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11 横浜のクリスマスイブ(1)

高良さんからの連絡が途切れてしばらく経っていた。


何事も考えていない隙間があればいつでも、彼女のことが差し込まれて頭をよぎっていた。


そうやって四六時中、彼女のことを考えたいわけではない。


ただどうしても最後に別れたときの様子から始まり、順に時間をさかのぼり、僕らのやりとりをひとつずつ反芻するのだった。


そうしていればいるほど、気軽に連絡できなくなっていた。


気づけば十二月も中頃まで進み、町はクリスマスの装いに包まれていた。


大学の行き帰りではいつもどこかでクリスマスソングが流れていた。


真吾は渡米の準備を進めており、僕は彼のプロジェクトを引き継ぐのに必死だった。


真吾は渡米する割にはアメリカの習慣であろうクリスマスに全く興味がなかった。


ラジオから流れてくるクリスマスソングは、無機質な研究室の雰囲気と相容れなかった。

研究室は僕ら二人のものでは無い。


他にもクラスメイトがいて、誰かが入り口にクリスマスリースを吊していた。


そんなふうに季節の流れを感じているとき、高良さんから連絡があった。


せっかくだからもし予定がなければ、友達同士で集まってクリスマスを過ごさないかと誘ってきた。


真吾を送り出す最後のタイミングでもあるので、日本を出て行く想い出になればと、真吾を誘って集まることになった。


高良さんは高校時代の同級生の女の子を連れてくると言った。


真吾はそれほど乗り気ではなかったが、嫌がっているようでもなかった。


最後の日本の想い出としてそういう体験も良いのではと、説得するとまんざらでもないようだった。

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