四話
やっと完成しました。つたない文章ですがどうぞ。
見渡す限り遥かな青、ところどころに点在する白い雲、そしてそこに響き渡る・・・2つの悲鳴。
「なんじゃぁあああ~~~~~!!!!!」
『ぬぉおおおおおおおおおおお!!!!!』
標高3000メートルといったところでしょうか、今竜也君たちが・・・落ちてるのは。
「ジーク、ドラゴンでしょ、翼あるでしょ出てきて飛んでよ!!!」
『この状態では無理だぁああああああ!!!とにかく、スピードを落とさんか!!!』
「だぁああああああ!!!風よ爆ぜよ“風竜波”!!!」
竜也が、呪文を言うと強い風が巻き起こり落下速度が急激に低下した。
「これで、なんとかなるか?」
『・・・・・・すまん、無理だ。』
「なんで!!??言われたとおりスピード落としたよ!!??」
『さっきの状態だと考えることもできんだからな。それに、契約したのが初めてだということを今思い出した。だから、戻り方が分からん。それと、お前が死ねば私も死ぬということを忘れていた。』
「ジークのバカぁああああああああああああああああああああああああああああああああ!!!!!」
『うむ、本当にすまん。ぬぉおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおお!!!!!』
何やってるんでしょうか彼らは、喧嘩してる場合じゃないでしょうに。しかし、ジークのまさかのうっかり発言のせいで刻々と命の危険にさらされ続けている竜也君。このままだといろいろと描写ができないことになりそうですが・・・・・・・本当に大丈夫なんですか!!??
おや、なんとか言ってる内に二人が落ちそうな所で、何か起きているみたいですが?何でしょうか?・・・・これはこれは、なんとも胸糞の悪くなる光景ですね。
・・・醜い顔を持ち、魔物にしては高い知識、人間よりもすぐれた力、そして雌ならば全てを受胎させてしまうほどの高い繁殖性を持つ、魔物の代表格、小型の“ゴブリン”、“コボルト”、中型の“オーク”、大型の“トロル”といった二足歩行型の魔物が、各々の普通種、亜種、上位種が数百・・・いや、千以上大集団で入り乱れている大きな巣がそこにあった。奴らは、大きな円になるように集まっていた。その中心には、大きな牢屋のようなものが置いてあり、その中には若い、人間、エルフ、ドワーフ、獣人の女性たちが百人程入れられていた。
その中で、赤みを帯びた髪色で腰の程まである長髪、緑色の瞳、東洋系の整った顔に冒険者風の軽鎧を着けた、ひときわ目立つ容姿をしている少女がいた。
ナノカSIDE
もう、ダメなのかな?私、魔物に犯されて、あいつらの子供産まされて、壊れたら食べられちゃうんだよね・・・話には聞いていたけど、イヤだよぉ。せっかくバスターに成って、沢山役に立とうと思ってたのに
「ひっく・・・、ママぁ怖いよぉ。」
「大丈夫、大丈夫だから・・・アナタ、ごめ・・・んなさい・・・ごめんなさい。」
近くにいた、親子が嗚咽している・・・そうだ、私はこの人たちみたいな人の助けになりたくてバスターになったんだ。こんなところで、泣いてる場合じゃないんだ。早く先輩と合流して・・・
「ナノカ。」
「リン先輩!」
声がしたほうを向くと、金髪のふわっとしたロングの髪に、騎士のような鎧を着けた女性、私のバスターの先輩で、パーティのリーダーであるヴィクトリンデ先輩がいた。先輩のほうも私を探してくれてたみたいだ。
「静かに。気づかれてしまうわ。」
「すみません。でも、無事でよかったです。」
怒られちゃった。でも、本当に無事でよかった。あと、二人仲間がいるけど、依頼で立ち寄った村が魔物に襲われたときにはぐれちゃったんだよね。あいつら、若い女性を片っ端から連れ去ってたからもしかしてと思ったけど。
「情けない話だけど、力任せの攻撃がかすっちゃって気絶してたのよ。だから、大した怪我はしていないわ。でも、ほかの二人は、怪我は少ないけど、結構戦ってたから疲労が強いみたいで、向こうで休ませているわ。」
「よかった、みんな無事だったんだ。」
「あまり、状況は良くないけどね。このままだと全員奴らの慰み者になるだけよ。」
「・・・そうですよね。早くなんとかしないと。」
