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11 横浜のクリスマスイブ(5)

「気になる?」


と僕が訊くと、


「ううん、大丈夫」


と彼女が名残惜しそうに元の場所に戻した。


その様子を見て僕はちょっとしたプレゼントに出来ないかと、そのパンダのキーホルダーを購入した。


店を出たときに高良さんを呼び止めて、


「今日は何も用意してなかったから。たいした物じゃないけど受け取ってくれる?」


とキーホルダーを渡した。


彼女は驚いて、受け取れないと拒んだが、受け取らなければどこにも行きようのない物だと直ぐに気づき受け取ってくれた。


包みから出すとまんざらでもないようで、ありがとうと感謝をしてくれた。


真吾は何も気づいていなかったが、アイさんはそのやりとりを微笑ましく見つめていた。

ひと通り街を回って堪能すると、次に何をしようかという話になった。


山下公園の方やみなとみらいの方に行く事も出来る。


でも高良さんが意外な提案をした。


「三浦海岸に行ってみない?」


僕は思わず確認した。


「三浦海岸?冬なのに?」


「うん。電車で直ぐにいけるし。少し静かなところにも行ってみたいなって」


真吾も思わず「妙な提案だな。海は寒いんじゃないか?」と言う。


高良さんには一つの想いがあったようだ。


真吾が日本を出て行けばいつ戻ってこられるかわからない。


いや、戻ってこないのかもしれない。


だから三人で集まる最後の機会になるかも知れないなら、三人の想い出になる、何かを出来ないかと考えていたそうだ。


そこで小学生の頃に臨海学校で行った三浦海岸が頭に浮かんだそうだ。


もう一度行ってみたいという。


その想いを聞くと、街の熱気で火照った体を冷ましたい気もしたし、僕らのクリスマスイブはそれほど熱心なクリスマスではないから、そういう提案もありかなと思えた。


アイさんもそれでいいと快諾した。


みなとみらい線で横浜まで戻ると、京急線に乗り換えて三浦海岸へ向かった。

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