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過去を遮るもの

「君誰だい?」


「僕は近所のものです。前に起きた事件についてお聞きしたくて。」


「あぁ……君はあそこの……」


「あの件について何か知ってることはありますか!」


「えっと……冷斗君だよね。君は元々ここに住んでたことは覚えているかい?」


「はい。けど住んでいたということしか覚えてなくて。この地で何をしていたのかはさっぱり……」


「そうか……。ならあまり喋ることは出来ないかもな」


「ど、どうして!」


「私たちこの件について知らなくちゃいけないんです!」


「あんたはなんか知ってんのかよ!」


「すまないが今日は帰ってくれ」




 結局僕たちは門前払いされてまともに情報を聞くことすらできなかった。あの人は何か知っていた。だがそれを僕からまるで遠ざけるように隠してきた。


「昔の記憶って何だよ……」


「冷斗の昔か〜。俺もそんな覚えてねぇな」


「葵は?何か覚えてることはあるか?」


「え、えぇ?わ、私かぁ」


「何でもいいんだ!」


「うーん……ごめん、私もよく覚えてないや」


 少し表情を曇らせて葵は言った。一体僕はこの地で昔何をしたのだろう。とりあえず今日はもう出来ることはない。


「今日はありがとう。また何かあったら連絡してくれ。」


「おう!」


「それじゃ」




 あぁ。今日も有力な情報を得られなかった。冬休みが終われば地元に戻って高校へーータイムリミットも迫ってきている。


「ねぇ!」


 ふと、後ろから呼び止められた。


「葵?」


「あのさ、これ。」


 彼女の手から見せられたのは青いペンダント。


「これは?」


「冷斗が私にくれたの。昔だけどね。不意に思い出してこれ見たら何か思い出すかなって……」


 思いもしなかった収穫に感謝しつつ僕は彼女からペンダントを受け取った。


「ありがとう。何か思い出せるか試してみるよ」


「うん!頑張ってね。」


 帰る足を早めた




「ただいま」


「おかえり」


 だいぶおばあちゃんの表情も柔らかくなってきた。まだ心の中は完全に切り替えられてないだろうけど多少はマシになった。おばあちゃんに聞きたいっちゃ聞きたいけどもう少し時間を空けなきゃ心身に負担がかかるだろう。



 僕は机の上に葵からもらったペンダントを置いた。中身には写真。


「多分…僕と、葵……?」


 なんか見覚えはありそうな感じがする。背景はどこかの家?っぽいけど……


「痛っ!」


 まるで何か鈍器で殴られたようなそんな痛みが頭を襲った。


「ああっ……くっ……」


 そんなに長くは続かなかったがそれなりに痛かった。


「何だ……急に頭痛が……」


 意識は朦朧としてけど何か思い出せそうな、そんな気が自分の中で起こっていた。


「冷斗〜ご飯出来たよ〜」


「はーい」


 俺はリビングへと向かった




 ちょうど寝る前の頃


 〜〜ピロリン〜〜


「誰だ?」


 ーー葵から新着メールですーー

 明日伝えたいことがある


 何か思い出したことがあるのだろうか。僕はペンダントの写真を少し見て眠りについた。




 朝、葵の元へ向かった。悪夢は見ることはなく比較的気持ちの良い朝を迎えることができた。僕は今日何を言われるのか。どんな情報をくれるのか少し落ち着きがない、そんな様子だったと思う。


「おはよう」


「あ、冷斗、おはよう」


「話ってのは?」


「私、冷斗とは昔結構仲が深かったっていうか、親密な関係だったの」


 親友的な感じなのか


「けど覚えてないでしょ?初めて会った時も名前すらあんまりだったのに。」


「それは仕方ないだろ」


「こう呼んだら思い出してくれるかな?」




  「(れい)!」

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