確かにそうだ。みんな無事なのは分ったけど、それだけじゃ何も変わらない。
「でも、たぶんギルドに今回の情報はもう行ってると思うわ。だから、二,三日すれば、ほかのバスターたちや王国騎士団がが助けに来てくれるはずよ。」
「本当ですか!」
やった、少しだけど希望が持てた。ってことは、私たちは・・・
「気づいたようね、二人にも言ってあるけど、私たちは、時間稼ぎをするわ。奴らが動き始めたらとにかく暴れるの、できるだけ長く、後ろの人たちを守りながらね。ほかにも、戦える人たちが協力してくれるから結構稼げるはずよ。」
それが本当なら、ギルドのみんなが来てくれるまで耐えられるかもしれない。
「分りました、それじゃ準備を・・・「きゃーーーっ。」『ゲハハハハハ、メスドモキモチヨクナルジカンガキタゼ~~~!!!』・・・!!」
入口に、トロルが入ってきた。もう、来たの!?そんな、戦えない人たちを中心にしないといけないのに。
「くっ、ナノカ合図をしたら非戦闘員を集めて後ろに下がって、ここにも何人か戦える人がいるから少しは持つはず・・・『オオット、コレヲワスレテイタゼ』・・・?・・・!?なっ体が。」
「そんな、うまく動かない。」
そんな、いきなりなんで、よく見るとほかの人たちも体が動かないみたい。さっき入ってきた奴の手に何かあるけど・・・まさか!?
『ヨクキクダロ、コノシビレグスリノケムリハ。オマエタチガヘンナコトヲシナイヨウニサセテモラッタゼ。』
うそ・・・。これじゃ、時間稼ぎができない。
『ソレニ、アシタニナレバマタイドウスルカラナタスケヲマッテモムダダゼ。アキラメルンダナ。』
そんな、せっかく助かると思ったのに、これじゃ・・・
『サテト、マズオレカラタノシムトスルカ・・・ヨシ、ソコノオマエデキモチヨクナルトシヨウ。オレノコヲハラメヨ。』
!!??トロルが、私を指さしてくるなんて、こんな奴に私の初めてが・・・・・・いや・・・いやだそんなのいやだ!!!
「いやっ、いやっ誰かっ、誰か助けて・・・」
「ナノカっ!!『サァ、オマエタチモスキナメスデ、タノシメヨ。』『『ギャギャーーーー!!!』』っそんな、いやっ!?」
先輩もうまく動けないのに私を助けてくれようとするけど動きが鈍い。それに、ほかの魔物たちも動き始めたみたいだ。ところどころで悲鳴が聞こえてくる。
『サァ、タノシマセテモラウゼ、ゲヒヒヒヒ。』
トロルが私の体をつかんでくる・・・いやだ・・・いやだ!
「いやーーーーーーーーーーーっ!!!」
『ゲハハハハハハハハ!!!』
誰か、助けて・・・・・・・
「『うわぁあああああああああああああああああああああああああああああああああああ!!!!!』」
どかーーーーーーーーん!!!!!!
「「「『『『!!!???』』』」」」
何が、起きたの?
ナノカSIDE OUT
竜也SIDE
あう~~痛い・・・風竜波を何度か使ったおかげでスピードは落とせたけど、結構衝撃来たなぁ。まったく、ジークってば変なところで抜けてるんだから。まずは、今のジークが何をできるのか調べないとな。
・・・・・・あれ?そういえば、さっきから視線を感じるような気が・・・・・・?魔物、人型ってやつだっけ、すげぇ数どう見ても友好的じゃないよなぁ・・・ん?奥のほうにもいるような・・・!!??人!?それも女の人ばっかりじゃないか、しかも牢屋だよなあれ。・・・あぁ、なんとなく理解はできたな。はぁ、流石神様から与えられたトラブル巻き込まれ体質、さっそくトラブルか・・・・・・
「ジーク、起きてる?」
『ああ。』
「どういう状況かわかる?」
『よくはわからんが、大方把握できた。お前もだろう?』
「うん。まずやることは。」
「『あの魔物たちを、ぶっとばす。』」
竜也SIDE OUT
ボストロル SIDE
なんだぁ、人間か?・・・ちっ、雄かいらんな。せっかくの時を邪魔しやがって。萎えちまったじゃねぇか。
『オイ、オマエタチヤツヲサッサトコロセ。』
奴の近くにいた部下たちに命令を出したし、奴もすぐ死ぬだろう。ククク、奴の悲鳴を聞けば気も高ぶるだろうから、改めてあの雌を楽しむとする『『『ギャァアアアアアアアアアア!!!』』』・・!?
