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第7話 「役割という武器」

連携は、形になり始めていた。


 でも、それだけだ。


「……さっきの、もう一回できるか?」


 蓮斗がこちらを見る。


「……分からない」


 正直に答える。


「感覚的すぎる」


「つまり再現性がない」


 白峰が淡々とまとめる。


「使えねぇな」


「否定はしない」


 言葉が少しだけ刺さる。


 祖父が、静かに言った。


「なら、形にしろ」


「……形?」


「誰が何をやるか、固定しろ」


 それだけだった。


 でも。


 理解できた。


「……役割か」


 白峰が呟く。


「それなら再現性が出る」


「どういうことだ?」


 蓮斗が眉をひそめる。


「簡単だ」


 白峰が続ける。


「全員が“何をするか”決めればいい」


「……適当に動くんじゃなくて?」


「そうだ」


 確かに。


 今までは、なんとなく噛み合っていただけだ。


「じゃあ、どう分ける?」


 自然と、全員の視線が集まる。


 少しだけ考える。


 でも。


 答えは、もう見えていた。


「……蓮斗は前」


「おう」


「敵を引きつける」


「任せろ」


 即答。


「玲奈は突破」


「……削る」


 短く頷く。


「白峰は後ろ」


「分析と指示だな」


「頼む」


「合理的だ」


 祖父を見る。


「……全体」


「当然だ」


 それでいい。


 そして。


「……俺は繋ぐ」


「繋ぐ?」


 蓮斗が首を傾げる。


「全員の動きを、合わせる」


 自分でも、少し曖昧だと思う。


 でも。


 これが、一番しっくりくる。


「……面白い」


 白峰が小さく笑う。


「役割分担としては理想的だ」


 ぴーちゃんが、ふわっと浮かぶ。


「……ささえる」


「……頼む」


 全員、揃った。


 その時。


 奥から、音。


 ズルッ、と何かが這うような音。


「……来たな」


 祖父の声が低くなる。


 黒い影。


 さっきよりも、少しだけ多い。


「五体」


 白峰が即座に数える。


「……やれるか?」


 蓮斗が笑う。


「やるしかねぇだろ」


 頷く。


「……行くぞ」


 動く。


 蓮斗が前に出る。


「こっちだ!」


 敵を引きつける。


 玲奈が横から入る。


「……削る」


 速い。


 白峰が言う。


「右二体は遅い。先に処理可能」


「了解」


 身体が動く。


 無理に考えない。


 ただ。


 ズレを埋める。


「蓮斗、一歩下がれ」


「おう!」


 その隙に、玲奈が入る。


 削る。


「次、左」


 動きが繋がる。


 全員の役割が、はっきりしている。


 だから。


 迷いがない。


 無駄がない。


 崩れない。


 最後の一体。


「今だ」


 蓮斗が止める。


 玲奈が切る。


 終わり。


 静寂。


「……さっきより楽だな」


 蓮斗が笑う。


「再現性がある」


 白峰が頷く。


 祖父が短く言う。


「形になったな」


 小さく息を吐く。


 確かに。


 さっきより、安定している。


 でも。


「……まだ足りない」


 自然に口に出ていた。


「何がだ?」


「……分からない」


 でも、確実にある。


 この先。


 もっと強い敵が出てきた時。


 このままじゃ、足りない。


 ぴーちゃんが、小さく揺れる。


「……まだ」


 その一言だけで。


 少しだけ、確信した。


 これはまだ。


 完成じゃない。



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