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小さなまなざし

 がやがやと騒がしい公園。公園の芝生にたった一本だけ生えた大きな桜の木の下に大勢の人が集まっていた。人だけではない。機械も多くある。ついさっきまで、ここで番組の収録が行われていたのだ。周囲に大勢集まっていた野次馬も、だいぶ姿を消している。

「お疲れ様でした~。」

「お疲れ~。今日の打ち上げの連絡はまた後ほど回します~。」

次々と撮影用の機械が片付けられていく中、煙草をふかす男とコーヒーを飲む男が離れたところでたたずんでいた。二人とも年は三十後半、煙草をふかしている方は百六十五、コーヒーを飲んでいる方は百七十くらいの身長だ。

「上昇気流のお二人、お疲れ様でした!」

「おう……。」

「お疲れさん。」

スタッフと二言三言会話したふたりは、スタッフたちから離れたところにあるベンチに腰を下ろした。

 ふたりはお笑いコンビ、”上昇気流”。煙草をふかしている方がツッコミの栗木洋一(くりきよういち)で、コーヒーを飲んでいる方がボケの南野裕一(みなみのゆういち)である。ふたりは中学時代からの友人で、お互いに「グリ」「ナンノ」と呼び合う仲だった。

「ふぅ……ナンノ、打ち上げ行く?」

「どうしよか、思うてる。なんや今日のロケ、ごっつキツかったからなぁ……。俺としては、家帰って休みたいねん。グリはどうすんの?」

「俺も休もかなー思うてる。打ち上げちゅうたって飲むだけやし、ほんなら家帰って飲みたいで。」

「毎回この公園で番組シメんねやろ?せやったら、野次馬対策ちゃんとやってほしいよな。今日もうるさくてうるさくてたまんなかったもん。応援してくれんのはありがたいんやけど、あんまキャーキャー騒がれんのは嫌いやねん。」

「ロケ内容もそうやったけど、いっちゃんキツかったんはごっつ黄色い声やなぁ。撮影もままならんし、いっぺん文句言うとくか?」

「やめぇや。グリが言うたら脅しになるで。自分かて自覚してんねやろ?」

「やかましいわ。」

ふたりは笑いあい、立ち上がった。すると、南野が何かに気づいた。栗木を小突き、さっきまで自分たちがいた桜の木の方を指差した。

「グリ、あの子……迷子とちゃう?」

「はぁ?どこよ?」

南野が指差した方を見ると、桜の大木に隠れるようにして、少女がふたりを見つめていた。まわりで作業をしていたスタッフたちは気づいている様子もなく、片づけを済ませてさっさと立ち去っていく。あたりに大人はひとりもおらず、少女だけなのが余計目に付いた。

「ほんまや……迷子なんかもしれへんな。」

「どうする?」

「どうするて……一応声かけてみるか?家近いんならはよ帰れー言えばええし、迷子なら近くの交番でも捜して預けたらええで。」

栗木はそう言ってさっさと少女のもとへ歩いていった。慌てて南野も後を追う。

 少女は、ふんわりとした短い髪にイチゴのピンをつけ、赤い半そでの服に白いふんわりとした丈の長いワンピースを着ていた。全てにおいてふわふわとした少女だ。二児の父である栗木は、慣れたようにかがみ、少女と目線を合わせた。恋人がいるものの結婚はしていない南野はどうしたらよいか分からず、戸惑っていた。

「おぅ、どうした?お前の母ちゃんどこにおんねん。」

「おいおいグリ、そんなんで話したら怖がってまうやろ。ただでさえお前やーさんなんやから……。」

「誰がやくざやねん。」

ふたりのやり取りを聞いていた少女は、クスクスと笑った。こわもてのイメージが強いと言われ続けてきた栗木だったので、この反応にふたりは顔を見合わせた。

「キミよう怖ないね、こんなやくざみたいな奴目の前にして。」

「だから、誰がやくざやねんて。」

栗木が南野をど突くと、少女はまたクスクスと笑った。

「キミ、おうちどこなん?」

南野の問いかけに、少女はにこにこしながら桜の木を指差した。その意味が分からず、ふたりは顔を見合わせて首をかしげた。

「分かる?自分んち。」

「ここ。」

「ここて……公園やぞ?」

少女は何かおかしいことでも言っただろうかとでも言うかのように小首をかしげた。そして桜の木をぽんぽんと叩いた。

「ここがわたしの家。この木のそばで寝るから、この木がわたしのおうち。ここの芝生で走り回るから、ここがわたしのお庭。だから、ここがわたしのおうち。」

「どういうこっちゃ……?お前、じゃあオカンとかオトンは……。」

「オカン?オトン?」

「キミのお父さんとお母さんはどこっちゅう意味やで。」

「知らない。わたし、気づいた時からここでずっとひとりだもん。お父さんとお母さんの、名前も顔も分かんない。」

「え……じゃあお前、名前は?」

「知らない。だからわたし、ヒトリって名前自分につけたの。」

「ナンノ……どうする?」

栗木は困惑気味に南野を見た。南野にも、どうしたらいいか分からなかった。この子は、見たところ小学校二、三年生くらいだった。そんな子が、自分の名前も、両親すらも分からずにこの公園で暮らしているという。

