表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
39/55

11 横浜のクリスマスイブ(4)

中華街には新しいフードが途切れることなく登場する。


昔ながらの肉まんも十分においしいが、ちまきにチャーシューメロンパンといった変わり種もあった。


他にもいくらでもおいしそうな物が溢れていて目白押しだった。


僕らはどれも二つ注文して、男女でそれぞれ半分に分けて食べていた。


大抵は立ったまま、または歩きながら食べていたが、時々は休憩もかねて公園などで座って食べた。


アイさんは座るときにタオルを敷き、食べるときには膝にハンカチを広げた。


優雅にそれをこなしていたので真吾は珍しそうに、まじまじと見つめていた。


僕も思わず見とれていると、


「この服はアンティークの生地なんです。私テキスタイルが好きで、こういう服を集めていて。大抵は一点物だから丁寧に扱いたくて」


と言っていた。


アイさんは少し不思議な存在だった。


高校生の頃の高良さんを知らない僕にとって、アイさんもまた知らない人だ。


高良さんにアイさんについて訊いてみたかったが、ちょうどよいタイミングがないままだった。


容姿端麗で受け答えもしっかりしている。


決して前に出るようではなく、かといって後ろに引っ込むわけでもない。


初めて会う僕らでも気兼ねなく接してくれて、それでいて適度にお互いのエリアがある。


あの真吾もすぐに心を許したようで、自然に振る舞っていた。


底知れない魅力がアイさんにはあった。


話のピントが明快で、すぐに的確な意見が返ってくる、そういう人のようだった。


アイさんは高良さんについて、彼女の真実までしっかり理解しているようにも見えた。


たわいのないことで彼女等が声を出して笑っている姿が、見ていて心地よかった。


道行く人もその二人の雰囲気に目をうばわれる瞬間があった。


こうして食べ歩きを繰り返して、喉が渇いてタピオカドリンクを飲んだらそれだけで割とおなかは満たされた。


途中で怪しげな雑貨屋があり、決して買うことはないのだが、奇妙な物を見つけてはお互いに自慢をしていた。


いや買おうとした物もあった。


真吾へのプレゼントとして忍者グッズを買って渡そうとした。


アメリカに持って行けば人気者になれるよとか、僕と高良さんとアイさんで適当なことを言っていた。


真剣に真吾に断られたのでやめておいた。


一軒だけパンダグッズを専門に揃えているお店があり、そこでは丹念に品揃えをチェックした。


高良さんが小さなキーホルダーを手に取り、しばらく考え込むように眺めていた。

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

↑ページトップへ