episode 1 ダンジョン配信者になりたい
「ダンジョン配信したい」
と言っているのは、俺こと須藤陸だ。俺は長野県松本市に住む17歳の高校生だ。 勉強は平均より少し上で、運動は上の下と至って普通の高校生である。そんな俺がダンジョン配信をしたいと思った切っ掛けは、今見ているSAKIchannelのダンジョン配信だ。
「SAKIさん凄いよなぁ〜。俺と同い年なのに冒険者ランクはCランク、おまけに配信の同接者数は1万人もいるし。」
若干17歳にしてCランク、チャンネル登録者数も50万人と成功している彼女。また、容姿も可愛く性格もしっかり者であるけど、元気で明るい子でもある。それもあってとても人気者である。
「こういうのを見ると、俺も冒険者になって配信者として活動したくなるなぁ〜。既に冒険者登録の最低年齢である15歳は超えているし。」
世界にダンジョンが出現したのは2050年。今が2117年だからおよそ67年前。今でこそ、ダンジョンの立ち入りの制限は緩くなっているが、当時は軍の関係者しか入れなかった。それから10年ほど経って、民間人でも立ち入れることができるようになった。そして、ダンジョン配信が始まったのが2100年頃で、今ほど人気はなかった。しかし、現在はリアルでは味わえないファンタジーと臨場感が相まって、人気のカテゴリーになっている。
「せっかく冒険者登録の基準に満たしているし、配信活動でなくてもお金を稼げるんだからやろう。それに、地元のことも多くの人に知ってもらいたいしね。」
ダンジョン配信はただ自分の活躍を見せるだけでなく、ダンジョンがある地域を宣伝することもできる。そのため、ダンジョン配信者は地域活性化を必然と起こしてくれているのだ。
「松本でダンジョン配信している冒険者はあまり聞かないな。せっかくダンジョンが2つ存在する世界的見ても珍しい町だからもっとアピールをしないと勿体ない。」
陸の住む松本市にはダンジョンが2つ存在する。1つはCランクダンジョンのアルプス公園ダンジョン。今はダンジョンの存在でアルプス公園は閉鎖され、冒険者の施設等が建っている。もう1つはSランクダンジョンの新村ダンジョン。全国に2ヶ所しかないSランクダンジョンがこの松本市にある。この新村ダンジョンは、周りを畑などに囲まれているため、あまり町をアピールできていない。新村ダンジョンはSランクのため、ダンジョンのそばに冒険者の宿泊施設などがある。高ランクダンジョンがゆえ冒険者の数も少ない。その影響もあり、この松本市は他のダンジョンがある町に比べ少し活性化が寂しい現状にある。
「よし、思い立ったらすぐ行動。まずは、親を説得して冒険者になるぞ!そして配信者としての活動も頑張る!いつかSAKIさんみたいな配信者になるのが目標だ。そして、この生まれてから住んでる松本を活性化させて恩返しもするぞぉー!そう考えるとちょっとやることが多くて面倒くささもあるけど、まぁ頑張りますか。」
「面白かった!」「続きが読みたい!」と思ったら、下にある☆☆☆☆☆から、作品への評価または応援をお願いします。
また、ブックマークを頂けるととても嬉しいです。
何卒よろしくお願いいたします。