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転生したら戦国時代だった  作者: kou2199
第三章 上洛
19/47

裏切り

言う事を聞かない朝倉氏成敗へと大軍が動きます

「大殿」平五郎

「ぬ?なんじゃ」

「上洛から一年が経ちましたが日の本はおろか畿内ですら収拾ついてませぬ」

「うむ、それは承知しているがやはりまだ我が軍の準備不足の面が大きい」


「そこでございます」

「ほう?なにか早急に織田軍を整える方策でもあるのか?」信長


「残念ながらチャッチャという訳には行きませぬがジワーッと畿内の民の

心をつかむ方策がございます。」


「余には全く思い浮かばないが?どうやって戦力を上げるのだ」

「はい、戦費を稼ぐことこそ民を豊かにし我が軍を屈強にいたします」


「うーむ、そんな都合の良いことがあるのか?」


「つうか!通貨でござる」平五郎


「はあ?なんじゃそれ」信長


「ははっ今日の本幾千万の大名が群雄割拠してますが流通をになう物が

確立されておりませぬ」平五郎


「たしかに、その昔お上が通貨なるものを流通させようと遠くは宋の国より銅銭を

大量に輸入し全国に流通させようとして一定の成果を上げたと聞くがそれは

全国が統一されてこそ通じる事、今の戦国時代ではてんでばらばらの銭を各国が

使ってる為に収拾がつかない状態なのだ」信長


「さすが大殿経済学にも精通されてますな、感服致しました」

「少年期皆が余をうつけと侮っていた時にお忍びで畿内見聞して廻ったのじゃ」


「なるほど、大殿は金子の有効性を熟知されていたわけですね」

「そんなことは当主として当たり前。だが平五郎にはその先が見えてるのじゃな」


「楽市楽座と街道整備、すべては流通の仕組みを大改革するため。そしてその

総仕上げは通貨制度の統一にございます」


「うむ」


「今まで大雑把だった銭の価値を一から見直し実用第一に価値を決めます」

「ほう、具体策はあるのか?」


「は、今までの銭は主に質の悪い銅貨が主流でした。ですがこれではいくら

銅貨の家格を高く設定しても信用度がありませぬ、結局銅貨自体の持つ価値に

自然と落ち着くのでございます。これが世の中の仕組み」


「うむ、ものの価値というのはいつしか自然に定まっていくな」

「ですが高級な品物の取引に大量の銅貨を支払っていたら効率が悪うございます」


「ほほう、つまり銭にも位をつけるのか」信長


「は、基本は銅貨1枚を「一文」とし百文と銀貨を同じ価値にいたします

更に銀貨(朱と呼ぶ)8枚で金貨1枚と同価値、金貨を両と呼ぶように

つまり800文が一両(今で言う十万円相当)という風に致します」


「なるほど・・金だと通貨自体に嘘偽りない価値があるので信用できるな」

「御意、通貨を流通させるためには信用がなくてはなりませぬ」


※実際の通貨価値はもっと複雑だった模様ですが作中では省略します


「つまり織田家領土になれば民は銭の恩恵を受けられる、豊かになるのじゃな」

「さすがは大殿」平五郎


「だが、その仕組みは一見革新的に見えるが肝心の金銀は都合つくのか?」


「は、只今墨俣城で研究中ですが金には少し混ぜ物を入れた方が強度が増し

扱いやすくなります、銀も同じように少し加工いたします」平五郎


「混ぜ物を入れたところで金銀が貴重である事には変わりなかろう?」信長

「は、そのための光圀めの慧眼にございます」


「つまり、蜂須賀党か?」信長

「さすがは大殿、皆まで申す必要ありませぬな」平五郎


「なるほど、光圀がいち早く蜂須賀党を取り込んだは墨俣城一夜城だけの

為ではなかったのか・・・金銀鉱山の採掘目的か・・それは恐れいった」


「は、彼らは山賊風情なのに膨大な力を持っていた背景を探ったようです」

「さすがは軍師光圀・・・先の先が全てみえてるのじゃな」信長


蜂須賀党に金銀鉱山を開発させてるのは事実だがすでにUFO軍団を駆使し

光圀は天文学的な金銀を手にしてる。通貨改革は既定路線だったのだ


