デカい領地ゲットだぜ
王国軍の撤退と、広がる雷火の旗
ヴォルネス将軍の死は、戦場に一気に緊張を走らせた。
その名は、王国軍の柱ともいえる存在。
将軍の剣が伏せられたと知った瞬間、各所の隊長たちは判断を迫られた。
「……このままでは無駄死にだ!」
「総退却だ! 陛下のためにも、生きて帰るぞ!」
兵たちは混乱しつつも、撤退の号令に従い、戦場から離れていった。
追撃を命じようとする者もいたが、健二は一言だけ呟いた。
> 「無駄な殺しは要らん。血の代わりに、領地をもらおう」
こうして雷火国軍は戦わずして、王国軍が築いた南部の十六拠点を次々に制圧していった。
地方領主の中には即座に降伏し、雷火国への忠誠を誓う者すら現れた。
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■健二、旧領主たちと民衆に向けて演説す
領地が拡大する中、健二は各地の広場に立った。
彼は鎧を脱ぎ、木剣を背に立つ。剣と力の象徴、それでいて民と目線を同じくする姿だった。
集まった領民、元王国の兵士、そして魔族や獣人たち――
その前で、健二は言った。
> 「俺は、この国の王になるために来た」
ざわめきが走る。人々の目が試すように彼を見ている。
だが、健二は堂々と言葉を続けた。
> 「だが、俺は玉座に座って命令を下すような王にはならん。
文句があるなら、俺と戦うか、俺と話し合え。」
この一言に、場が静まり返った。
そして――
「……それでいい!」 「そういう王を待ってた!」 「誤魔化さねぇ奴が、一番信用できる!」
魔族たちは牙を剥きながら笑い、獣人たちは手を叩き、
人間の農民たちすら目に涙を浮かべて叫んだ。
> 「強い者が上に立つ。それでいて、俺たちと向き合ってくれる王だ!」
> 「雷火万歳!」
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■民衆の心が動き出す
健二の演説は、各地で語り継がれることとなった。
彼の姿勢――武力を盾にせず、だが怯まず正面から向き合う態度は、人々の心を揺さぶった。
魔族の集落からも志願兵が現れ、獣人の集団が「山の民の援軍」として到着した。
かつて王国に虐げられてきた者たちが、雷火の旗のもとに集い始める。
ランドルフ侯爵はその様子を見て、つぶやいた。
> 「これは……革命だな。形だけの貴族や名ばかりの正義では、誰も動かせん。
健二、お前の在り方が人の魂を動かしたのだ」
健二は黙って頷き、夜空に掲げられた新たな雷火の紋章を見上げていた。




