墨俣一夜城
いよいよ戦に本格参戦です
「まったく光圀のからくりには驚くばかりじゃ」
「いえ、私も驚いて腰抜けてます」
「むう、数々の奇っ怪なるからくりは其方自身で把握してないのか?」
「はあ、どうも私の想像以上すぎるからくりばかりで・・」
なんと、出現したセメントプラントも溶鉱炉も前世の物とは全く形状が違う
どちらも前世なら巨大な建築構造必須なのに・・・家一軒ほどの大きさしかない
「まずは溶鉱炉から出てて来たドロドロした鉄を用意した型に入れて
鉄筋を作ります」
「ふむ、これはなにに使うのじゃ?」
「は、コンクリートの中に入れて強度と耐久性を劇的に上げる手法にございます」
「ほう・・なんだかわからんが其方の言う通りにすれば間違いなかろう」
「今回は大殿への献上品なのでこの程度ですが。実際はどのような大きさ
つまり築城が出来ます。その強度は漆喰など紙同然となりましょう」
「なるほど・・」
理解力抜群の信長ならばコンクリートの凄さ凄まじさに直ぐ気がつくだろう
「平五郎でかした!、だが余には分かっても家臣どもには理解出来なかろう」
確かに頭が固い古参の武将達ではこの新しいアイテムなど到底理解不可能
「はっ」
「実績を見せ無ければだれも納得せんという訳だ」
「はあ・・・」
「実はな、稲葉山城攻略のため今調略の限りを尽くしてるがそのためには
織田軍の実力誇示が必要」
「確かに、言葉巧みに誘導してもやはり実力がなければ将は動きませぬな」
「うむ、美濃衆を裏切らせる為には美濃攻めの意思を示さねば成らん」
「御意」
「であるが・・・」
「はあ?」
「実はな、墨俣に稲葉山城攻略の足掛かりとすべく支城を築きたいのじゃが
愚かなる家臣ども、すでに二度も大敗を喫し我が軍の損害計りしれんのじゃ」
信長
「左様にございますか・・・」
「平五郎、手立てはあるか?」
「たやすきこと、我が子飼いの軍師に探らせば造作もないことと存じます」
「こら、平五郎大口叩きおって、出来ませんでしたでは済まぬ事ぞ」
なんとあの柴田勝家が恫喝する。本人すでに墨俣攻めに失敗してるからだが
「そちに三千の兵と十日与えよう、なんとかせい!」
「は、兵は三百、期間は三日ほどで十分にございます」
「ば、ばかな!出来る訳がなかろう!」勝家
「控えよ勝家!余は平五郎と話してるのだ敗残の其方の出る幕ではない!」
「ぐぬぬぬ・・・」
「おもしろい平五郎、やってみよ、しかし失敗したらその首、分かっておろうな」
「はは、身命を賭して」
☆
「と言う事で光圀の予想通りの展開になって我は大見得を切ってきたが
本当に大丈夫なのだな?」平五郎
「戦に確実はございませぬ、どのような想定外の事態が起きるか分かりませぬ」
「ば、ばかもん!其方も我もそっ首が飛ぶんじゃぞ!出来ませんですむか!」
「私は勝てぬ戦はしませぬ、平五郎様立身の為此度の戦は足がかりに過ぎませぬ
こんな所でくじけませぬ」
「先日話したとおり墨俣の地形はな・・・」平五郎
「存じてます長良川の中州にある墨俣は足場が悪く補給も困難、稲葉山城から
指呼の距離、我が軍が行動をおこせば敵兵に直ちに察知され築城などまず不可能」
「うむ、二度ほど力押しで仕掛けたが大敗を喫してしまった」平五郎
「そこで我が築城術の出番なのです」
「まず手始めに・・・」
「なに!地元の野盗を活用するだと?」
「は、野にも武将はいます、特に地元でくすぶる蜂須賀党、大将の蜂須賀小六
なるものは一国の大名に匹敵する実力をそなえる強者」
「其方がなせそのような事を知るのだ?」
「われは隠密、全国津々浦々の世故に通じておりまする」実はスマホのお陰
「むう、・・・」
「ご安心下さいすでに先日小六とは交渉済、心よく合力の段となってます」
「ほう、其方全てが見えてるのだな」
「二度にわたる築城失敗を知りながらの無策は軍師失格にございますので」
「逆に平五郎様出世の足がかりと見、恐れながら先走りを・・」
「先日の軍資金を活用したな」平五郎
「はは、さすが殿、さようにございます。生き金を使いました」
「地元に明るい有能な野盗か・・・恐れいった、よし!」決断した平五郎
☆
翌日深夜、作戦開始
「ザザザザ・・・」
長良川上流より切り出した丸太を組んだ筏多数が川を一気に下る
「おう光圀殿、これでいいのか?こんなんでこの戦勝てるのか?」小六
「全て打ち合わせ通りに動いてくれれば必勝」光圀
時は戻り一月程前の事