「それだけではありませぬ、いち早く流通に通貨は欠かせぬと織田領内のみで

通用するからくり札の開発もほぼ実用化ができておりまする」


「からくり札?」

「は、光圀めがもうすには「きゃっしゅかーど」だとか申すそうです」

「なんじゃあそれは?」


「は、光圀の申すには南蛮渡来のからくりを民1人1人に施し永久的に

民の番号化(マイナンバー化)を行った上で領民には新たに木札を渡し領内で

あれば木札に貯めていた金子の範囲でやりとり出来るとか」


「現金を持ち歩く必要がなくなれば盗まれることも脅し取られる事も無いな」

信長


「御意、自分専用の番号があるので木札を盗まれても現金を引き出せません」


「大殿、実検のための木札をお持ちしました。お試し下さい」


「で、あるか・・どれどれ」


「ではこの紙入れ(財布)を買ったぞ」


店員がわりのキョウコが信長が購入した紙入れのタグをからくり棒でスキャンし

取引が成立する


「は、それは100文でございます、木札をからくりレジに挿して下さい」


「ガチャガチャ」「こうか?」


「はい確かに100文頂きました木札に表示されてる残高を確認下さい」


「どれどれ?最初は10両が入っていたな・・おお、残り9両7朱か」

「領内についてはこのように給金もなにもかも木札で行います」平五郎


「これはとんでもない可能性を秘めておるな。よしこの制度早速実行せよ」

「更に領民のみの恩恵ですが・・」

「おおっ例のあいてむぼっくすなるものじゃな!」


「は、民百姓のは最低限の物ですがこれまた防犯に役立ちまする」


「大殿いかがにござるか?これなら敵兵も我が軍にはやく下りたくなりましょう」

「だが、そうもいかないのが一向一揆衆なのじゃ、やつらは理屈ではないからな」


「上洛と並行して滝川一益に畠山成敗を命じてるが死をも恐れぬ信者達に手こずってる

そうじゃ」信長


「我ら平五郎軍が御助力いたしましょうか?」

「ならん、やつとて武将の端くれメンツというものもある」信長


「畿内を征服するということはすなわち周囲からみれば囲まれたとも言える

これからの織田軍は全方面の敵と対さねばならん平五郎全てに任せるというのは

不可能なほど戦線は広がってしまったのじゃ」信長


「この平五郎いささか腑に落ちませぬ」

「うむ、余も同じじゃ。先日来包囲網の動きがあまりにも歩幅が合いすぎてる

これは誰かが糸を引いてるとしか思えん」


「力もないのに日の本を文ひとつで動かそうとする誰かですな」平五郎

「うむ、先日牽制の意味をふくめて御法度15条を提出したのだがな」

「要約すると将軍様の代わりに信長軍が反対勢力を蹴散らしますという内容だが

それはつまり将軍様は黙ってて欲しいという脅迫だからなぁ」悪びれない信長


「大殿が専横してるとでも思ってるのでしょうか?」

「いや、余が坊主を嫌ってるのを気に入らないらしい、まいない(賄賂)でも

もらってるのじゃろう」信長


「どうされるおつもりですか?」

「どうもこうもない、今は幕府を利用するだけ利用する」信長

「つまり朝廷の勅命を得る為の道具でございますな」

「なにごとにも大義名分が必要なのじゃ朝廷に逆らえば賊軍じゃ」


「なるほど、勅命を利用して全国の名だたる大名に将軍助力の上洛をうながす・・」

「だがほとんどの大名は「信長なぞに」と無視することじゃろう」信長


「晴れて我が軍は官軍でございますな」平五郎

「蜘蛛の糸を張ってからめとるのでございますな」


「これも平五郎の無手勝流に刺激されての事じゃ、どうだこれなら

わざわざ喧嘩をふっかける必要もなかろう」


「むう・・哀れなのはお釈迦様の手の平で踊らされてる義昭様・・」

「ふ、いまごろせっせと信長憎しと全国に檄文をばらまいてる所だろう」


「は、全てサスケ忍軍の手により内容を把握する手はずです」平五郎

「今一番余を侮って挙兵の準備をしてるは朝倉勢じゃ」信長

「うしろには北陸の覇者上杉もいますな」平五郎

「だが、今回は半兵衛の働きで上杉は動かない段取りじゃ」


「さすが大殿、戦支度は万端でござるな」平五郎


