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上官は猫である  作者: 山本好史
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プロローグ

 ブリタニカ王国。名物は不味いメシ(俺にとってはおふくろの味なんだが、そんなことはどうでもいい)、国会議事堂のとなりにあるでっかい時計塔、そこから川に沿って東方にある跳ね橋、その対岸の牢獄塔。エトセトラエトセトラ。この国に貴族として生まれたことは幸運なことと世間では捉えられているけれども、そんなのは所詮中産階級と下層階級の妄想に過ぎないのさ。ほら、俺だってこんな砕けた文章を書いてる。この書き方は多分終生治らないだろうな。何度国語の家庭教師に怒られたことか……。

 ウィンストン・レナード・マクレガーという大層な名前を貰っているが、もっとも、俺はマクレガーという名字のために尽くそうと思ったことは一度もない。そんな厭世的かなんなのかわからない感情をずっと抱いていたから、学校の成績は最悪……ではなかったが、順位は下から数えた方が早かったとでも言っておこうか。

 というわけで勉学で親に見限られたわけで、陸軍士官学校の入試を受けさせられたわけだが、一度嫌になったものは簡単には受け入れられるわけじゃない。わかるだろ?ほら、察してくれ、士官学校はギリギリで受かった。この国には士官学校で入試成績がドベだった奴は軍の騎兵科に回される風習がある。理由は単純だ。この国の士官学校は入試成績が上だったものから先攻する兵科を選んでいくシステムなんだ。だから学費や管理費が安価な歩兵からなくなっていき、最後には馬の管理費がかさむ騎兵が残る。ちなみに、真ん中には学費が安い順に砲兵科と諸兵連合科(まあ先進的な兵器研究をする場所と思ってくれれば差し支えない。)というものがあって、今回は俺の一人前で諸兵連合科の席が埋まってしまっていた。砲兵科はずいぶん前に埋まっていたらしい。

 というわけで俺は騎兵少尉として第13騎兵大隊へと配属されることとなった。

 そして、「彼」と出会った。

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