「蜂須賀小六様とは其方か?」
「む、だれじゃ、俺は初見の者とは話さない主義じゃ、誰かの紹介か?」
「紹介などはございませんが小六様の実力を高く評価する者です」
「ほう、地元では野盗と恐れられて山賊風情と侮られる俺の実力を高く見る?」
「はい、いかにも」
「其方名は?」
「は、織田信長配下二戸光圀と申します」
「ほう、今をときめく信長様配下か・・二戸平五郎なる武将の名は聞くな・・」
「は、平五郎の養子にて今は軍師役を賜っております」
「なるほど、近頃やたら力を付けてきたと思ったら軍師がいたのか・・」
「いえ、まだ平五郎の軍師で信長様には認められてません」
「お主正直だな・・、よし、まずは酒を酌み交わそう話はそれからじゃ」
「我は下戸なれど出来る限りのお付き合いは致します」
「ほう、酒が苦手なのに付き合うと?」
「は、酒宴の申し出を固辞するは愚者のすることにございます」
「なるほど、人間酒の席で本性を現すと言うな」小六
本当は俺30なのに酒マジで飲んだことない、というか大の苦手なのだ
というか、24世紀に飛ばされたときから思ってたのだが俺若返ってる?
多分平五郎様には18~9にしか見えてないと思う。転生して若返ったのかも
前世でも下戸だったのがさらに受付ない身体。
「ぐはぁ、不味うございます」一口飲んだだけですでに顔面真っ赤な光圀
「其方下戸と言うよりも飲んだことがなさそうじゃな」
「は、しかし今回の件をまとめる為の覚悟と受け止め頂きたく」
「今をときめく織田家の家臣が野盗ごときと命掛けの交渉と?」
「は、今回の戦、小六さまの助力なくば大敗必定により」
「我は酒の席でも物事の判断は出来る、その戦とやら聞いてもよいか?
事と次第によっては合力も辞さないぞ」
「ごにょ、ごにょ・・・」
「な、なんと!その様な戦は過去に聞いたことが無い!可能なのか?」
「小六様がいれば必ず!」
だ、駄目だぁ酒がまわってもうしゃべれない・・・ぶっ倒れそうだ
「ははは、だらしない事よのう、分かった詳しくは後ほど聞くもう休まれよ」
「は、はい、ですがその前に」おええええええっ(以下放送禁止)
「我は野盗、このまま寝首をかくことは容易い、こやつは我を信用しきってる」
光圀の誠心誠意に心が動く小六
「今まで取るに足りない輩が我が力を利用しようと押しかけて来たがどいつも
我を見下して上から目線ばかり、こやつは違う・・・」なにかを決めた小六
「配下につくならこの方だ・・・」
翌朝、頭ガンガンの光圀の前で小六以下が平伏してる
「な、なにごと?」
「は、本日をもって蜂須賀党、蜂須賀小六は光圀様配下となります」
「い、いやそれは困る合力をお願いに来ただけで我にはまだ家臣をもつ
録など持ち合わせていない」光圀
「録など不必要、我が殿を養います。今まで蓄えた財全て捧げます」
「気持ちは嬉しいがこれからはじまる戦で軍資金はいくら有っても足りぬ」
「は、それでは此度の戦を見届けてから改まって配下に加わりたく」
「うむ、その件大殿に具申いたす。悪い様にはせぬ」
「はは、なにとぞよしなに!」平伏する小六
「それにな、軍資金は持参してきたのじゃ、ほれ見てみよ」
「うわあ、見た事もない金銀財宝・・・」驚く小六
「殿はこれを持参しながら昨日酔い潰れた?」
「すまぬ、其方を試そうと思った訳ではないのだが・・」
「恐れいりました」平伏する小六
「さて合力を得ると決まった以上作戦開始じゃ」
「ははっ」小六
「いいか?この作戦は川の水量が多くなる梅雨時にしかできぬ」
「となれば今すぐ行動開始せねば」
「ボワン」光圀は大画面を出す、晴れて味方となった小六にも画面が見える
「こっこれは何事?」驚く小六
「ただのからくり絵じゃ大した事はない」
「はあ」
「それよりも画面の絵をよく見よ」
「なるほど、このような筏が必要でござるか」
「うむ、まずは上流での材木集めからだ、出来るか?」
「我らは山の民、力自慢の衆にて容易きこと」
「だが、時間がないし大量の材木を要する、今回はからくり道具を与える」
「はあ?からくり道具でございますか?」
「うむ、チェーンソーという南蛮渡来のからくり道具じゃ」
「ボワン」
「な、なんですかこれは?」
「合力致した以上この程度で驚くでない。全て南蛮渡来じゃ」都合がいい
「ははっ」
「コレをこう持って・・・」うわああなんじゃこれ光圀も驚く
なんとチェーンの代わりにレーザーカッター?