「三好勢の動きは心配ではあるが先日の戦で当分は動けまい」信長

「御意、名だたる将の首は取れませんでしたが⒉万近くを失ったはいくらなんでも

立て直しに時間を要する事でしょう」平五郎


「うむ、今こそ朝倉勢を成敗する時がきた馬引けい!」信長


決断したときの信奈は早いわずか数日で戦支度が整い北近江を抜け加賀へと進む

「さすがに今回ばかりは無手勝流とは行かぬ、手勢3万を揃えたぞ」信長

「ははっ、浅井軍1万も合流すれば総数4万敵も我が軍の圧倒的兵力に敵も

腰を抜かすでしょう。威嚇こそ無手勝流の第一歩にござる」平五郎


「大殿、お市の方様からの陣中見舞いにござる」伝令

「ほう、市は側鎖であるかな・・どれどれ手土産とやらを見せてみよ」


これが有名な「袋の小豆」


「大殿!これはおかしゅうござる」平五郎

「確かに違和感あるななぜ小豆袋を両方紐で縛る?」信長

「これは裏切りを知らせる密告では?」光圀


「光圀様」ステルス忍者が告げる


「・・・・・」「うむやはり」


「大殿、一大事ですぞ。これは浅井軍の裏切り間違いなし」光圀


「ば、ばかな・・婿殿が裏切る訳などない!」信長


「後方から接近する浅井軍の動きは戦支度一刻の猶予ござらん御下知を」光圀


「ぐ、・・・完全に挟み撃ちでは対処しようがない」信長

「いえ、大殿だけでも退いて下さいUFOの準備が整ってます」


「馬鹿者、其方達を残してのうのうと余だけ逃げると思うか!」

「大殿、ごめん!」平五郎は素早く槍を回転させ石突きで信長を気絶させる


「ぐ・・・」いままで誰も知らなかったが平五郎こそ織田家一番の武芸者


「光圀、サスケ、大殿を頼む」


「ですが平五郎様は?」

「この三万の兵をなるべく損害すくなく撤退させるには我にしかできない」


「平五郎様全員隠れ蓑と新型足軽装備させています。どうかご武運を」光圀


「はよいけ、墨俣で又会おうぞ」平五郎


リョウコ操作するUFOは信長を乗せ岐阜城へと踵を返す


「リョウコ君、大殿を届けたら我々も戦場にもどり撤退戦の協力しますよ」

「は、かしこまりました」


さて、平五郎


「みな聞け、浅井軍が裏切った」

「な、なんと」

「けしからん、こうなったら浅井も朝倉も根絶やしにしてくれる」

「平五郎様我が軍は3万十分戦えます」


「ばかもの!、現状を考えろ!殿はすでに岐阜城に戻った、今ここで戦をする

意味はない、戦っても苦戦必至じゃ。ここは一度撤退して態勢を立て直す」


「し、しかし・・・」


「大殿が撤退した今最高指揮官は平五郎様にござるどうかお導きを」側近


「うむ、まずは全員支給した新型足軽装備を着用しその上に隠れ蓑を着るのじゃ」

素早く全軍に指令が行き渡る


「ですが3万の軍勢容易には身動き出来ません」

「敵はこちらが大軍勢と知ってるので平地を封鎖する、その逆手をとる」


「と、申しますと?」


「陣幕その他装備全てそのままにし全員素早く山にはいるのじゃ」


「ですがこれだけの軍勢が山に入れるのでしょうか?」


「全員ここで野戦を仕掛けると相手に思わせて3千づつ少しずつ山に入るのだ」

「当初はそれで上手く来ましょうが気づかれたら殿軍は全滅しますぞ」

「我がしんがりじゃ安心せい」


「しかし、大殿のつぎに平五郎様のお命は大事にござる」

「ばかもの命をおしんで戦など出来るか、我の換えはいくらでもいる」

「平五郎様・・」


「感傷に浸ってる暇などない各人迅速に動かねば全滅だ、急げ」


「との~」空から光圀が戻ってきた

「ばかもの、なぜ戻って来た!死地に赴くとはなにごと」

「死地などではござらん、わたしが来た以上勝利間違いなしですぞ」光圀

「大した自信だが、この包囲網どうやって脱出する気じゃ」平五郎


「50人が乗れるUFO30機用意しました。一度に1500撤退出来ます」

「しかし、敵の攻撃はあと一刻もすれば行われるぞ」平五郎


「は、そう思いまして墨俣秘密基地より防具を運んで来ました」光圀

「例の野戦砲とやらの初陣じゃな」平五郎


「は、新種子島と野戦砲も使いますが新型足軽装備、隠れ蓑の併用で

時間を稼ぎます」光圀


