プロローグ
俺は死んだ。そのはずだ。なぜならマンションの8階から落ちたのだから...
ある一つの可能性は頭に浮かんでいる。
しかし俺はありえないとその考えを振り払って天井をぼんやりと見ながら今までの事を振り返ってみた。
俺(鴻巣 剣)は中学、高校と気楽に学校に行き、高校卒業後は父親のやっていた小さい居酒屋で働き、いずれは店をまかされるだろと思っていた。
しかし高校卒業から3ヶ月程度経った頃、唯一の肉親だった父が死んだ(母は父と同じ酒好きて話があって結婚したそうだが酒に溺れ家にも帰ってこなくなり離婚したそうだ。「そうだ」なのはそれが結婚して5年、父が30、俺は2才だった頃のことだからである)
父が死んで俺に残されたのは結構な額の遺産と店だけだった。
俺は店を継ごうともしたが高校卒業したばかりの俺は商売のやり方も教わっておらず店は父が死んで休業だったまま1日も開店することなく店仕舞いすることになった。
俺はその後2年ほどファミレスでバイトしながらのほほんと暮らしていたがベランダの洗濯物をしまっている最中ベランダの手すりに置いたスマホがその際、身体にぶつかりスルッと手すりから携帯が落ちていった。
しかし持ち前の反射神経と貧乏性で携帯をキャッチ....したが身体はもう空を飛んでいた。
そうして人生を終えた...はずだ。
考えても解決しそうにないしとりあえず自分の居場所を把握しよう
そう思い身体を動かそうとした。
だがそれをなす事は出来なかった。
なぜなら中年の男の顔が俺の視界に入ってきたからである。
その男は中肉中背で顔は少なくとも日本人のそれではなくとても整った顔立ちをしている。
....たぶん
うん、正直いってよくわかりません。
これはしょうがないとおもう。
だって今にも泣きそうな顔してるし
髪は黒だが眼がルビーのように赤いからもうキラキラしててとてもわかりやすい。
さらにその笑顔ときたらもうね
顔がいいからあるていどの笑顔ならかっこいいとおもうがもう顔の筋肉の限界なんじゃなかろうかという位の満天の笑顔だからね
そんなことを考えてるうちに男はこちらに手を伸ばしている
『ああ、やな予感がするわ』
『頼むやめろ、やめてくれー』
そう願ったが願いは叶わず俺はとても軽そうに持ち上げられた。
俺はここで俺の体重はけっこうあるぞ。
こいつどんな筋力しているんだ!なんて発言はしません。
認めましょう転生したという事実を
認め...ましょう
認め............
...られるかーーーーーー
俺は悲痛の叫びをしながら男の腕に収まる感覚と視界にうつるとても嬉しそうな顔をした中年の女性と男が俺に手をあて何かを言った後に発せられる小さい手や足からの光の理解を拒絶し続け、最初に浮かんだ一つの可能性
異世界に転生という事実を
『俺まだ神にも会ってないし、特殊能力ももらってない。それに転生なんてしたら絶対面倒事に巻き込まれるきがする』という理由で拒み続けた。
『誰かー助けてくれー』
パロル歴782年、俺(パルセス-レイモンド)は神が祝福したかのような晴天のなか大きな大きな産声を上げてこの世界に生誕した。