表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

49/93

神の騎士団 四

狐目からの最後の情報、それは「神の騎士団の有力な地方支部が王都の南、交易の要衝ヴァルメル市にある」というものだった。


人口二万、王都に次ぐ規模を誇る街。石畳の広場と高くそびえる教会、往来する荷馬車と露天商。活気の陰に潜む不穏な気配を、健二たちは肌で感じていた。


「……分かれて行動しよう。ギル、お前は?」


「地元の商人ギルドに顔が利く連中がいる。そこを押さえれば、隠れ家と情報の両方が手に入る」


ギルは短く頷き、顔を隠すためのマントを深く被った。


「有力者への賄賂も用意してある。夕方には連絡を寄越す。そっちも気をつけろよ」


「任せろ。俺たちは神殿の連中を追う。尾行が可能ならそのまま、いけるなら突入だ」


健二はそう言うと、横に立つリーファと目を合わせた。

少女は緊張と覚悟の入り混じった瞳で、ただ小さく頷いた。


街の中心部、尖塔を備えた神殿には、既に複数の衛兵と、銀鎧の神の騎士団員が出入りしていた。


「支部長格の司祭は“セイラス”という男。昨日、街の貴族と接触してた。神殿内にいる可能性が高い」


ギルが残していった言葉を思い返しながら、健二とリーファは物陰に身を隠す。

リーファが呟く。


「……この街の神殿、他と違う。装飾が豪華すぎる。神を祀るというより、“力を誇示”してるように見える」


「だな。俺たちが見てきた地方の祠とは違う。ここは……要塞だ」


その時、扉が開き、一団が出てきた。

その先頭に立つのは、一目で分かる威圧感と高慢な歩調の男。身長は高く、金と黒を基調にした儀礼服を纏っている。


「……セイラスだな」


健二が呟き、リーファが後を追う準備を始める。


「人混みを利用してつけよう。見失すなよ」


「うん。でも……もしも戦闘になったら――」


「その時は、誰にも気づかれずに仕留める。静かにやるぞ。今回は“生け捕り”が目的だ」


そう言って、健二とリーファはセイラスの一行を尾行しはじめた。


日が傾き始め、ヴァルメルの街並みが金色に染まる中――

三人は別々の場所から、それぞれの手段で、神の騎士団の正体に迫っていく。


そして、事態はやがて“潜入”という言葉では収まりきらない、闇の深層へと足を踏み入れることになる――


評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

↑ページトップへ