表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

15/70

第15話 テスラの元へ

「テスラ?」


 オクタヴィアンはローラが何を言っているのか意味が分からなかった。

 

 テスラとはあの本の作者のアリスファド・テスラの事だとは分かる。しかしその男は先程百年前の人物だから、もうこの世にはいないと、話をしたところじゃないか。

 何でローラはいきなりそんな意味不明な事を言ってきているんだ?


「バカな事言うな! ローラ! ヨアナが危ないって時に!」


 オクタヴィアンはローラの忠告を無視して手掛けようとした。しかし、ローラは譲らない。


「医者に診せる方がよっぽどバカです! 早くヨアナ様を連れてテスラ様の所へ!」


 オクタヴィアンは何が何だか分からなくなってきた。

 そうこうしているウチに洗濯係のバロやアナ、ファイナおばさん達女性陣がヨアナを毛布に包んだ状態で、馬車まで運んできた。


「わ、悪い事は言わないです! 早くテスラ様の所へ」

「あの人なら助けてくれるかも知れねえんです!」


 更に食料管理のアウレルが水筒と紙に包んであるパンらしき物と乾いた肉を渡してきた。

 

「それで少し遠いで、食料もここに!」


 そのアウレルから食料を受け取ったオクタヴィアンは、使用人達の本気度動揺しながらも、その言葉の信念を受け取ったような気がした。


「わ、わ分がった! じゃばデスラの所へ行こう!」


 オクタヴィアンはだいぶ舌が回らないながらもローラにそう言うと、御者席にいるアンドレアスに声をかけた。


「な、なあ、アンドレアス! テ、テテテスラの場所ば分がるが?」


 しかしアンドレアスはそこにいない。


「あれ? アンドレアス?」


 オクタヴィアンが振り向くと、アンドレアスは屋敷から走って来た。


「す、すいません旦那っっ。わ、忘れもんしちゃって~っっ! って、あれ? 医者じゃなくなったんで?」


「テスラ様の所まで行くのよ!」


 ローラはそうアンドレアスに言うと、自身も御者席に乗った。


「え? ローラも行くの?」


「そうよ! アンドレアスはテスラ様の場所はよく知らないでしょ? 私が道案内するわ!」


「わ、分かったっっ」


 ローラのその気迫に押されてアンドレアスは、ローラを承諾した。

 一方馬車に入ったオクタヴィアンは毛布に包まれたヨアナをしっかり抱きしめた。


「だだ大丈夫、だ大丈夫。いつぼヨヨアナが言ってくれてるだぼ? だだだから今日ぼぼ大丈夫」


 そうヨアナに話しかけたが、しかし意識はなくグッタリとしている。

 そして自分の身体の異変もさすがに気になってきた。ローラやアンドレアスは気づいてはいないが、身体全体が痺れ始めていたのである。まるで父と同じように……

 しかしそんな事よりも今はヨアナの心配の方が勝っている。


「ぼぼし、行いっていいぞ! いぞげ!」

「はいよ~!」


 こうして四人を乗せた馬車は、そろそろ日も落ちようとしているカルパチア山脈に向けて出発した。

ここまで読んで頂いて、本当にありがとうございましたっっ!!

作品の雰囲気が変わってきましたけど、大大大ですかねえ?

この先も読んで頂けると本当に嬉しいですっっ。

では、今回もありがとうございましたっっ!!

感謝♪感謝♪♪

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