まるで「ガン○ム」のビームサーベルみたいなビームが本体から出てきて
木材をガンガン伐採する・・・「とんでもないな」
「あ、あぶない」雑兵のひとりがあやまって人にビームを向けてしまったが
「あれ、人間には無害のようです」おどろく雑兵
「なるほど安全装置つきなんだな」納得の光圀
「こ、これなら一日もあれば目標数切り倒せまする」小六
「だが切り倒した材木の運搬は大変だぞ」
「我らは屈強な男衆たやすきことにございます」
「だが例によって時間が無い・・どれ」光圀はアイテムボックスを探る
「あ、これがいいかな」
「ビシュン」なんと自動的に荷物運搬用のリフトが山頂から川面まで張られたのだ
「すごいな異世界24世紀!」笑うしかない
考えてみれば権左衛門は広大な旧東京都全てをたった1人で管理出来たのだ
これ位の装備は当然なのだろう。権左衛門は科学者と自ら名乗っていた
たぶん多数の便利アイテム、先生が実践の場で発明、開発したにちがいない
だから全部実用的なのだ、机上の空論ではこうはいかないしノウハウを感じる
すでに小六はなんでも南蛮渡来だからとの説明を盲信し大して驚かない
「さもありなん」という表情
「さ、これで準備は整った、われは一旦清洲に戻る。のろしがあがるまで
この場にて筏を作りながら待機していてくれ、数日内の事だ」
「は、下知おまちしてます」小六
「こんな場所では食料なかろう、糧をおいていくのでそれで我慢してくれ」
「いえいえ、我らは山の衆自分の食い扶持など自分で用意できます安心くだされ」
「いや、あまり派手に動かれては敵に察知されてしまう。スマンが非常食で
我慢してくれ」
「は、わかりました、それでは」平伏する小六
「ボワン」俺は大量つか500人の兵隊が一週間は飢えないレーションを渡した。
24世紀レーションは軽量コンパクト、A4サイズ厚さ1cmのトレーが1食分
ビニールを剥がすと自動的に加水、加熱され兵士1人分の量となる
しかも毎回料理がランダムに変化するので飽きが来ないトレーは自然に優しい
自然還元容器、四角四面の形なので段ボール詰めが出来場所をとらない。
なんでもアイテムボックスから沸いてくる権左衛門さんGJ!
ちなみにカップ麺渡そうと思ったがこれは私の大事な食料なのだ、再転送以来
チビチビスナック菓子と共に食するのがストレス解消となってる。
☆
「殿、準備が整いました明日から3日で墨俣築城決行いたします」平五郎
「馬鹿者!寝言は寝てから言え!2日前に下知したばかりで準備が整うわけが
なかろう!」信長
「いえ、全て整いました。殿は4日後に築城あいなった墨俣に起こし頂くだけ」
「うむ、その言葉に二言はないな?余に恥をかかせたたらどうなるか」
「は、身命を賭して成功してみせまする」平五郎
「あい分かった、それでは作戦開始じゃ。者どもいいな!」
「ははっ」
「馬鹿者め・・・出来る訳がなかろう、大勢の前で腹かっさばく姿見物じゃ」
ほくそえむ勝家
前準備完了




