武器
気合いを入れて岩山を登り地下洞窟を目指す。
手に入れた幼虫やトカゲは骸骨を入れている袋に入れている。ちょっと罪悪感があるが、他に方法もないし、骸骨たちには、良い場所を探して埋葬するということで許してもらおう。
そこそこの時間と体力をかけて地下洞窟に帰還した。
今日は岩山の登り降り、壁の登り降りで全身を鍛えたをので、他のトレーニングはしないつもりだ。
狐は疲れたようなので眠っている。
出会った時は弱り切って抵抗できなかった、と考えられるが、食事を与えたことで、かなりなついてたような気がする。
気のせいかもしれないが、餌付けできたのかな。
まあ完全になつくまでは、攻撃してきても問題ないように警戒だけはしておこうかな。
帰ってきても、まだ元気で眠気を感じないので、骸骨たちの装備を分別して、何があるのかを確認することにする。
豪華な鎧の骸骨は、貴族と呼ぶことにしよう。それ以外を戦士と呼ぼう。
貴族の装備は、多分他よりも良いものを装備していると思うので、後回しにして、まずは他の装備を確認していく。
俺は楽しみをを後に取っておくタイプだ。
早速剣を手に取ってみる
”ガシャ”
「うわっ、聞いたことはあるけど、本当に重たいものなんだな。」
前世を含めて、本物の刀剣を触るのは初めてだから、凄い興奮しているし、剣や槍は純粋にかっこいい。
だけど、まだ人間のころの感覚が抜けていないのか、剣を持っている状態を何か犯罪をしているような変な罪悪感を感じてしまった。
10日ほど過ごして、兎を殺すことに何も感じなくなったから、そういった感覚がなくなったと思っていたので、そういった感覚がまだ抜けていないとは自分でも驚いた。
武器を見て、触って感じたのは、体をフワフワさせる謎の興奮。それと同時に、しっかりとした扱いしないと自分も傷つけてしまいそうだ、という不安感だった。
そんな風に思っていたのもつかの間で、すぐに調子に乗って剣や槍を持って、映画やアニメで見た動きの真似をして、他の人に見られたら恥ずかしいような事をしながら、かなり長い時間ダラダラと分別作業をしていた。
分別できたので先ずは武器から。
持ち手が木で、約20cmの穂先が金属の槍が2本。長さは約200cmで俺の身長と同じくらい。呼び方は長槍。
持ち手も穂先も金属の槍が1本。長さは約150cmでかなり重たい。呼び方は短槍。
約100㎝の剣が2本。装飾とかはなくて”純粋な武器”という感じだな。呼び方は長剣。
約60cmの剣が5本。呼び方は短剣。これは護衛戦士全員が持っていた、標準装備だろう。全員これで自殺していたので何か思い入れもあるのかもしれない。
他には、俺がすでに拝借している刃渡り30cmの皮の鞘付きナイフも共通の持ち物のようだ。
直径約60㎝の丸盾が2枚。凄い頑丈な作りで結構重たい。
「これからは、これまで以上にトレーニングもしっかり頑張らないといけないし、武器を手に入れたしトレーニングにプラスして素振りも頑張らないとな。」
長槍と短剣は、振ってみた感じ今の筋力でも使えそうだけど、今の俺の筋力では、重たい短槍と長剣は使えなさそうだ。
教えてくれる相手もいないし、自分で試行錯誤しながら槍と剣を使いこなせるように修行しよう。
盾はまあ場合を見て使っていこう。
続いて、着ていたものと小物だ。
皮鎧が4領。4領とも同じもので、上半身は腕以外の胴体と、下半身は膝から脛を守る鎧になっている。ほとんど場所が革製で所々金属が補強されている。動きやすそうだし戦闘に持って来いって感じだな。
防御を上げたいから皮鎧を使いたいのだが、今の体とはサイズが合わないので、しばらくは放置になりそうだ。
鎧の中に着ていた服やズボンは既に着れるような状態ではなくなっているので、布として使うことになるな。
ブーツが4足。これはまだ使えそうだが、これもサイズが合わない。
ネックレスが4つ。全員同じトップがついている。
全く同じネックレスなので、部隊や宗教のシンボルマークとかなのかな…まあ考えても分かる物ではないか。
シンプルな金のブレスレットが1つ。かっこいいし、見栄えを気にする場面があればつけてみようかな。
皮製の腰に下げる袋が5個。中には何かが入っていたのだが、それは既に砂みたいになってしまって元が何だったかは分からなくなてしまっている。まだ使えそうなので狩りの時には持って行ってみよう。
それにしても、食料や消耗品などを入れていたような袋が見当たらない。
この地下洞窟に落ちたときに落としたのかな?