「いつぞやかに”ホームレス中学生”って流行ったけど、その遥か上いってるよなぁ……。」

「遥か上どころやない、ヘタしたら大事件やで?犯罪やで?」

「キミ……えっと、ヒトリちゃん?ヒトリちゃん、知ってることは?どこの小学校に通ってたとか、友達の名前とか……。」

「知らない。なんにも知らない。わたしねぇ、自分のことなんにも知らないの。血液型も、年も、誕生日もなんにも……。なんだか不思議だよね、なんにもないのにあるって。」

ヒトリは自分の状況をよく分かっていないのか、至極のんびりしていた。ますます困惑したふたりは、とりあえずヒトリを連れて歩き出した。ヒトリは構ってもらえて嬉しいのか、栗木と南野の手をつなぎ、はしゃいでいる。公園まで乗ってきた車は、近くのコンビニの駐車場に停めていた。そのため、コンビニまでは歩きである。

「グリ……マジでどうするん?」

「どうするも何も……もう真っ暗なるし、このまま放っとくわけにはいかんやろ。とりあえず、なんか食おうや。」

「そやな……なんか食って、そっからどうするか考えるかぁ……。」

「何食べるの?」

「ヒトリちゃんは何がええ?」

「なんでもいいよ。わたし、グリとナンノが食べたいのでいい。」

「あー……俺らの名前教えてへんかったな。俺は南野裕一っていうねん。」

「俺は栗木洋一な。上昇気流って名前でお笑いやってんねん。分かるか?」

「うーん……じゃあ、ふたりはグリとナンノじゃないの?」

「そうやなくてやなぁ……グリとかナンノっていうのはあだ名なんや。あだ名。」

「グリは栗木で栗木はグリで、ナンノは南野で南野はナンノ?」

「わけ分からんようなってきた……。もうええ、グリとナンノでええよ。」

「飯コンビニでええか?」

「ええよ、そうしよ。」

三人は近くのコンビニへ入っていった。珍しく客はひとりもいなかった。栗木は適当におにぎりと飲み物を手に取り、南野はサンドウィッチを手に取った。ヒトリはきょろきょろと周りを見回している。

「どないしてん、ヒトリちゃん。」

「見たことないのいっぱいあるから、どれにしたらいいのか分からないの。それにね、わたしお金持ってないの。」

「ええよええよ、別に。これくらいグリがおごるて。」

「ちょお待て、何で俺なんや。」

「うっわケチやなぁお前~。こんな小さい子に飯買うたるんも渋るとかほんまないわぁ~。」

「うっさいわボケェ!そこまで言うんなら自分で買うたれや!」

会話は会話だったが、栗木はちゃんとヒトリの分のお金も財布から出していた。ヒトリは嬉しそうに笑い、チーズの蒸しパンとエクレア、ゼリーを選んだ。コンビニを出て、三人は南野の車に乗り込んだ。普段仕事で移動するとき、栗木と南野は交代で車を出しているのだ。

「ヒトリちゃん……。」

「ヒトリ、でいいよ。わたし、名前他の人に呼ばれたことないから分からないんだけど、”ちゃん”とか”さん”とかつけない方が仲良くなれるんだって。公園に来た女の子たちが言ってた。」

「じゃあ……ヒトリ、キミようそんな甘いもんばっか食えるね。」

「しゃあない、若いもんの特権やもん。もう俺ら四十になるんやし、甘いもんあんま食えへんようなったってしゃあないやろ。」

「普段からよぉ甘いもん食うてるお前が言うても、なんの説得力もないねんけど。」

「いちいち一言多いやつやなぁ……。」

「キミのためを思うて言うてるんやないの~。糖尿病で死ぬんやったら、もうちょっと稼いでから死んでくれな。そしたら俺漫才やめてのんびりすごすから。」

「……不吉なこと言うなや。」

南野はヒトリの頭をわしわしと撫でた。ヒトリはキョトンとしながら、されるがままになっている。頭を撫でられることすらなかったのでは、と思った南野は、少しぞっとした。

(ヒトリには、もしかしたら何の思い出もないんかもせーへんな。自分に”ヒトリ”なんて名づけるくらい、ずーっとひとりぼっちで……。)

