うぅ〜ん!私最近運動不足なのよねぇ〜」
「へ?」
「そうだぁ〜雄ちゃん組み手しましょ〜これも訓練になるわよぉ〜」
「わ、若菜さん?き、急に霊圧が上がってるのは何ででせうか?」
周りの結界がひび割れてますよ!!
「ウフフゥ〜逝くわよぉ〜」
「じ、字が違いますよ!?若菜さん!!待って!!待って!!い、嫌ぁーーーーーー!!」
〜〜〜月曜日、教室〜〜〜
〜〜〜美佳視点〜〜〜
「「ね、ねぇー美佳ー」」
「な、何?亜弥、摩耶」
「「あ、あれ(雄二君)どうしたの?」」
アヤマヤが指差す先に机に突っ伏しながら泣く雄二(?)・・・
「な、なんかこの前の除霊で何も出来なくて悔しかったらしくて、お婆ちゃんに鍛えてくれって頼んだみたいよ・・・」
「「エッ!!」」
そりゃー驚くわよねぇーお婆ちゃんの修行についてこれた人って二人しかいないほどスパルタだし・・・ちなみに修行を申し込んだ人は数知れず・・・退魔士なら知らない人はいない程なんだけど・・・
「雄二は最近この世界に入ったばっかりだしねー可哀相に・・・」
「なんかどこかのボクサー張りに白くなってるね」
「お、お姉ちゃん!!なんか雄二君から魂がはみ出てます!!」
ふと見ると雄二の背中から白っぽいものが・・・はっ!!
「ゆ、雄二ぃーー!?」
「や、ヤバイよ!?早く戻さないと!!」
「ゆ、雄二君!!そんな幸せそうな顔しないで下さぁ〜い!?」
その後何とか雄二を元に戻したけど、魂抜けかけるほどの修行って・・・
〜〜〜校長室〜〜〜
「・・・というわけだからぁ〜早めにこっちに来てねぇ〜雄ちゃんの“アレ”もそろそろ限界みたいだしぃ〜」
『・・・・・・・・』
「それじゃ〜来週ねぇ〜待ってるわぁ〜」
ガチャン
「やっと決心したみたいねぇ〜あの人も、さてとぉ〜私も準備しないとねぇ〜」