これさえ読めばだいたい分かる! 第1章あらすじまとめ
【登場人物】
【ここまでのあらすじ】
――――2050年。
科学が発展し、ソーラーパンク(自然と科学技術が共生する社会)に行きついた日本。
そこに住む人々はみな、迷信や魔術を忘れ、最先端科学の恩恵を享受していた。
しかし、そんな時代に1人。この物語の主人公――――骨喰加那太――――通称:カロは、黒魔術師と呼ばれる違法の魔術師として日夜、魔術の研鑽に励んでいた。
① シズクとの出会い
物語は、死んだはずの叔父――――骨喰ヒュウガから、カロの元に送られてきた1つの箱によって動き出す。
叔父から送られてきた箱。その中から現れたのは、魔術の道具でも魔導書でもなく、叔父の作り出した土人形の少女であり、叔父の初恋の人の魂を宿した存在――――玉砂シズクだった。
カロは、手紙伝いに叔父から《シズクを守って欲しい》と頼まれる。
叔父曰く、今のシズクは土人形でありながら魂が定着しておらず、また脅威も多くあるとのことだった。
そんなことを突然言われても、自分には関係ないとシズクの存在を受け入れられない、カロ。また、シズクの自由奔放な行動から、付き合っていられないとカロはシズクと反発してしまう。
すると、そこに現れたのが叔父が記した脅威の1つ。――――シズクの魂を冥界に連れ戻そうとする悪霊たちだった。
カロは戦いの中で、シズクが悪霊の攻撃から自分を守ったこと。
また、今までの身勝手な行動は全てカロを想っての行動だったことを知ると、悪霊を祓い、シズクに『シズクが人間になるまでに必要な1年間という期間を自分が守り通す』と約束するのだった。――――が、しかし。
悪霊に勝ったかに思えた、カロたち。しかし、寸でのところで生きていた悪霊が、カロに襲いかかる。
そんなピンチの瞬間に現れ、悪霊を祓ったのが――――松永。カロのクラスメイトだった。
② 松永と特魔
カロ、シズク、松永の3人は、日を改め、ショッピングモールに来ていた。そこでカロは、松永から事情を聞く。
松永は、叔父の言っていた脅威の1つ。
黒魔術師を良しとしない公安組織“特魔”に所属する魔術士だった。そして、その目的は『シズクが誕生した時に生まれた大規模な魔力反応の調査』であった。
目的はあくまで調査であって、シズクを殺す気はないと説明する松永。しかし、それをカロが疑うと、松永は自分たちの調査する派閥以外にシズクを殺そうとしている派閥があることを明かす。
そして、同時に「シズクを自分たちの派閥に預ける気はないか?」と提案した。
松永たちの派閥にシズクを預ければ、悪霊たちの攻撃を容易に防ぐことができるのは明らかだった。さらに、シズクを殺そうとする派閥に対しても、実力行使ではなく内部政治――――つまりはシズクの処遇について話し合いに持ち込めるメリットもあった。
しかし、一方で松永の特魔としての非情さや、シズクが自分にむけてくれている態度、そして何よりシズクと交わした約束を想うと、カロは素直にそれに応じることはできず。結果、カロは自身がシズクを守ることを決断し、さらに自分の対応できない脅威が来れば松永さえも巻き込んでやるとメチャクチャなことを宣言するのだった。
③ 赤木アザミとの邂逅
それから数日が経過した頃、カロと松永はよく会話を交わすようになっていた。
松永の任務はシズクの監視だったし、カロはそんなシズクを守らねばならなかった。
そんなところに話しかけてきたのが――――今垣と新井という2人の女生徒だった。
2人の目的は、学校有数の人気者である松永だった。2人はカロを通じて、松永に接触を図ろうとしていたのであった。
やがて、休憩時間や昼食時間を一緒に過ごすようになる5人。
しかし、カロはある日、この中にシズクを排除する派閥――――特魔の人間がいることを松永から知らされる。
2人は推理の末、新井が犯人であると結論を出す。――――が、新井が悪霊に取り憑かれたことでその推理は破綻。
新井は特魔ではないと分かり、2人は今垣という偽名で学校に潜入していた特魔の魔術士――――赤木と対立することになるのだった。
④ 最終決戦:禁書魔術《支配》
次の日、赤木はすぐさま2人に襲いかかってきた。
カロは咄嗟に松永にシズクを預けると、自分と戦うように誘導する。――――が、それこそが赤木の狙いだった。
赤木が追っていたのは、『骨喰ヒュウガ』および『骨喰ヒュウガと同じ魔力を持つ者』だった。そして、それはカロの叔父であり、カロの魔術の師匠であり――――カロに魔力を分け与え、命を救った人物でもあった。
赤木曰く、骨喰ヒュウガの魔力を持つ者は“禁書《支配》“と呼ばれる魔導書を使い、玉砂シズクの魂をこの世に呼び戻したのだという。そして、その禁書は特魔では扱いを禁止されており、直ちに回収しなくてはならなかった。
カロは、自分が箱を開けた時にシズクが誕生したこと。
骨喰ヒュウガの痕跡が、ショッピングモールにも最初の悪霊と戦った時にも残っていたこと。
そして、何より骨喰ヒュウガ本人から自分が魔力を分け与えられたことから、自分こそが赤木の言う『骨喰ヒュウガと同じ魔力を持つ者』だと推理する。
しかし、そんな話をする中で、赤木が引っかかったのは――――意外にも、骨喰ヒュウガが死んでいるという点だった。
そして、カロは赤木から「魔力を誰に分け与えられようが、魔力はその人固有のものになる。つまり、本人以外に骨喰ヒュウガの魔力を扱える者はいない」という事実を告げられる。
……で、あれば、『骨喰ヒュウガの魔力を持つ者』は誰なのか。それは、あの日ショッピングモールにもいて学校にもいて、かつ、カロではない人物である。
その時、踵を返したカロを呼び止める声がした。その正体は――――松永であった。
ヒュウガは禁書に記された人の魂に干渉できる魔術《支配》を使い、シズクだけでなく自分さえも現代に転生させ、松永という生徒の体を乗っ取っていたのだった。
ヒュウガは「事故で離別したシズクとの人生をやり直すために、現代に転生してきた」と語る。
そして、その計画の過程でシズクに魔力供給をさせ続けるために、わざと事故に巻き込んで体に魔力供給機関を埋め込んだこと。カロの両親を殺してしまったことを吐露した。
命の恩人だと思っていた人間が実は親の仇であり、さらには他にも次々と絶望的な事実を暴露されていくカロ。――――しかし、そんな絶望からカロを救ったのはシズクだった。
「――――カロ、生きて」
その言葉に背中を押されると、カロは高等魔術である《魔蜘蛛姫ノ綴織》を発現させる。
そして、過去に決別を告げ、いま目の前にあるものを信じ守り抜くと決心すると、最後には赤木と協力し、ヒュウガの魂をこの世から祓ったのだった。
⑤ 後日
カロは、赤木から『ヒュウガを祓い、禁書も回収したことで、もうカロを追う必要は無くなった』ことを告げられると、捜査協力もあり、シズクの処分は2つの条件をクリアすれば今まで通りでいいということでまとまったと説明される。
その条件とは、1つが『あくまで赤木の監視付きであること』――――そして、もう1つが『卒業したら特魔に入ること』だった。
カロは反発するものの、赤木はお前に選択しないと詰め寄り、結局カロは条件付きではあるものの、仮初の平和を手に入れることができたのだった。
2章更新開始は、22日の月曜日からです!
今しばらくお待ちください~