「……ナンノ、ちょっと痛いよ。」

「あ……わ、悪い。俺子ども相手にしたことあんまないから、加減とか分からんくて……。」

「何言うてん、お前。番組で子役と共演したこと何べんもあるやないか。」

「……グリは子持ちやから分からんだけや。あんな、テレビで子どもの相手するんと、素で子どもの相手するんとでは全然ちゃうねんぞ。狙う必要ないからな、素じゃ。」

「そんなもんかぁ……?そや、これからヒトリをどうするか考えなな……。」

「わたし?わたし、おうち帰る。」

「おうちて……あの公園か?そら危ないで!真っ暗ん中、ちーさい女の子ひとり放っとけるわけないやろ……!」

「へーきへーき。だって、わたしずっとそうしてきたもん。ずーっと長い間。……それに、今日帰らなくたって、何も変わらないよ。わたしのおうちは、あそこしかないもん。」

ヒトリの言葉に、南野と栗木は言葉に詰まった。

 ヒトリの言うことは、もっともといえばもっともだ。ヒトリをあの公園に帰して立ち去るわけには当然いかないが、かといってどうすることもできない。南野か栗木、どちらかの家に預かるとしても、明日からどうするという問題にぶちあたるのだ。見ず知らずの子どもをそんな長いこと預かってはいられないが、少なくともヒトリが自立するまでに十年ちょっとはかかる。そんなに長い間たとえ預かれたとしても、教育だとかなんだとか、社会的に厄介なことになるのは避けられない。ましてやふたりとも、レギュラー番組をいくつか持つ名の知れた芸人だ。十分問題の火種になりやすい。

(やっぱり……)

(公園に、帰すしかないんやろか……)

ふたりの心を読んだのか、ヒトリはにっこりと笑った。

「大丈夫、心配しないで。わたしいつも、あの大きな木の上の方の枝で寝てるから。悪い人来ても、見つかりっこないよ。ナンノ、公園につれてって。」

「枝の上で!?あんな高いとこで寝てんのか!?よう落ちへんなぁ……。」

「わたし寝相いいの。グリは悪そうだよね。」

「やかましいわ。」

「あはは、グリ怒ったぁ。……でもわたし、嬉しいよ。だって、今まで生きてきてだーれもわたしに怒ってくれなかったもん。グリが、最初にわたしに怒ってくれた人だよ。」

栗木とヒトリの会話を聞きながら、気づくと南野は公園に向かって車を走らせていた。どのみちコンビニからふたりの家の方面へ行くには、例の公園の前を通らなくてはならないのだ。近くのコンビニを選んだために、どうするかという解決策のひとつも見出せないまま公園に着いてしまった。南野が車を停めると、ヒトリはドアを開けて車から飛び降りた。そしてドアを閉めようとして、ふと手を止めた。

「あのね、グリ、ナンノ。」

「どした?ヒトリ……。」

「わたしね、とーっても嬉しかった。わたしとお話してくれて。ご飯ごちそうしてくれて。とーっても嬉しかったの。今日はきっと、特別な思い出になるよ。」

「俺ら……何もしてないよ。してやれて、ないよ……。」

「ううん、そんなことない。わたしのこと、心配してくれた。怒ってくれた。撫でてくれた。手を、つないでくれた。今まで、そんなこと一回もされたことなかったから。……嬉しかった。」

「ヒトリ……。」

「だから……ね、ひとつお願いがあるの。」

「お願い?」

「なんでも言うてええよ。」

「わたしに、苗字をちょうだい。」

「苗……字?」

「わたしね、お父さんもお母さんも全然知らないし分からないんだけど、ふたりといてすっごく思ったの。お父さんやお母さんといるみたいだなぁって。きっと、体がお父さんとお母さんのこと覚えてるんだと思う。グリがお父さんでねぇ、ナンノがお母さんみたいな感じがするの。だからね、そうやって感じれたのふたりが初めてだから、ふたりに苗字つけてほしいなって思ったの。」

ヒトリの言葉に、ふたりは顔を見合わせた。ヒトリはなおもにこにこと笑っている。

「わたしにはね、夢があるの。わたし、自分の存在をつくりたいんだ。わたしには今、名前しかないから。その辺の石に名前をつけただけと同じなの。だから、プロフィールっていうの?そういうのをどんどん埋めて、”わたし”の存在をつくりたいの。」

「俺らで……よかったら。」

「ホント!?よかったぁ!」

ヒトリはぴょんぴょん飛び跳ねて喜んだ。ふたりは懸命に考えるが、名前を考えることはあっても苗字を考えることなんて滅多にないので、なかなかいい苗字が浮かんでこなかった。

