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砂時計の少女  作者: しんみ
第二章 改心
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-7-

1年以上更新がありませんでした。大変申し訳ございません。

 からすが鳴く夕方、学校からほど近い河原。ただ、河原と言っても実態は芝生に近い。北沢は芝生の上で横になっていた。そこに、西谷が通りかかった。

 「一体どうした。こんな川辺で寝るな。」

 西谷は寝ている北沢に声をかけた。

 「何でもない。」

 北沢は投げやりに言った。半ば諦めたようだった。

 「何があったんだよ。」

 「だから何でもないってば!」

 「どこがそう見える。明らかにふてくされてるじゃないか。」

 「ほっといてよ!修吾に言われる筋合いは無いよ!」

 北沢が相当苛ついてきている。

 「いや・・・まず冷静になれよ。何があったかは知らないが、力になれるなら何かするからさ。」

 「しつこいな!何でもないったら・・・。」

 北沢の目に涙。自分自身でも何故か分からない。只一つ言える事、それは今は誰とも関わりたく無い事である。自分自身が我が儘なのかもしれない。

 「今まともに話せる状況じゃ無いみたいだな。」

 西谷はそう北沢に捨てるように言った後一人で帰る為にまた歩き出した。本音を言えばもっと聞きたかったのだが、今の北沢から察するにこれ以上は何も話さないだろう。と、半ば諦めの気持ちだった。

 それからすぐ後だろうか。誰かが西谷に近づいて来る。西谷は見たことも無い顔だったので気にも止めずに素通りしようとしたが、その思いは叶わず、その「誰か」は西谷に声を掛けた。

 「・・・あの人の知り合い?」

 西谷はキョトンとした。いきなり何を言ってんだこの人、と思ったからであろう。

 「あの人って、あの辺で芝生の上に寝っ転がってるあいつ?」

 西谷はあの人と言われても今この近辺にいるのは北沢と西谷と「誰か」だけなのだから自ずと北沢だと判断した。

 「そうよ。」

 「仮にそうだとしても赤の他人に聞かれて答える筋合いは無いと思うが?」

 西谷の言う通り、西谷にとって赤の他人にそんな私情を聞かれる筋合いは無い。だが、その「誰か」・・・もうおわかりの人もいるかもしれないが、蘂川である。西谷が蘂川と北沢の接点を知るわけないので、西谷は無視して蘂川から離れようとした。

 だが、足が止まった。蘂川の制服に気づくまでは帰ろうと思っていた。西谷は蘂川が着ている制服が北沢と瓜二つなのに感づいた。

 「・・・まさか、北沢と同じ高校の人?」

 物凄く長いように感じた数秒の間を開けて、蘂川は重い口を開いた。

 「そう。今日、偶々(たまたま)屋上で出会ったのよ。その時ついついきつく言い放っちゃって・・・。」

 蘂川は西谷に今日あった事を洗いざらい話した。

 「成る程、それが北沢を傷つけた訳か。」

 「そういう事よ。」

 「そういやあ、まだ名前言ってなかったな。西谷 修吾だ。君は?」

 蘂川は少しの間黙り込む。西谷が少し催促すると、蘂川は小さな声で自分の名前を言った。

 「・・・蘂川 佳絵。」

 西谷はそうか、蘂川・・・さん?と言い返した。それに蘂川は蘂川で結構。と返答した。その後直ぐに西谷と蘂川は互い互いに別の道を歩いていった。蘂川は北沢に話しかけようとしたが、止めた。

次話以降の予定は未定です。重ね重ねすみません。

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