人類滅亡
穏やかなスローライフと思いきや
俺と権左衛門、そしてメイドのリョウコ3人の生活が数ヶ月続き
すっかり俺はこの世界での生活になれてきた。
俺は権左衛門の助手として巡回パトロールの他にもデーター分析作業も
手伝ったりして忙しい毎日を送っていたのだ。
「私の思ったとおり君は実に優秀な助手、もはや手放せない存在だよ」
「そんな、私なんてなんにも知らない出来ない只のニートです」
「そんな事は無い実際私の研究も随分はかどった、感謝してる」
「ですが、実際の成果はでてませんよね?」俺
「研究というのは大変な事なんだよ一生費やしても成果が出ない例なんて
当たり前の世界さ」権左衛門
「ですが少子化対策は吃緊なのでは?」
「はははは、君は知らないだろうけどもう300年も研究してるんだけどね」
「そんなに・・・・」
「つまりいくら研究しても人類滅亡は防げないのかもしれない」
「そんな弱気では駄目です、先生ならなんとかなりますよ」
「うむ、事実君が来てくれたのは神の啓示に違いないからね」
「か、かいかぶりです・・・」
「実は昨日国連会議で決まったのだが・・」
「悪い知らせですね」
「うむ、コロニー移住計画は完全に失敗だったようだ」
「と、いいますと?」
「人口減少の歯止めが掛かっていないとデータが出てしまった」
「で、今後はどうなるのでしょう」
「いよいよ人類保存計画のステップ2が近日中に発動する」権左衛門
「第二段階ですか・・・」
「うむ、現在冷凍保存されてる人類は約5億、コロニー移住者も5億だが
近日中に冷凍保存者を9億人に増やす事になった」
「いよいよ末期症状なのですか?」
「うむ、危機的状況だね、人口一億ではもはや宇宙開拓などは不可能
現状維持ですら難しい状況になってしまうだろう」
「地球防衛軍はどうなるのでしょう?」地球管理者の事
「とりあえず現状維持だがいつ冷凍保存になるか分からない」
「話は変わるが近日中に君の登録を済ます必要が生じたよ」
「はい、どうせ前世には戻れないと覚悟してますから
現世で骨を埋める覚悟は出来てます」
「うむ、良い心がけだ、それでは週末にコロニーに出かけよう」
「あのUFOでお出かけですね」
「UFOじゃないけどね」にっこり権左衛門
☆
「実は興味深い事が分かってきたんだが」ある日朝食中に権左衛門が語る
「はい、なんでしょう」
「君の住んでいた前世とやらと私の住む現世との差異を研究したのだが・・」
「はあ、」
「どうやらある時点で枝分かれして現在に到ったようなんだよ」
「ある時点?ですか・・・」
「君の記憶を分析した結果なので本当の事実なのかは分からないが・・」
「確かに人間の記憶なんて自分の都合の良いように書き換えますからね」
「そうなんだけど・・・不思議な事にある時点までは我々の歴史と全く
同じ流れと判明した」
「歴史ですか?」
「不思議なんだよね」
「しかし相違点というか分岐点が判明したところでどうにもなりませんね」
「いや、それは違うかも知れないよ」
「は?私には理解出来ません」
「もし、仮にだが分岐点を修正して君の前世どおりに出来たら今の現世は
大きく変わってる可能性も有る。例えば人類滅亡を防げるかも」
「ば、ばかな・・・」俺
「逆に人類滅亡を早める可能性もあるけどね」
「そ、そうですそれに違いありません、私の知る前世は酷い物でした」
「うむ、君の記憶が史実通りなら君の主張はもっともに聞こえる」
「え、なにかあるんですか?」
「君の暮らした2020年代は現世の2020年よりも遙かにクリーンなんだよ」
「そ、そんなばかな・・・環境破壊や地球温暖化に悩まされていた前世ですが」
「ふ、それでも現世より遙かにましなんだよ」
「信じられませんこれだけ高度に発達した現世が私が住んだ前世よりも
劣っていたなんて・・・」
「いや、科学力は現世のほうが遙かに発達したのは間違いない、しかし環境は」
「矛盾ですね」
「得てして世の中なんて矛盾だらけなんだよ」達観してる権左衛門
「何度もいいますが今更それを知ったところでどうにもなりませんよね
時間を遡れるのなら別ですけど・・」
「そうだね、いくら現世の科学が進んでるとはいえタイムマシンは夢物語」
「だが・・・」
「なにかあるんですか?」
「君の存在だよ」
「はあ?私がなにか?」
「過去からこれた君ならあるいは過去に遡れるかも」権左衛門
「はは、お戯れを・・出来たとしても方法なんて知りませんから」
「うむ、まさかもう一度車に跳ねられてくれとは言えないしね」
「過去にいくどころかあの世にいってしまいます」俺
「で、ヨタ話ついでですが歴史が変わったのはいつ頃の話なんですか?」
