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レオニス将軍

戦局は、明らかに雷火国有利に傾いていた。

王国軍は物資を断たれ、士気を喪い、指揮系統も揺らぎつつある。


だが、敵将――王国軍総大将・レオニス将軍が生きている限り、戦は終わらない。


だからこそ雷火国は決断する。

敵将を討つ――「斬首作戦」である。



---


■ 作戦概要


作戦の柱は4つ。


1. 吸血鬼部隊・猫族部隊が敵本陣に夜間潜入、将軍の天幕を包囲。



2. 灰刃隊が外周の警備を攪乱し、護衛部隊を孤立させる。



3. 健二と飛竜部隊が上空より突撃、雷撃とともに陽動と突入。



4. 健二が自ら敵将レオニスを討ち取る。




この作戦は、雷火国にしかできぬ。

種族も戦法も違う者たちが、それぞれの“強さ”を信じ、共に動く――それが雷火の戦い方だ。



---


■ 深夜、無音の刃


月も風もない夜。

吸血鬼たちは気配すら残さず、敵本陣に取りついた。

番兵は一人残らず気絶させられ、喉元に牙を当てられた者すら、叫ぶ間もなく静かに眠った。


続いて猫族の戦士たちが天幕の屋根を走り、最奥――総大将レオニスの居所を特定。

気配と足取りを読み切り、彼の動向は完全に掌握されていた。



---


■ 灰刃隊の攪乱


その頃、灰刃隊が外周を破壊工作により撹乱。

爆薬、煙幕、幻惑魔法――


敵兵は混乱の中で見えぬ敵と戦い、互いに刃を向け、命令系統は完全に崩壊する。


「どうした!? どこから来た!?」

「味方か? いや違う、あれは……雷火の灰刃か!?」


その混乱の中心に、雷が落ちた。



---


■ 空より、轟雷と共に


「――飛竜、降下準備!」


健二が叫ぶ。空を駆ける黒き飛竜、その背に乗るは雷火の英雄。


右手には雷の魔法を纏った刀、左手には部隊への指令。

その姿は、まるで“雷神”そのものであった。


「雷火――開戦の狼煙だッ!」


雷が本陣に炸裂した。

爆音と閃光が天幕を破り、地を揺るがし、兵を震えさせた。


飛竜部隊が降下、天幕を切り裂き、ついに敵将の前へ健二が降り立つ。



---


■ 雷火の英雄 vs 王国軍総大将


「貴様が雷火の英雄か……」

重厚な金の甲冑を纏うレオニス将軍が立ち上がる。


その身は老いてなお屈強、剣は王国随一の重量剣。

足場の焼けた本陣の只中で、レオニスは獣のような気迫を発した。


「この命、貴様にくれてやるつもりはないぞ、雷火の者よ!」


健二は静かに歩を進めた。


「……それでいい。だが俺が相手である以上、貴様は死ぬ。――それが、責任の重さというものだ」


言葉を終えると同時に、両者が踏み出した。


刃が交差する。


雷を纏った健二の刀と、重剣の一撃が火花を散らす。

一撃ごとに地面が裂け、天幕が揺れる。


剛力と速さ、冷静さと怒り――両雄のあいだに一瞬の隙も無かった。


だが、数合ののち。


「雷火の“教え”は、力だけじゃない。……“正しさ”だ」


健二が一言つぶやく。


次の瞬間、雷が走る。


健二の刀がレオニスの剣ごと胸甲を断ち割った。


敵将は膝をつき、目を見開いたまま、崩れ落ちた。


「王国軍、総大将――レオニス、討ち取ったり!」


健二の声が夜空に響いた。



---


■ 勝敗、決する


敵将を失った王国軍は完全に瓦解。

降伏する者、逃げる者、武器を捨てる者が相次いだ。


雷火国は、斬首作戦によりわずかな犠牲で大軍を打ち破るという偉業を成し遂げた。



---


■ そして夜明け


焼け跡の静けさの中。

健二は崩れ落ちたレオニスの骸に静かに頭を下げた。


「……これが俺の“答え”だ。戦うってことは、守るために殺すってことだ。だが、だからこそ――俺は、教え続ける」


後方から飛んできた飛竜が低く鳴く。

その背には、かつての生徒たち、成長した若者たちの姿があった。


彼らの瞳は、ただ勝利に歓喜するものではない。

“守るべきものを背負う者の覚悟”が、そこにあった。


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