『ナンダ、ドウシタ!?』
俺が悲鳴が上がったところを見ると、そこには部下の変わり果てた姿と、今まで何も持っていなかったはずの男が、刀を持ってそこに立っていた。何なんだあいつは、なんで・・・なんでこんなにも私が恐怖しているんだ!?ありえない、ありえない、私は王だぞ、人型の最上位に君臨する王なのだぞ、なぜ、たかが人間ごときに恐怖せねばならんのだ!?
『・・・!?ナニヲシテイルゼンインデオイツメテヤツヲコロセ!!』
『『『!?・・・グォオオオオオオオオオオ!!!』』』
とにかく、あの不快な奴を殺さねばならん、全員でかかればいくら奴でも・・・『『『ギャアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアア!!!!!!』』』・・・・・・そんなバカな・・・こんな一瞬で・・・こんなに早く全員やられたというのか、奴一人に・・・
「さてと、親玉はアンタかな?」
奴が私に刀を向けて、そう言ってきた・・・敵わない・・・敵う筈がない・・・・・・いやだ、いやだ、いやだ・・・
『イヤダァアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアア!!!!!!!!!』
私は、とにかく逃げたかった、雌も部下も食料ももう、全部どうでもよかった・・・とにかく、逃げたかった。
「はぁ、こんなことした奴を逃がすわけないだろ。せっかく、話せるから話し合いをしようと思ったのになぁ。まぁ、いいや、弁解の余地なさそうだし・・・・・・斬る。」
後ろでそんな言葉が聞こえたような気がしたと思った瞬間、私の視界はいきなり後ろを向いた。目に見えたのは、奴に殺された部下の姿と、信じられないといった顔をした人間の雌ども、そして・・・刀についた血を振り払っている奴・・・血?さっきまでそんなの付いていなかったのに・・・・・・あれ、首が勝手に動く・・・あぁ、首が斬られたのか・・・。
SIDE OUT
ナノカSIDE
うそ、あんな数の魔物をこんなに早く倒すなんて。いったい、あの人は誰なの?高位のバスターなら、聞いたことあるはずだよね・・・でも・・・かっこいいなぁ。・・・・・・!?なんで、こんなこと思うの!?まさか、これが友達が言ってた・・・恋なの?
「すごい・・・なんて強い力なの・・・。」
リン先輩が、あの人のほうを見てそう呟いていた。リン先輩がそういうってことは、ほんとに強いんだあの人、リン先輩だって中位のバスターでも上位クラスの実力を持ってるはずなのに・・・
「惚れたわ、完璧に・・・ぜったい付いて行くんだから。」
・・・・・・はい?いま、リン先輩、何て言ったの?惚れた?あの人に?・・・そんな、リン先輩も好きになるなんて・・・他に見てみると、同じパーティメンバーの二人と、一緒に戦うと言ってくれた女性たちのうち何人かがリン先輩と同じ顔をしてあの人をみつめていた。
「こんなに?嘘でしょ?ただでさえリン先輩きれいなのに、他の人もあんなにきれいなのに、それなのに・・・。」
ううぅぅぅぅぅぅ、負けないもん。私だってあの人と一緒になりたいもん。
ナノカSIDE OUT
やっと、地上に降りた竜也君たちですが。さっそく、トラブルを解決したようですね。・・・まぁ、他のトラブルも呼びそうですけど。しかし、魔物たちをぱっぱと倒しちゃいましたねぇ。彼らも、一人一人はそんなに強いわけではないんですが、塵も積もれば山となるというか、三本の矢は折れないというか、あの数なら、普通倒すには、軍隊一部隊は使わないと難しいんですが・・・・・・ジーク、竜也君にどんな修行したんでしょうか?
さて、こんどはこの事件の事後処理と竜也君と新たに登場したヒロインたちとの物語が始まるようですね。それではみなさん、また次回お会いしましょう。
「ジーク、なんだか変な視線感じるんだけど。」
『そうか?私は感じないが。気のせいではないか?』
「そうかなぁ、でも前にもこの感じあった気がするんだけど?」
・・・リア充死ねばいいのに
ほんとに急展開ですみません。戦闘描写下手ですみません。遅れてすみません。生まれてきてすみません。(オイ)
これからも、多分これくらいのペースになるかと思いますので、見捨てないでくださいませ<(_ _)>。
これからもよろしくお願いします。