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物資調達

 私は何をやっていたのだろう。

 まず、まずだ、このような災害に見舞われたときに最初に行わなければならないのは、自分の安全の確保だ。例えば、野犬などに襲われてもかかる医者がいないわけであるから、自分の身を自分で守らなければならない。

 1.高台に避難しよう。

 家が高台にあると安心だ。特に日本は洪水の被害もあるので、できるだけ高いところに家を構えておきたい。これは災害マップにて確認済み。

安全が確保できたら、落ち着いて深呼吸だ。

2.落ち着くこと。

災害では判断を急いだために間違った判断をとった人が実際に存在する。東日本大震災では、迫り来る津波に向かって車を走らせた姿が記録映像に残っている。逃げる方向とは真逆である。恐らく助からなかったのではと思われる。正しい判断のために落ち着かなければならない。

 オーケー。もう大丈夫だ。助かる。

4.自分の安全が確保できたら生き残る物資を集めよう。

 人が5分生きるのには空気が必要。3日生きるためには水が必要、一週間生きるためには食料が必要になる。皆は災害備蓄を持っているか?私は幸いにも食料だけは1ヶ月分、水は一週間分の備蓄があった。つまり今ある猶予は二週間となる。(水を飲みきってから死ぬまでの一週間も換算する)この二週間以内に次の物資を探せば良いのだ。おちつけ。おちつくのが大事だ。

5.コンビニやスーパーを探そう

 コンビニやスーパーには、一般的に商品が並んでいる。地震等の災害時はパニックになった人々が物資の買い漁りをするので、タイミングを見計らいたいところ。幸いにも今は自分一人だけなのである。その心配はなかった。たった一人になって二日目。私は物資を集めることを目標にした。


 ところで犬ねこを飼っている人はいるか?彼らは室内に閉じ込めているか、鎖に繋がれている以上、人にご飯をもらうことを前提としたライフサイクルを送っている。

 この世界に人は私一人しかいないのである。どういうことが起きるか。大事な家族の犬ねこは帰らぬ飼い主を待ち続けて丸1日。ごはんも水もとうに尽きて、飢えと乾きが惨い苦しみを与えている。

 だから、コンビニやスーパーに行く時には腕や足にウエス等の雑多な布を巻き付けて行かなければならない。彼らにとって人間とは肉そのものであって、自分達を置いていった張本人でしかないのだ。


 交差点で犬を見つけた。赤いリードをつけたままそれを引きずっている。おそらく、散歩中に飼い主が消えたのだろう。そこに私が現れた。

 犬からしたらどうか。いきなり、いなくなった飼い主、それに似た姿の人がいる、もしかしたら、飼い主の居場所を知っているかもしれない。わー!ご主人!当然駆け寄ってくる。その姿を見て他の犬も駆け出す。道を左から右までミチミチに、いろんな犬がひしめいていた。

 それは恐怖である。一匹の重さは5キロから40キロほどまで様々だが、それらに押し潰されるのを想像してほしい。道路に立っていてはいけない。すぐにスーパーのドアの中に入るべきだ。

 気を付けなければならないのは、スーパーの自動ドアは、動くものを感知すると自動で開いてしまうこと。想像できるね? 私は鮮魚コーナーとお肉コーナーの肉のほぼ全てを失ったのだ。

 この事から分かる教訓は、犬がいる可能性がある場所にはドックフードを持参し、彼らの腹一杯の状態にしなければならないということだ。彼らは肉や魚でもお腹が満たせるように、私たち人間の肉でもお腹を満たせるのである。

 無惨に食い散らかされ、ベロベロとなめ回される発泡スチロールのトレイを見てそんなことを考えた。


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