雷火の改革
ラグナ城陥落から一月。
王都では雷火団の勝利に動揺が走っていた。
王家は「異端者の反乱」として弾圧の強化を発表するが、民衆の反応は鈍い。
その陰で、ランドルフ侯爵は秘密裏に動き出していた。
彼はかねてからの政敵である貴族たちに接触し始めた。
目的はただ一つ――「雷火団の理念に同調する者」を探すためだ。
> 「雷火団が目指すのは“強き者が正しく治める”国家だ。
これは無秩序な革命ではない。生き残る価値のある者には、新たな地位が約束される」
彼の元には、以下のような者たちが集まり始めた:
王家の専横に不満を抱く辺境伯
賢者会議を追われた老魔術師
神殿の腐敗に失望した若き神官
有能だが平民出身ゆえ冷遇された将軍
ランドルフは彼らに密かに誓紙を交わさせ、「王家の転覆後」に備えた影の連絡網を構築していく。
さらに彼は、王都で運営されていた孤児院や学校への資金援助を匿名で始める。
> 「いずれ、彼らが“雷火の理”を知ることになる」
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第二幕:雷火団、自治組織の胎動
ラグナ城を制圧した雷火団は、すぐに略奪や暴力を禁止し、「新たな秩序」を築き始める。
中心となったのは、健二・リーファ・ファルザス子爵・ハワード領から派遣された行政官たちだった。
まず行われたのは以下の三つ:
1. 【治安部門の設立】
訓練を受けた兵士たちの一部を「雷火治安隊」とし、拠点内の巡回と防犯に従事させた。
民間からも志願を募り、簡易な講習と誓約により補助的な警邏役に任命。
→ 強盗や夜間の不審者は即座に拘束、報復を恐れず正義を執行。
2. 【食糧・税制度の整備】
ハワード子爵の提案により、領民からの収穫物の一部を税として徴収し、保管庫に蓄える。
飢饉や戦時の備えとするほか、貧困層に分配し、**「国家は守る存在」**として印象づける。
→ 民の中に「雷火の治める地では飢えない」という安心感が広がる。
3. 【教育と信仰の改革】
リーファと魔術師団が中心となり、子どもたちへの読み書き・数術・魔法基礎を教える学び舎を開設。
神の名ではなく、「正義と強さ」という価値観を教え込む。
→ 教師役にはかつての聖職者も起用し、「女神は争いより、平穏を望んでいる」と語らせた。
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第三幕:広がる影と光
ラグナ城を中心に、周辺の村々も徐々に雷火団の自治に協力するようになった。
道が整備され、盗賊が姿を消した
市場に秩序が生まれ、物資が安定した
魔族や亜人に対する偏見がなくなった
だが同時に、王国は情報統制と粛清を強化。
王都では「雷火に与した者は異端」とされ、捕縛や拷問が始まっていた。
ランドルフはその流れの中で、さらに多くの反王家勢力を取り込み始める。
そしてある夜、健二宛ての文を出す。
> 「時至れり。
王都内部にも“火種”は散らばり始めた。
あとは貴殿の焔が、それを燃やすのを待つばかり――ランドルフ」
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第四幕:健二、決断の時へ
雷火団の旗の下、志願兵は二千を超えた。
彼らの中には魔族、獣人、元騎士、農民すらもいる。
健二はその集団の中央に立ち、こう告げる。
> 「国は……力なき正しさでは変わらない。
ならば、力ある正しさで――俺たちが国を作る」
> 「戦おう。
生まれも、種も、過去も問わず、
“正しく、強く生きたい”と願う者のために!」




