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転生したら戦国時代だった  作者: kou2199
第二部
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勝家とお市

大先輩で上司かつ筆頭家老柴田勝家を討たねばならぬ時が来てしまった。

「殿(勝家)一大事にござる」伝令

「なにごとか」

「は緊急事態の発生です」


「ふん、どうせ平五郎が評定に戻ってこいとの連絡だろう、後は好きにせい

とつたえよ、我はもう疲れた半分引退するつもりじゃ」勝家


「殿、そんな呑気を言ってる場合ではござらん、平五郎と光圀軍6万が挙兵

我が北ノ庄城に押し寄せて来てますぞ」伝令


「ば、ばかな!同士討ちを仕掛けるのか?あの温厚な平五郎が?」

平五郎の想定外の挙兵に驚きを禁じ得ない勝家


「残念ながら評定中勝手に座したは平五郎に、いえ織田家に謀反の疑い

ありと判断されても仕方有りませぬ。平五郎に大義名分を与えてしまいました」


「ぬうう・・余りにも迂闊であった」激しく後悔する勝家


「で、抗戦となったら勝ち目はあるのか?」勝家


「は、籠城戦は後ろ盾がないと苦しゅうございます今我が軍には援軍のあてなく

背後には上杉がいますがすでに平五郎と和睦を結ばれてしまいました」


即座に上杉に使者を出し援軍要請をしたのだが門前払いされてしまった様だ

大体から昨日まで敵同士でにらみ合っていたのに援軍要請は虫が良すぎ

普通は長き交渉の末段取りを踏んで行うべき事なのに勝家はそんなことを

一切知らないし「調略は卑怯千万」主義、腹芸など出来る訳も無い



「ぐ、数手先を読まれていたか・・して我が軍の総勢は?」勝家


「そ、それが・・・」

「なんじゃ?」

「以前に平五郎から譲り受けた4万の兵はすでに城を去ってました」

「ば、ばかな我の命を受けないうちに勝手に撤退したのか?」

「もともとが平五郎いえ光圀が作った南蛮渡来兵、なんらかの方法で

我が軍と平五郎軍の対立を知り得たのでしょう・・借り受けた兵ですから」


日頃から単純な突撃を主とする勝家の戦術故兵士達の消耗が激しい

平五郎から借り受けた4万は消耗するとすぐに補充を受けていたので

勝家すっかりあてにしていたのだが・・ここでも勝家の迂闊さがにじみ出てる


すでに数万単位で使い捨てられた南蛮渡来兵達の評判はすこぶる悪い

「勝家様付きとなったら覚悟せい、生きて帰れぬぞ」が兵士達の常識

今回の対立にて光圀より「帰還命令」が下知され心から安堵した兵士達

とっとと城を出て墨俣に引き返したのも当然。挨拶などするわけもない

なんの忠義も義理も感じていない。


「う・・仕方が無い、で残った兵は?」

「・・・・城にのこるは5千未満でござる」

「ぐ、それだけでは籠城しても戦えぬ」勝家


しかし五千いた兵士達も史上最強の平五郎軍迫るの報に浮き足立ち

次から次へと脱走者があいついだ。わずか2日で残兵力は千を切るありさま


「殿、敵は迅速でござる、すでに城は包囲されてしまいました」

戦う前から万策など尽きていたのだ。


「もはやこれまでか・・・お市を呼べ」勝家


「なんでございましょう旦那様」市は浅井長政亡き後勝家に嫁いでいた

「すまぬ、お市殿、この勝家どうやら負け戦のようです、もうじき城も

おちるでしょう。その前に市様は脱出してくだされ」


猛将で知られる柴田勝家だったが齢60近くにして実は初婚だったのだ

お市との仲は夫婦というよりも親子然としてる。

猛将で知られた勝家だったが家内では優しき夫としてお市は心から

勝家を慕っていた。


「大事な旦那様を再び失うのはいやでございます、市もお供致したく」

「し、しかし」

「この子(3姉妹)だけはご助命いただきたく」市


「分かりました平五郎に使いを出しましょう」勝家


二刻して光圀がUFOで向かえに来た

「市様どうか一緒に参りましょう、この光圀を信じてくだされ」

「そなたには長政様への輿入れの時から大変お世話になりました。

今生の別れです、どうかこの子達をよろしくお願い致します」市


お市の覚悟は固い、それを悟った光圀


「・・・・・・本当に残念です」光圀


隣の部屋では勝家が腹を切る為の身支度を調えて待ち構えていた。

純白の白装束、三方の上には信長から賜った大事な脇差に白布が巻かれてる

あくまでも忠実な信長の家臣であった証を見せたいのだろう


「光圀、今だから言うが我はお前の才に恐れをなしていた。お前に討たれるは

実は本望なのじゃ。天晴れである」勝家


なんと勝家は光圀に介錯を頼んだのだ


「恐れ多きこと・・勝家様にはなにかにつけて武士道を教わりました」

