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始まりは何時ですか?

2025/3/14 8:42 投稿

何時から…と言われても、正確にはわかりません。


ただ、自分を「自分」として形成するもの全てを、意図的には認識しておらず、周りの願い通りに、ささやかに蓋を一つ、また一つ、と続けていった結果、知らぬ間に私は自分を見失っていきました。


その都度、違和感は持っていたし、時には苦しみも痛みも感じていましたが、これでいいのだろうか、他に方法があるのでは?と湧き上がった疑問も、周りに問えば「そういうものだから」「大人になれ」「普通こうでしょう」という声に掻き消され、素直に実行して行った末に…だとしか言えません。


周りのせいにしたい訳ではありません。

誰かの責任にしたい訳でもありません。

自分には適さなかっただけであり、世の大多数もまた、自分を生きる方法がわからない中で、自分に合っている方法を試行錯誤しながら、生きているんでしょう。


世間一般的に通用する「生き方」が、私には合わず、「生きる方法」にはならなかっただけ、ただそれだけで、生きていけなくなった…たったそれだけのことでした。


そうやって、私は自分が「自分」であることをゆっくりと忘れるように、生きている実感が、少し、また少しと、遠のき続け、喜怒哀楽も、幸せも、最後にはそれだけが妙にリアルに感じられていたはずの、痛みや苦しみでさえも遠ざかり、ボンヤリした空虚な認識の中で日々を生き、時間という名の、貴重なはずの生命を、やり過ごし続けました。




そしてとうとう…恋人を大切にしたいという「恋心」だけが、辛うじて遺り、それが私に残された「自分」だと実感できる唯一のモノになりました。


しかし、それすらも、虚ろい…見失いそうになっていったのです。





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