俺÷(ねぇさん+愛嶺)+転生の楽園=異世界デート
2106年2月24日
機壊の女王の事件から10日、ねぇさんはアレから俺の家で同居(ねぇさん曰く同棲)することになった。
もちろん愛嶺にはもの凄く反対されたのだが…それはまぁ義姉だから…という一点を武器にゴリ押しした。
10日も経つと愛嶺とねぇさんもお互い少しは打ち解けたようで、お互いの話なんかもするようになったらしく、その話は愛嶺の故郷。ザナドゥの話にまで及んだのだが。
なんとねぇさんはザナドゥのことを知っていたのだ。
ねぇさん曰く。そもそもザナドゥとは一種の死後の世界に近いモノらしい。
ねぇさんのした小難しい話はよくは分からなかったが、要約するとこういうことらしい。
本来世界は俺の居る世界以外にも星の数ほどある。
その数多ある世界から全世界を統合したところにある天上の宮に戦死した英雄や勇者達を選び取って彼らを天上の宮に迎え入れ持て成すのがワルキューレの仕事だったそうだ。
そしてその英雄や勇者の中から数多ある各世界でラグナロクでの戦いを終えた魂を転生させる場所…が転生の楽園らしい…
ゆえにワルキューレには彼女らが迎え入れ、持て成し、ラグナロクを終えた魂を転生の楽園へ送る役目もあるそうで。
ワルキューレには転生の楽園への道を開く術がある…ということだった。
とはいえ…正直なところ、話が難しかったのでこの解釈であっているのかも謎なのだが…
「だからね、ゆぅ君、転生の楽園の言語が統一されているのはあまりにも色々な世界の言語が飛び交いすぎると混乱するから、神の恩恵で言語の統一化をされているのよ。」
「ですからにぃさま、私は英雄でとっても偉いんですよ!えっへん♪」
「お、おぅ…」
なるほど…やはりわからん。
「それで…なんで愛嶺は俺たちの世界に来てしまったんだ?」
「それはね、ゆぅ君、多分だけど…他のワルキューレがゲートを空けたときにそのゲートにたまたま愛嶺ちゃんが落ちそのゲートにちゃったんじゃないかなぁ…と思うの。」
「てことはねぇさん達ワルキューレの業務上過失事件ってこと?」
「うぁ…そういう風に言われるとワルキューレも人間と大差ないような気がしてくるよ…」
「じゃあ私はワルキューレさんに賠償してもらわないといけないですねぇ…?ふふっ」
「な、なにをさせる気なのかな?一応私がやったわけじゃないけど…まぁ…多少のことなら…いいよ?」
ねぇさんのその言葉に愛嶺は意地悪く笑い、告げた。
「じゃあ…私、ザナドゥでにぃ様とデートしてみたいですっ!」
こうして俺達は、転生の楽園。ザナドゥでのデートに行って見る事になった。