存在感
1話1話の区切りが上手くいかない……
この世には2種類の人間がいる。それは、普通の人間と特異体質を持った人間だ。俺、須藤陽介は残念なことに後者の人間だった。
小学生の時はまだ普通だった。が、中学に入ってからその片鱗が見えはじめてきた。例えば、俺が友達に話しかけたとしよう、そしたらその友達は一瞬ビクッとしてから返事をするんだ。まるで、今まで隣にいたのに気づかなかったたのように……。つまり、存在感が薄いのである。
でもまあ、それはまだいいほうだ。今と比べれば……。
高校二年生となった俺は、周りの人が全く気づいてくれなくなった。そのせいで自暴自棄になりやさぐれていた。 学校に遅刻しても誰も気づかない。授業中に立ち歩いてもだれも気づかない。話しかけてもだれも気づかない……。 そんな俺は常に目立つことを考えていた。
そして今、絶好のチャンスが訪れていた。 交差点、横断歩道を渡っている一人の少女がいた。そしてそこを、止まる気配をみせない一台の車が通ろうとしていた。少女は気づかない。周りの人も動く気配なし。このままいくと、少女は大変なことになる。 あの人を助ければ目立てる。そう思いつくと俺はいつの間にか走りだしていた。俺は飛び込むように少女を突き飛ばした。 (これであの人は安全圏……って、あれ?俺、何してんだ)ようやく今までの行動を理解した、そして俺はあおざめた。この後の展開を予想して……。 ドスン!!
翌朝、俺は目が覚めた。いつもの朝と違う環境で頭がついていかない。 とりあえず1番気になったのは包帯で覆われた俺の左足。 昨日のことを思い出してみた。 ……だんだんと状況がわかってきた。 ふぅ、と息をつくとタイミングよくコンコンと控えめなノックが聞こえてきた。 誰だろうと考えていると、スライド式のドアが開かれその人物が入ってきた。 昨日の少女だった。「あのっ、昨日は助けていただいて、ありがとうございましたっ!!」
そう言うと勢いよく頭をさげた。
「あー、うん、いいよ」
微妙な返事だった。 (テンション高いなぁ)
それが少女の第一印象だった。「足、大丈夫ですか?」
「さぁ、ギブスしてるってことは骨折したんだろうけど」 「骨折ですか!?」 ……少しうるさい。
「多分な、…てか、病院だから静かにしようぜ」
「あぅ、すみません……」
少女はしゅんとなった。
会話がやみ、俺はまたぼ-っとしだした。
少しの時間が経ち、少女が口を開く。
「名前とか聞いてもいいですか?」
「あー、名前?……須藤陽介だ17歳」
名前を教えても覚えてくれないと思ったけど何となく教えることにした。
「私は佐藤美月。同じく17歳」
俺と同じだったのか……。
「だったら敬語はいらない使わなくてもいいよ」
「うん!」
そこでまた会話がなくなる。
あー、なんか気まずいなぁ。俺、話しするの苦手だからなぁ。
この空気を打開するために話題を探したが美月の方が先に話しを振ってきた。
「なんで、私を助けようと思ったの?」「……体が勝手に動いてたんだよ。よくわかんねぇけど」
「なんで?」
「多分、目立ちたかったんだ」 「え?」
美月は驚いたような顔をする。
「たったそれだけの理由?」
「俺にとってはそれが重大なことなんだよ……」
「なんで!そんなどうでもいいことで命を粗末にするようなことをしたの!」
「命を粗末って…… 。その結果、あんたを助けることができたんだぜ」
それに、といったん区切り
「俺は目立てないと死んでんのと同じなんだよ。何も知らねぇくせにどうでもいいことなんて言ってんじゃねぇ」
美月を睨みつける俺。なんか怒ってみた。
「何言って「あの、ここ病院なんで静かにしてください」
……ヒートアップしすぎたな。
声の主の方をみる。看護師さんがいた。「一人で何騒いでるんですか」
「え、一人?」
チラッと俺をみる美月。俺はただ、ぼーっとする。
「あなた、お見舞いですか」
「え、あぁそうです」
「この部屋は今は使われてない……って、あれじゃあなんで私はここに」
「私がうるさかったからでしょ」
「いいえ、私は確か昼食をここに届けに……」
「?」
俺はただぼーっとしながら二人の会話を見ていた。
ずっとこうしているわけにもいかないので、二人に助け舟をだしてやることにした。
することは簡単だ。昼食を持っていくだけでいい。
そうするとはっと何かに気づいたように看護師はこの部屋を立ち去った……
「え?どういうこと」
美月は状況が理解できないようだ。まぁ、当然だけど。 俺は混乱している美月をみながらご飯を食べていた。
ご飯を食べた後、美月に俺の事情を話してやった。
まだ信じきれてない所が見えるが、どうせ今日限りだから深くは説明はしなかった。
「ところでなんだけど、あんたってどこの高校なの?」 唐突に美月が聞いてきた。 「柳岡高校だけど……」 なんか、最初とキャラが変わってる……「柳岡高校!?」
「ん?そうだけど」
「私、そこに編入するんだけど」
「え、マジ?」
「本当」
なんか運命的だなぁ。ん?あぁそういうことか。
「多分だけどさ、美月俺のクラスにくると思う」
「なんでそんなことがわかるのよ」
「それはだな、俺が特異体質だってことはわかったよな。それが俺のクラスには俺の他にもいるんだよ」「どんなのなの」
「主人公体質」
「……てなに」
「ほら、よくいるだろ、無条件で女子にモテるやつ。それが主人公体質。転校生美少女は主人公の下へ、てね」
「なるほどね。てか私が美少女て……言い過ぎ」
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