勇者の末裔ゲットだぜ
【第一幕】「古の勇者の末裔」
雷火国建国から半月後。
平和とは言い難いが、訓練と補給の整う貴重な猶予の時。
健二は城外の訓練場を視察していた。
そこに、一人の旅装の男が現れた。
白銀の髪を肩に流し、手には古びた革巻きの剣。
年の頃は二十代半ば、だが瞳には何百年もの深淵が宿っていた。
彼は城門の兵士に名乗る。
> 「我が名はエルデリオン・ミスト。
かつて女神に選ばれし、“初代勇者セイラス”の血を引く者です」
その報せはすぐに健二のもとへ届き、即日、謁見が設けられた。
謁見の間。
健二は即位後も変わらぬ黒衣に身を包み、王座に座る。
エルデリオンはひざまずき、そして顔を上げ、真っ直ぐに語った。
> 「あなたの言葉に、“かつての誓い”を思い出しました。
強き者が正しき者であらんとする誓い。
それは、神にも王にも屈さぬ勇者の理念。
…あなたこそ、現代に蘇った誓いの担い手」
彼は長きに渡って一族を隠してきた理由を語る。
神の騎士団に「血」を狙われたこと
女神の子とされる者たちが利用され、喰われてきた過去
勇者の血脈を求めて数百年、各地で戦争が起きてきたこと
健二は静かに彼の言葉を聞いた後、こう返す。
> 「俺に“勇者の血”は無い。
だが、あんたがその血に意味を感じるなら、貸してくれ。
血で国をまとめる気はないが、血が誰かの希望になるなら、利用してみせる」
エルデリオンは微笑む。
> 「血ではなく、魂が勇者であると知る者に会えた。
それだけで、我が旅は報われました」
かくして、エルデリオン・ミストは雷火国に正式に仕えることとなる。
彼の知識と剣技、そして“勇者の紋”は、雷火国の大義に更なる重みを与えた。
---
【第二幕】南より迫る影――王都精鋭将軍進軍
その翌週、辺境の監視所が緊急の報を持ち帰った。
> 「南方より王都直属軍が進軍中。
先遣兵力三千、主力一万二千。指揮官は“鋼翼将軍”ヴォルネス」
ヴォルネス――王都最強の将軍にして、神の騎士団の“整合者”。
理と忠義を極めた男であり、情を持たぬことで知られる。
> 「王命に従い、雷火なる偽国を粉砕する」
という通達が王都より辺境中に発布され、
忠誠を誓う諸侯や傭兵団が次々と王軍に合流していた。
ランドルフ侯爵は地図の上で指を滑らせながら言う。
> 「やがては来ると思っていた。これは正面戦争の始まりだ」
健二は静かに立ち上がる。
> 「ならば正面から叩く。
逃げる気はない。“強く正しき国”を名乗った以上、ここで負けるわけにはいかん」
ファルザス子爵は不敵に笑った。
> 「我ら魔族もようやく暴れる時が来たというわけだ。
神の騎士団の残党ども……首の一つでも献上させてもらおう」
エルデリオンは剣を抜き、その刃に聖なる刻印を浮かべて告げる。
> 「初代勇者セイラスの誓いにかけて、雷火の旗のもとに戦おう。
神に選ばれずとも、民に選ばれし者の刃となろう」
---
こうして、雷火国軍は初の大規模会戦に向けて動き出す。
雷火軍総数:9,000(訓練済み兵5,000+徴用兵1,500+魔族支援兵2,000+騎馬部隊・精鋭500)
王国軍総数:15,000(主力軍12,000+傭兵団2,000+神の騎士団残党1,000)
舞台は、かつて神の騎士団の支配拠点であった要塞都市〈アグナス〉の南方、
広大な丘陵地帯。
この戦いこそが、雷火国が真の“国”かどうかを問う試練となる。