「うむ、其方に介錯してもらえて我は幸せじゃ、では頼む」


「ブシュ・・・」顔色一つ変えず平然と腹を切る勝家

「エイ」光圀も昔の光圀では無い、武士道も極めている太刀筋は見事の一言


「勝家様の御首を頂いたのでこの戦は終了でござる」光圀

だが、控え室にいた市も喉をかっ切っていたのだ


「お市様・・・」号泣する光圀


勝家切腹を見届けた全兵はその場で刀を収め平五郎軍に投降した


「勝家勢全軍下りました」スマホで連絡する光圀

「うむ、大義であった。残存兵は丁重に扱え」平五郎


ここに柴田勝家居城北ノ庄城は戦もなく無血開城となった


史実とは大きくことなりこの世界では賎ヶ岳での戦は発生しなかった

ゆえに賤ヶ岳十本槍も存在しない・・後の武闘派と文官派との確執はどうなる?


3姉妹を乗せたUFOが平五郎軍本陣に戻って来た

「殿、残念ながらお市様は救えませんでした」光圀

「うむ、多分そうだろうと思っていた仕方なかろう」内なる思いを堪える平五郎


「この3姉妹は必ずこの光圀が立派に育てまする」光圀

「うむ、たのむ。大殿の血を引く由緒正しき姉妹じゃ丁重に扱え」

「はは、身命を賭して」


「ふん、猿めが偉そうにわらわに近寄るでないわ」血気盛んな長女茶々

「猿とは無礼な、この方をどなたと心得る!」側近が激怒する


「信長様の家臣ではないか、すなわちわらわの僕じゃ」茶々

「それは違いますぞ、茶々様は勘違いをされてます」近衆

「なんと言われ様がわらわは父上や養父様を討った平五郎、猿など許さん」


「無礼者!成敗いたすぞそこになおれ!」刀を抜く護衛兵

「まあ、まてよいよい。子供の戯れじゃ事を荒立てるでない」平五郎

「しかし、今織田家、いえ日の本で一番の武将は平五郎様・・見逃せませぬ」

「我がよいと申してるのじゃ、これでこの件はしまいじゃ」平五郎

「はあ・・」

「ふん、猿め偉そうに・・・」茶々


実は平五郎茶々に一目惚れしてしまった瞬間・・光圀が以前感じたロ・・いや

多分お市の方様への愛情がそうさせたのだろう


以前に光圀からあてがわれた生体アンドロイド名を「ねね」

平五郎には勿体ないほどの良妻なのだが平五郎が文句を言っても何一つ返さず

従順すぎてありがたいと思いつつも平五郎には不満な部分もあったのだ

茶々の「無礼ぶり」には驚きつつ平五郎には新鮮すぎて逆に気に入ってしまった

高貴なお姫様から人格否定された「毒舌」ぶり、ギャップ萌えに悦を感じたのかも


茶々以下3姉妹は従者がつきそい退室していった


数日後


「さて、戦も終わり今後の事についてお話がございます」官兵衛が口を開く

「うむ、申してみよ」平五郎


「殿(平五郎)これからは平五郎様が大殿にござる「我」ではなく「余」と

申すのが正道にござる」官兵衛


「いや、我のままでよい」平五郎

「し、しかし天下への示しがつきませぬ」官兵衛


光圀、どう思う?」平五郎

「は、余が最適かと」光圀


なんにつけても光圀の返事が全て、光圀が言えばそれに従う


「分かった大殿の許しを得たのならやむおえん、余と名乗る」平五郎

「いえ、大殿は平五郎様でござる」官兵衛

「わかったわかった、よきにはからえ」平五郎


「差し出がましいようでござるがこの機会に名を改めるがよろしいでしょう」

半兵衛


「名などどうでもよいと思うのだが?」

「いえ、それはなりませぬ、天下に号令する以上立派な名は必須にごさる」


「光圀どう思う?」


「は、半兵衛殿の申すと通りと存じます」光圀


「うむ、分かった、して良き名はあるのか?」

「豊臣秀吉と名乗るべきかと存じます」官兵衛


すでに半兵衛と官兵衛は平五郎改名に向けて準備万端、易学も軍師の務め


「なんじゃそれは、どこから沸いて来たのじゃそんな名」平五郎


「は、これはかの軍師諸葛亮孔明殿の申すところの占星術にて示された徳のある

名前にござる。・・・実の所は学者に大枚をはたいた研究成果にて」官兵衛


「うーん、豊臣秀吉??聞いたことも無いな」光圀

「これから日の本に響き渡る天下人の名でござる」官兵衛


「うむ、民が富むから豊臣、秀吉はどちらも縁起の良い語感じゃ

さすがは半兵衛と官兵衛、凄い名を生み出したものよ」平五郎


「は、恐悦至極に存じます。家臣、軍師としてこれ以上の誉れはありませぬ」


ついに豊臣秀吉が天下の表舞台に登場し秀吉の天下取りへと時代は

大きく動き出す。



なんと光圀の存在した前世日本に豊臣秀吉は存在しなかった???

ナンタルチア!いや、無学な光圀、単に知らないだけなのかも

ところで平五郎が秀吉ならば光圀は一体なんなんだ?

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