「だが今手元にある新種子島は3千、足りるか?」

「浅井軍だけなら対処出来ましょうが当然正面の朝倉軍も呼応するでしょう」


「うーむ前後で1500づつでは心許ないな・・」平五郎

「野戦砲は20程持ってきました」光圀


「とにかく今は馬防柵設置と素掘り工事が急務でござる」光圀


「しかし一刻(2時間)では時間がたりなすぎるぞ」


「は、南蛮渡来のからくり機械ももってきました(今で言うユンボ」


「時間がありませぬ勝手に自動運転で可動させています」リョウコ


ユンボ10台が唸りを上げて臨時の堀を作り出す。後方でブルトーザーが

土砂を素早くかき集めうず高く盛り上げる、堀と防塁の同時作製


「馬防柵を立てて速乾コンクリートで足元を固めるのじゃ」サスケが人夫に号令

「一体どこから来たのじゃ?あの人夫達は?」平五郎


「勿論墨俣から引き連れて参りました」光圀


「な、なんと!」

「みな志願してここに参ってます。是非織田方に助勢したいとの願いです」


「な、なんと光圀は人夫衆の心まで掌握しておったのか・・」


「しかもなんという動きの速さ・・」


「は、このような事もあるかと日頃から人夫達を鍛え上げてきました」光圀

「戦は兵だけではないとは思っていたがまさかここまでとは」平五郎


「うおおおおおおお」ついに裏切り浅井軍と朝倉軍が総攻撃を開始する


「ズズススキューン」連発式の新種子島が長距離から唸る


「ズドーン」野戦砲が騎馬軍団の真ん中に落ちる

今回は広範囲に破片をばらまく空中炸裂榴弾砲、上空5mにセットされた信管が

炸裂すると凶器となった破片が周辺の兵士軍馬を切りさく


「うぎゃあああ」破片は兵を死に到らさないように工夫されている

地雷とおなじで戦闘能力を奪う上に負傷兵の対処に時間と金が掛かる

兵士を殺すよりも効果的


だがやはり今回は準備不足砲の数が圧倒的に不足、敵は馬防柵前に殺到した


「縄をかけて馬防柵を引き倒すのじゃ」


「駄目です、異常に足元が固くて引き倒せませぬ」


「えーい仕方が無い馬から下りて突撃じゃぁ」

「な、なんじゃあこれは!」


「殿、堀が張り巡らされていますその先は高く積まれた土塁です」


「かまわん、堀といっても空堀じゃ乗り越えるのじゃ」


前後から同時に浅井朝倉軍が堀を越えようと突撃する


「シャアアアアアア」今度は土塁から突如出てきた弓隊からの弓矢の嵐

「うぎゃああああ」多くの兵が矢に倒れる


「これは敵も籠城戦のようでござる一旦引き態勢を立て直しましょう」

「うむ、もはや敵は包囲網を破るのは困難、時間はいくらでもある」


連合軍は初日に多くの兵を死傷させたが鉄壁の包囲網を敷き必勝態勢


夜、織田軍は戦意高揚を狙ってなのか陣の中で「鬨」の声をあげ続ける

「エイエイオーエイエイオー」


「織田のうつけ軍め、わめいてなんとする?疲れるだけだろうに」

「逃げ出せないのでやけになってるのでしょう、いつまで続くことやら」

「ま、強がりはせいぜい一夜ぐらいだろうな」高をくくる連合軍


朝になった


「よし、織田軍にとどめをさすぞ、全軍突撃!」

「おおおおおおおおっ」


浅井朝倉連合軍は前後から挟み撃ちで織田軍に総攻撃を開始


「あ、あれ?」敵陣を蹂躙したつもりだったが誰もいないのだ

「だ、誰もいませぬ!」


「な、なんと敵は3万はいたはず、一体どこに消えたのじゃ?」

「わ、わかりませぬ、装備は全てそのままに兵だけいませぬ」


「夜の鬨の声は目くらましだったか・・抜け穴でも掘ったのか・・」


実際は30機のUFOで3万の兵隊をピストン輸送した


「駄目です抜け穴の痕跡みつかりません、最後に塞いだのでしょう」


「ふん、逃げられはしたが此度の戦は我が軍の勝利に違いはない勝ち鬨あげよ」

「エイエイオーエイエイオー」


こうして最初の朝倉攻めは織田軍の敗走という形で終わってしまった

屈辱の織田軍初敗北。


まさかの浅井裏切り、からくも窮地を脱した信長だが・・・

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