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転生したら戦国時代だった  作者: kou2199
第三章 上洛
16/47

お輿入れ

「平五郎とか申す者、この神輿でわらわは浅井家に輿入れなのじゃな」市

「ははっ左様にございます。特別仕立ての神輿にて旅の安全は万全にございます」

「うむ、大船に乗ったと思えばよいのじゃな。其方達を信じましょうぞ」


特別仕様のUFOは外からは特大の神輿にしか見えない

「おおっ従者含め4人も乗れるのか・・かような神輿ははじめてじゃ」市


「特別仕様の牛車神輿ですが車輪に仕掛けを施し豪華な乗り心地でございます」

「全てお任せ致します、それでは出立致します信長様お元気で・・」

「うむ、市も達者でな」別れの挨拶をする信長


本来なら空飛ぶUFOなので浅井の地近江へはあっという間に到着可能だが

あえて地上路を進む事にしたのだ。勿論絶対安全のステルス牛車

実は旅すがら六角氏を初めとする周辺敵国の動向を調べる目的もある

光圀隠密兵と半兵衛が敵地を影で調査し調略の可能性を探る機会でもある


とはいえ稲葉山城改め岐阜城から北近江ではさしたる距離もない牛車でも

二泊三日の距離。


六角氏は隙あらば妨害しようと策を巡らしていたが一度たりとも妨害網に

引っかかることはなかった。牛車が過ぎた後には闇から闇へと葬られた忍者の骸

しかし、ここはまだ織田領地内、小競り合い程度


先行するサスケ隊の暗躍で敵忍者は全て事前に排除されてしまった

「光圀様から賜った敵味方判別からくり(タブレット)の威力は絶大じゃ」サスケ

「は、どこに潜んでいようとこのからくりで探査すれば白日の下にござる」部下


「しかも我らは新型隠れ蓑のお陰で一切の気配を絶てる、敵にしてみれば

なにがなんだか分からないうちに気がついたら黄泉の国じゃ」


「お頭、あの世に行った者が「気がつく」事ってあるのですか?」

「行ってみればわかるぞ、そなたも一度行ってみるか」サスケ

「お、お戯れを・・」苦笑いの部下A


「殿から賜ったこの「あんさつじゅう」なるものも恐ろしい武器ですね」部下B

「さよう、殿からは新型種子島との事だが発射音もしないし弾も不必要

しかも引き金を引きながら好きな方向にずらせば敵首の両断も可能・・」

楔帷子くさりかたびらなど装備してても全く問題にせぬしな」


「50間(90m)の距離でも殺傷可能我らは安全に敵だけを葬れます」

「だがこの銃は一丁しかない貴重品換えは無い大事に扱え」

「御意」


あえて光圀はここに転送され初めて使用したビーム銃は二度と生産しない予定

こんな物が量産されたら人類滅亡はますます早まってしまうとの判断


「本来ならば刃をもって正々堂々と対したい所だがわが忍軍は少数精鋭

まかりまちがっても差し違えるなど出来ぬ。先はながいからな」サスケ


「御意、我らの任務は始まったばかりにござる」部下C


「からくり絵(タブレット画面)に示される赤印(敵兵)を指でなぞるだけで

あとは銃の引き金を引くだけで百発百中・・この世の物とは思えませぬ」


「今回は間に合わなかったそうだがいずれは建物に隠れる敵をも狙撃出来るとか」

サスケ


「殿を敵にだけは回したくないですな」部下D


「其方達だけに我の心情を伝えるがもはや金子の量云々ではない、我は光圀殿に

心酔してしまった。里の命は絶対だが我らは里と光圀様が絶対に敵対しないよう

注意深く工作しなければならないぞ」サスケ


「は、お頭、それは部下全員の総意でもあります我らは一心同体にて」


「よし、ここら一帯は全て片づけた御者(牛車を引く者)に連絡せよ」

「は、このからくりなるは実に便利、味方へ符号送るにも一瞬で

ござる(つまりショートメール)」部下D


「やはり敵もさるもの身元が分かる物は一切所持してませぬ」部下

「当たり前じゃ敵とはいえ忍者のはしくれ、初歩中の初歩。我らも同じじゃ」


「は、万一討たれそうな時には証拠隠滅のため自爆の覚悟です。」


「うむ、だが殿はその点でもなにやら新兵器を開発中とのことじゃ」サスケ

「な、なんと忍者の命をかばうのですか?前代未聞にござる」

「うむ、慈悲深い殿は一兵たりとも失いたくないとの事じゃ」

「な、なんと・・・」


「本日市様御一行は野営とのこと、警備頼むとの連絡がありました」


「うむ、作戦通り交代で食事休憩、仮眠せよ」サスケ


「ははっ」


「お頭、我が軍の兵糧いくさめしは格別でござるな」

「さよう、火をおこす必要も無いのに飯は暖かく量も十分、なによりも馳走じゃ」

「ほっぺたが落ちまする~」満面の笑み部下C


「馬鹿者、忍者たる者いかなる時も平静を保つのじゃ」

「ですがお頭とて口元ゆるんでまする」部下B

「ば、ばかな其方の見間違いじゃそうに決まってる」お茶目なサスケ


そうなのだ、墨俣秘密基地で人夫として潜入していたときからサスケは感じてる

