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2.初めての彼女に会いに行く(1)

 令和5年、2023年5月21日の土曜日に予約した店に行く事になった。

 これの前に書いた様に10時からだと思っていたが、よくよくカレンダーを見ると、11時10分からだった。

 つまり、8時半から90分の次の枠だったという事だろう、記憶は曖昧だし、その後の出来事で変えられることがあるから記録はきちんと見て書くべきだ。


 私は前日の予約前から、その店の口コミが書いてあるサイトをいくつも覗いたのだが、特に俗称「日ピン」は初心者の私には参考になったように思う。


 それらには概ねその店の悪い事は書いていなかったし、その彼女も35歳表記で顔の全てがモザイクではなく完全にロゴで隠れていてるが、むしろ逆に顔への過剰な期待をせずに済んだのだ。

 元々熟女ものが好きだった私としては、本当の35歳でなくとも問題ないし、いやそれで60歳が出てきたらショックだけども、流石にそれはないだろうと思って勝手に安心をしていた。


 当日に最寄り駅の近くにある三菱UFJ銀行のATMで言われた通りの金額をおろして駅へ向かったのだ。

 ただ、予約の1時間前に電話をせよという事だから、それをどこでするのかを行く前から悩んでいた。さすがに電車の中からは出来ないであろうし、だとすれば電車を降りてからしか考えられない。

 そう考えると乗り換え駅であるあの駅からだと決めていたが、そもそもその前に川崎駅から店までのルートの確認が重要だったのだ。

 何故かと言えば、私は同市民だけれども川崎駅からは一番遠い場所に住んでいるから川崎駅などという駅には、殆ど降りたことが無かったからだ。

 地元に何代も住んでいる人間は以前に「ここはさ、川崎のチベットって言われてたんだから」と、流入民の私に自嘲気味に話してくれた事があった。

 確かにこの地域はとある駅を作る為に周りの山が崩され、木々は倒されて造成された事でまっ茶色の光景が広がっていたらしいし、もちろんその土埃も酷かったと何かで読んだ。

 駅が出来た当時の写真を見ると、その証言を裏付けるように何もなくて駅は茶色の中に突然現れた様に思えたのだ。


 この地域にもその市自体にもその程度の知識しかない流入民の私は、まずGooglemapを使って店を探した。

 勿論電話をかける前には大よその場所は調べていたが、具体的にそこに行くにはどうしたら良いのかは確認はしていなかった。

 JRの駅を降りて真っすぐ行って、ここを左折して、うんうんここを曲がるのか、そうすればメインの通りを避けて行けるんだな、まあ少し遠回りだけども仕方ない、初心者の私としてはメインの通りを歩いて呼び込みに声をかけられるのが嫌だったのでその行き方が最良だと思われた。

 Googlemapでルートを選び、徒歩での時間を確認すると約15分くらいだったか、しかしこの徒歩の時間の定義というのが結構な速度で歩く事を前提にしているから20分、いやもしかしたらそれ以上はかかるのではないかと思わされた。

 あとは行ってから、スマートフォンを見ながら行けばいいと自分を落ち着かせた。


 さて、電車に乗って乗り換え駅まで行くと、事前に想定した通りにおおよそ一時間前で、私はスマートフォンを取り出して電話をかけた。

 そのスマートフォンは写真を撮りに行く際に使っていたカメラにGPSデータを送る為に買った予備のもので、メインの物を使うという事をためらっていたからそれで電話をしたのだ。

 勿論今では開き直って毎回メインの電話で電話をするようになっているのだが。


 私は駅のホームで鞄から予備のスマートフォンを取り出し、周りに人が居ない場所まで歩いて行って電話をかけた。

 今でも、この確認電話は周りの目が気になるから人の居ない場所に行ってかけるのだ。

「はい、○○です」

「あの11時10分に○○さんを予約している加藤と言いますが」

 私は周りを気にして喋った。


「確認のお電話ですね、ありがとうございます。そのお時間で進んでおりますので、10分前位までにはご到着ください」

 とスタッフ氏が早口で喋るが、こちらとしてはもう段取りは頭に入れているからそれらの言葉はすっと入ってくるのだ。


 私は「分かりました、よろしくお願いします。」と答えて電話を切った。

 そして川崎駅へ向かう電車に乗り換えたのだ。



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