「……鈴木?」

「フツーすぎるやろ……。」

「白井。」

「見たまんまかい!」

「山田、斉藤、加藤、渡辺。」

「全部フツーすぎるて!なんでそんなごく一般的なチョイスなん!?」

「……あ、ヒトリ桜の木に住んでるから、桜木なんてのはどうよ?」

「桜木か……それならええな。ちょいまんまな気ぃもするけど……。」

「あの木、桜っていうんだぁ……。桜木、桜木ヒトリ……か。うん、気に入った!わたし、今日から桜木ヒトリ!ありがとう、グリ、ナンノ!」

ヒトリはその場でくるりと回り、桜の大木に向かって駆け出していった。思わず引きとめようとした栗木だったが、その言葉が口から出ることはなく、伸ばした手は空を掻いた。仕方なく、ドアを閉める。

「なぁ、グリ……ほんまにこれでよかったんやろか?ほんまのほんまにこれで……。」

「……他に、どうしろ言うんや。ヒトリの言うとおり、俺らにできることなんてこれっぽっちもない。大人のくせして、幼いヒトリに何もしてやれへんのや。」

「……あのさ、あの公園で毎週番組の収録やることになったやん?」

「あぁ……”上昇気流の思い出めぐり旅”か?」

「そっ、それ。それの収録ん時以外でも、なるべく毎日ヒトリんとこ行ったらん?考えたんやけど……俺らにできること、そんくらいしかないと思う。せめて、ヒトリにあんま寂しい思いさせんようにするくらいしか……。」

「……そやな、そうするか。」

毎日通ったところで何が変わるのか、栗木にも南野にも分からない。しかし、今ふたりにはそれ以外に思いつかなかった。ただ、ヒトリに寂しい思いをさせたくない、ヒトリのために何かしてやりたいと思う気持ちはふたりとも同じだった。

「……行くで、はよ帰らなな。」

南野はそう言って車を発進させようとしたが、不意に急ブレーキをかけた。急なことだったため、栗木はおもいっきりシートにぶつかった。

「いってぇ!なんや、いきなり急ブレーキかけよって!危ないやろ!」

「車の前に何か飛び出してきよったんじゃ!!」

栗木と南野は車から降り、あたりを見渡した。しかし、何もない。

「何や、何もおれへんがや。」

「いーや、確かに何か飛び出してきた!見間違えとちゃうで!」

すると、子どもの無邪気な笑い声が聞こえてきた。ヒトリとは違う、少女の笑い声だった。

「な……何や?」

すると、公園の入り口の石垣の上に人影が見えた。ふたりが近寄っていくと、不意にふたりの目の前に少女が飛び出してきた。

 ショートヘアの髪に大きな赤いリボンをつけ、紫のワンピースにピンクの上着を肩にかけ、第一ボタンだけ閉じている。なぜか雨でもないのに、赤い長靴を履いていた。

「きゃははははは!驚いた驚いた!」

「な、何やぁ!?」

「こら、ヒトを脅かすんじゃない。」

石垣の上にあった人影がゆらりと動き、男が姿を現した。紅葉色の甚平に同じ色の長い着物を羽織り、下駄をひっかけている。腰帯には長い刀を差し、首にはオカリナを下げていた。

「だ……誰やねん、お前。」

「名乗る必要があるのか?」

「な、何やて?」

男は少女の頭をわしわしと撫で、ふたりを見返した。見れば、男はふたりと同世代くらいだ。少女とは親子なんだろうか、と栗木は思ったが、男はそんな栗木の考えを読んだかのようにかぶりをふった。

「こいつは勝手に俺について回っているだけだ。」

「別にいいじゃん、迷惑かけてないでしょ?あたし。」

「迷惑はかけていないが、面倒はかけてんぞ。」

「え、何それひっど~い!」

「事実だろーが。」

「ええから、名ぁぐらい名乗れや!ふざけとったらど突くぞ!」

「落ち着けってグリ……!」

「これっきり会うこともないかもしれない相手に、わざわざ名乗る必要があるとは思えねぇけどな。」

「ああん?喧嘩売ってやがんのかコラ?」

「グリ!あんま騒ぎ起こすなって!ヒトリに聞かれたらどないするん……!」

「チッ……そやったな。腹立つけどしゃあない……。」

「ヒトリ?……お前らまさか、桜に住まう子を知っているのか?」

「何や、てめぇも知ってるんかいな。ヒトリのこと。」

「まぁな……。それなら話は違う。これからも会うことは多いだろう。……俺は語り部。意図せずして失われた物語(メモリー)を語り継ぎ、守っていく者だ。」

「何やそれ。わけ分からんこと言う奴やっちゃなぁ……。ヤクでもやってるんかいな。」

「なんとでも言え。俺の名は、(ほむら)。一応、頭の隅にでも留めといてくれ。物語(メモリー)に選ばれし、失いし者(ルーザー)たち。」

「ちょお待て!なんやねん、ルーザーて!」

「きゃはは、まったね~!あ、あたしはシグレだよ!」

焔とシグレは、栗木たちが止める間もなく、闇に掻き消えるようにして消えた。栗木と南野は顔を見合わせ、寒気に身を震わせた。

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