雷火団出撃
魔族領の一角を本拠とした健二の軍――その名も「雷火団」は、
ついに王国の支配地域へと軍を進めた。
初期目標は王国西部辺境地帯の制圧・交渉による掌握。
これらの地は王都からの支配が薄く、
王国による徴税と圧政、神の騎士団の横暴により、多くの民が疲弊していた。
ランドルフ侯爵は戦略地図の上に赤と青の駒を並べながら言った。
「ここからだ。奴らはまだ我々を“反乱者”としか見ておらん。
ならば、理想を掲げ、民と兵の心を得て進むのがよい。健二――“正しさ”で勝て」
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【第一拠点:ネルヴァ砦】
健二たちが最初に狙ったのは、ネルヴァ砦。
補給路の要でありながら兵数はわずか150、士気も低いという情報があった。
健二はリーファと精鋭部隊50名を率い、夜間に接近。
しかし戦う前に、砦に布告文を投げ入れた。
> 「我らは貴君らの命を奪いに来たのではない。
奴隷のように死ぬか、誇りを持って生きるか――選べ」
結果、砦の守備隊長は抵抗せず開門し、無血開城。
その後、砦の兵たちは雷火団に加わるか、武装解除のうえ村へ帰された。
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【第二拠点:カリス村】
続いて進軍したのはカリス村。
ここでは王国の徴税吏と騎士団残党が村を占拠していた。
「税を払えぬ者の娘を売る? それが“神の秩序”だと?」
健二の怒りは静かだったが、燃え盛る雷火は容赦なかった。
騎士団の小隊は即座に殲滅され、税吏は拘束、村は開放された。
リーファが村の少年に話しかける。
「剣を持つことだけが強さじゃない。
でも、“耐えるだけ”が生きる術でもないのよ」
カリス村の若者十数名が、雷火団への入団を希望した。
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【第三拠点:トゥロス関所】
次に目指したのは、峠を抑える要地・トゥロス関所。
ここには300の守備兵と、神の騎士団出身の指揮官が立て籠もっていた。
交渉は通じず、夜明けとともに戦闘となる。
雷火団は魔術師部隊による幻霧で視界を奪い、健二とリーファが正面から突入。
雷火と風刃が閃き、門は破られ、1時間後には関所は陥落した。
指揮官は捕らえられたが、戦士としての矜持を持っていた。
「お前たちの理念が“正義”であるならば……せいぜい貫き通すがいい。
それができぬなら、我らを討った意味もない」
健二は彼の剣を折ることなく返し、言った。
「なら、見てろ。俺はやる。
“正しき力”が、“正しき未来”を作れるって証明してやる」
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【拠点確保と民衆の反応】
こうして雷火団は、辺境の3拠点をわずか10日で掌握。
無意味な殺戮はせず、略奪も禁じ、
解放された民に糧と自由を与える方針を徹底した。
それは王国の“貴族による搾取”とは明らかに異なるものであり、
徐々に、雷火団の名は“反乱軍”ではなく“解放軍”として語られ始める。
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【ランドルフ侯爵の言葉】
ある夜、健二とランドルフ侯爵は焚火を前にして語らった。
「……お前が選んだやり方は、甘い。だが、貫けるなら美しい」
「分かってる。だけど俺は“正しい力”が勝つ未来が見たいんだ。
そうじゃなきゃ、リーファに生きる意味がない」
「……そうか」
ランドルフは短く頷き、地図に視線を戻す。
「次は中拠点。王国の本格的な派兵が始まる前に、
こちらの覚悟を見せねばならんぞ。健二」
「――上等だ。やってやるさ」