「うむ、どうやら日本の戦国時代正確には1467年からの事なんだが」
「最終的には徳川家康が天下をとって終わるんでしたよね」
「ふ、そこからすでにズレてるね、天下を取ったのは伊達政宗さ」
「ば、ばかな・・・」
「そもそも君が知る英雄の織田信長なんて小大名で簡単に滅ぼされてるよ」
「ば、ばかな・・・」
「こちらの歴史書には今川家に簡単に破れて滅亡してる」
「ロマンもへちまもないですね」俺
「ま、相違点を知ったところで我々にはどうすることも出来ないけどね」
「確かにそうですね」笑うしかない俺
その時、屋敷内に警報が鳴り響く
「な、なにごと」
「た、大変です」警備ロボットが騒ぐ
すぐに国連からの緊急連絡
「二戸君大変な事態となってしまった」国連総長からの緊急連絡
「なにごとでしょう」
「人類保存計画に異を唱えるテロ組織が大規模な破壊工作を仕掛けて来たのだ」
「ば、ばかな!セキュリテイ対策は万全だったはずですが・・」
「それが、人類保存計画の第二ステップ発動に伴い大幅な縮小が行われて
警備体制が手薄になった虚を突かれた」
「相手は計画的だったんですね」
「残念だがもはや手の施しようが無い100有ったコロニーの80%が
制御不能に陥ってしまった」
「な、なんですと!つまり?」
「馬鹿なテロリスト達は自暴自棄に陥って自爆テロを行ったようだ」
「残りのコロニーは?」
「今徹底抗戦中だが予断を許さない」
「なんと愚かな・・少ない人類が更に減ってしまった」
「それで頼みなんだが・・・」総長
「もしもの時は全権を君に委ねる、残された地球防衛軍に人類を託す」
「しかし、地球にはもはや数万人しか生存してません」
「今となってはそれだけが望みなのだ・・いかんここも安全では無くなってる」
「総長!」
「後は頼んだよ・・・・・・・」「ブツ・・・ザー」
通信が途絶えた
「これって本当の事なんですか?」俺
「事実は事実もはや生存者は我々だけだ」
「それでは生き残った地球防衛軍に招集を掛けるべきでは?」
「うむ、取り乱してる暇はないな、直ちに実行しよう」
しかしコロニー破壊と同時に衛星回線網も破壊されてしまったようで
連絡が一切つかない
「ぐ、こんな事態になるとは・・・この屋敷ももはや安全とは言えないかもしれん」
「どんな攻撃を受けるか分かりません緊急避難するべきです」
「うむ、万一を考えて避難シェルターの準備はしてあるそこに逃げよう」
「ダダダダ」着の身着のままでシェルターに逃げ込む3人
その刹那
「ドカーン」
何者かのミサイル攻撃を受けて豪華だった屋敷は消し飛んでしまった
「危機一髪でしたね」
「危なかった、君の機転が働かなかったら助からなかった」
「なんと愚かな・・・」放心状態の権左衛門
「事実上人類は⒉人とメイド1人ですか?」俺
「外部との連絡がつかないのでなんとも言えないが覚悟は必要だね」
避難シェルターに繋がってるホストからは悲劇的な情報しかこない
「自爆テロ集団は自らも滅びる覚悟のようだ・・・」権左衛門
「ネズミとかが大量自殺死するパターンに似てますね」俺
「悲しい事だがこれは本能なのかもしれない・・・」
「コロニー99%沈黙・・」ホスト
「どうやら本当に人類と地球は滅亡するみたいだよ」
「え?」
「最後の一基のコロニーは地球に墜ちてくる軌道だそうだ」
「ぐっコロニー落としか・・」
「つまり自爆テロ集団は人類もろとも地球も再生不可能にするつもりなんだろう」
「私がこちらの世界に来た意味はありませんでしたね」俺
「・・・・・残念だ」権左衛門
「墜ちてきます・・・どうやら目標は日本のようです」ホスト
「つまり我らが最後の人類だと察知されてしまったのだろう」
「いよいよお別れですね」
「うむ、短い間だったがありがとう君は人類の希望だったよ」
「来ます!」
「ズズズズズズズズズ・・・」
「転送シークエンス発動」突然リョウコが自動モードに入った
「転送タイム設定完了。ご主人様はこれからある時代に転送されます」リョウコ
「な、なに~なにごと?」権左衛門
「これは重大な国家機密でしたがタイムスリップ装置が極秘に開発されてました
ただしスリップするのは1人限りで一回限りです」リョウコ
「ガチャの特典?」俺
「はい、すべては神からの啓示による運命なのかもしれません」リョウコ
「うむ、分かった水戸君どうか我々人類を救ってくれ頼む」権左衛門
「ええええ?頼むと言われてもなにがなんだか・・」
「もう時間がない早く行きなさい、さらばだ」
「装置発動します・・・3,2、1」
「ズズズ・・・」
「う、うわああああああ」
なんと俺は前世から現世、そしてどこかの世界へと再び転生させられる
プロローグ編おわり