バックパックみたいな大容量のリュックが欲しかったが、まあ仕方ない。
ボロボロになっているが、彼らが着ていた服があるし、その布で作ってみようかな。そうすれば狩りの時に色々持って帰りやすくなるだろう。
戦士の装備はこれで以上。
さて、お待ちかねの貴族の所持品だ。
他の戦士は武器に短剣と何かもう一本、という感じだったが、この貴族は、装飾が豪華で持ち手や鞘に宝石がちりばめられている剣を一本持っているだけだった。
剣というより宝剣って感じで、武器として強いかは分からないが、とても綺麗な剣で刃は一切錆びていない。
鎧は他の戦士と違って、所々宝石が装飾された豪華な全身の金属鎧だ。これでは森を歩くの本当にしんどかっただろうな。戦闘は他の戦士がしていたのだろう。
鎧の下に鎖帷子を着ていた。サイズは少し大きいが、俺もすぐに着れた。
対刃物のときに力を発揮してくれそうだ。重さもあまりないしこれで俺の防御力が上がるな。
他の戦士と同じように服やズボンは使えなくなっていたので、布コースだな。
首には他の戦士と同じトップのネックレスをしていたが、貴族の物はやっぱり豪華な見た目だった。
他にも妙な迫力がある茶色の五芒星のトップのついたネックレスもしている。
この貴族の他の所持品を見た所、装飾が派手で綺麗なものが好きなのだと思うけど、このネックレスは謎の迫力はあるが、素材は木製でも金属製でもないよくわからない物だし、その色合いが特に綺麗なわけでもなく、特別な装飾もされていない。
はっきり言って、他の持ち物と比べると地味だ。何か特別な思い入れでもあったのだろうか。
雑事をすることを想定していないのか、ナイフや小袋は持っていなかった。
これですべての装備を確認できた。
いい感じに武器やその他を並べて整理して、片づけは終了した。
それにしても何故だろうな。
6人だけ、それも一人は身分が高そうな人間がこんな森に何をしに来たんだろうな。
ただ、彼らがどんな目的でこの森に入ったのかは知らないが、このこの物々しい装備を見れば、買い物や人に会い目的ではなく、戦闘をしに来たんだろうな。
人間が森で魔物を狩る理由はいくつも思い当たる。
例えば貴族が”仕事をしてます”というアピールというのも考えられる。他にも、俺が知らない昔に、森の魔物を殲滅するために送り込まれた部隊の一部とか、まあ俺たち魔物はおそらく人間と仲良くできないだろうから、理由を考えればきりがない。
何故仲良くできないと思うかというと、ゴブリンとしての本能で感じるというのもあるけど、前世を含めて人間っていうのは他種族と共存できない生き物だからだ。人間は自分と違う物を恐れるし、それが凶暴な魔物ならなおさらだ。
その考えで行くと、俺もいずれは人間と戦うこともあるかもしれないんだよなぁ…
まあ、そうなったら容赦せずにやらないといけないよな。
まあ、既に死んでいる者達のことをいくら考えても分からないし、彼らのおかげで俺は価値あるお宝を手に入れることができた訳だからしっかりと感謝しよう。
良い場所を見つけて、しっかり埋葬しないといけないな。あの全員が同じトップのネックレスと一緒に埋葬しよう。その方が喜んでくれそうだ。
ネックレスで思い出したが、例の五芒星をつけてみようかな。
「うわっ!なんだこれ!」
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