第3輪 掲示をしたい!!
「ここが掲示板だよ」
「見ればわかるわ」
ワインの蓋みたいな材質のボードには、『アメフト部部員募集中』とか、『探偵部、依頼募集中』とか書いてある。
探偵部が自ら依頼を募集するなんて、アリなのか?
「張り紙は持ってきた?」
「言われた通りに作ってきたよ」
「言われた通りに作るんじゃなくて、言われたこと以上に作りなさい」
俺は探偵部の画びょうを一個お借りして右端に張る。
依頼を募集することがオッケーならこれも受理はされるだろう。
「あとは待てばオッケーね」
「お前はなんもしてないけどな」
「君だって特にこれといったことしていないでしょ」
◇
『部員募集中』
私たちと青春をしたいよって人、募集します。
応募要項
運動部所属経験が無い人(卓球部はオッケー)
日本語が喋れるもの(カタコトでもオッケー)
女性であること(女子力が高ければ男でもオッケー)
面接場所
5月12日放課後から一週間 一年一組の教室
◇
「……来ないわね。」
「まあ、一日目だしな」
「こういうのって、ちゃくちゃくと部員がくるんじゃないの?」
「まあ、僕たちに主人公補正があれば、な。」
「私はある気がするの」
「ないから自分でラブコメするんだろ」
主人公補正
それは文字通り、どんなに無茶なことでも、理論や概念が整っていなくても主人公が勝たなければストーリーが進行せず、物語に支障が出るときに発動する。
無力ながらも努力を怠らない主人公や熱血的な主人公に多い。気がする。
運動部の声や、吹奏楽部も音色が聞こえなくなった所で僕たちは引き上げた。
今日も僕の家で晩飯を乞食しようとしてきたので追い返すと、なくなく帰った。
ヒロインとは思えない。
◇
「来ないわね」
「まだ二日目だしな」
「君、昨日も同じこと言ってたよ」
陽七海は机の上に座り、足をプラプラさせたり、体育座りをしたり、多動を極めている。もちろんパンツは見ていない。
ちょっと黒かった気もする。
「じゃ、帰りますか」
「そうね」
もうすぐで完全下校時間なので帰ることにした僕たち。
というか、このまま人が集まらずに青春が自然消滅するなんてことないよな。
最悪すぎる。
成人式とかで陽七海に会った時どんな顔すればいいんだよ。
「━━━ちょっと待ってください!」
勢いよく一年一組の扉を開けたのは、三つ編みのいかにも清楚って感じの女の子。
「まさか、私たちと青春しにきたのね!」
自分で「まさか」なんていうのはどうかと思うが、僕も驚いている。
僕たちは最後の最後で補正のかかる主人公だったようだ。
「あの、これ受理できません!」
「え?」
ピラっと、一枚の紙を僕たちに見せつける。
それは一昨日掲示板に張った募集の張り紙だった。
「内容が曖昧です!これは受理できません!」
「探偵部だって依頼を募集してるじゃない!!」
「探偵部は七不思議を解決した実績もあります!」
「は、はぁ」
「それに、探偵部は列記とした部活です!」
「はあ」
「あなたたちは部活の申請も降りていません。」
「はい。」
「なにか異議申し立てはありますか!?」
「ないです。」
生徒会のまじめちゃんは「では!」と言ってテキパキと帰ってった。それも、廊下を走らないギリギリのスピードで。
青春ラブコメはそう簡単にできないようだった。
仲間集め編
進捗度 ★☆☆☆☆☆☆☆☆☆