「光圀様は世故に通じてるし慈悲深い。しかも例を見ない政治力がある」

未来から来たとの事だがどうやら世迷い言ではないらしい。


「更には殿直伝の回復薬・・これ一粒で百人力、力がみなぎる」サスケ

今で言う栄養補助サプリの類、しかし効能は忍者用につき数十倍なのだろう


「お頭質問よろしいですか?」部下E

「答えられる範囲なら応じる」サスケ


「なぜ牛車なのに池の真ん中にしかも浮遊してるのでしょう?」

「それは答えられぬ・・光圀様秘伝中の秘伝からくりじゃ」サスケ

実は重力を制するUFOなので空中停止も思いのままなのだがそのからくりは

サスケにも知らされていない」と言うか光圀も仕組み知らない


「明日は最大の難関関所通過があるはよ休め。」サスケ

「通行手形を所持してるのでは?」部下

「たわけ、表だっては通り抜け可能だろうがこちらの姿も表せねばならぬ

どのような陰謀があるやわからないのだ」サスケ


浅井長政所領の北近江に行く為には六角氏制する南近江をどうしても

通過する必要がある。今までの慣例では「婚儀の一行」は戦国の世でも黙認

というか外交的に「お互い妨害せず」が通用していたが今回はどうなるか


「しかし、敵味方判別からくりがありまする」

「そなたはうつけか?関所内は全て敵ばかり、それは当たり前の事」

「う、確かに・・通行手形があるから通してくれても敵は敵ですね」


「頭、もう一つ質問よろしいですか?」

「答えられる範囲でならばな」

「たしか殿(光圀)も同道されると聞き及んでますが姿が見えませぬな」


「うつけもの!、それこそ秘中の秘じゃ。察せよ」サスケ

「はは・・これはしたり」


どうやら最強サスケ忍軍にも間抜け(KYな)部下がいるみたいだ

「表だって光圀様が同道なんてしたら敵の餌食間違いなしだ!ボケ」

それぐらい察せよと脳内で部下を叱るサスケ


「使者として光圀様は絶対必要だがそれは浅井領に着いてからの仕事察せよ」

「申し訳ありませんでした」平伏する部下


実は牛車(本当はUFO)を操る御者そのものが光圀なのだがサスケ以外

誰にも知らされていない。敵を欺く為には味方から


何事もなく一晩を過ごし、翌日お市様御一行は南近江の六角氏関所に到着


「ここから牛車は誰の目にも見える、各人油断めされるな」サスケが号令


見た目牛車に護衛兵6人(サスケ他)残り4人は隠れ蓑を着用して姿を隠してる


「たのもーう」サスケ

「おお、お市様お輿入れの一行でござるな、話は承ってます、ささこちらへ」

「お世話になります」


「一応形式上とはいえ荷物を改めさせていだだきます、それまでごゆるりと

ご休憩くだされ」一行は専用の休憩所へと案内される


「申し訳ござらんが腰の物は預からさせて頂くのが決まりにて」


「分かりました」サスケ達が武器一式を奉行たちに預ける

「念の為申し上げますがこの通行手形は六角様と織田家、浅井家3家で

取り交わした約定にござる、いかなる場合でもこれを犯せませんので」


「は、すべて伺っております、どうかご安心くだされ」関所奉行


「ただし我が家の関せぬ野盗どもの仕業ならどうにもできぬがな・・」

内心で関所奉行はほくそえむ


「頭、案の定我らの武器一式、分からぬ形で刃引きされたり折れやすく

された模様です」ステルス隠密がサスケに耳打ち


「ふ、それぐらいお見通しだ」

「食事に毒は盛られていません」


「そらそうだろう、この関所で事が起きたら申し開き出来ぬからな」

「やはり、関所通過後の峠道あたりですか?」


「たぶんな、野盗どもに襲わせる手段だろう」サスケ

「野盗共100人位で襲わせるのだろうて、ばかめ」

「成功してもしくじっても六角氏は知らぬ存ぜぬですな」


「六角めそこまでしても両家を妨害する気か・・穏便にすますつもりだったが

つけは大きいぞ、覚悟しろ」怒りにもえるサスケ


成り行きは信長の下に「SMS」にて随時リアルタイムで報告されてる

「サスケの怒り余と同じ、六角め、上洛のおりには必ず成敗してくれる」信長


「申し訳ござらん確認作業が大幅に遅れてしまいました、もう遅い時間にて

ここにお泊まり下され一献差し上げたく存じます」関所奉行


「分かりました、お世話になります」サスケ


無駄に足止めを食らい一泊せざるを得ない事となったが

それすなわち野盗共の戦準備の時間稼ぎだろう


夜となり御一行は接待の宴となった「ささ、サスケ殿ご一献」

無理に酒をすすめる役人達・・・泥酔させて翌日の伏線のつもりなのだろう


「馬鹿め酒飲の術(飲んだふり)は忍術の初歩なのを知らんのか」

サスケに大酒を奨めてもザルに水を流すのと同じなのだが役人風情には

そんな技知るよしもない


「こ、こいつ、化け物か?どんだけ飲んだら酔い潰れるのじゃ?」


「ふふ、殿から頂いたあいてむぼっくすなる物、忍者にはうってつけじゃ

今までは飲んだフリの酒の処分にそこそこ難儀したがこのからくり箱が

あれば一斗だろうが十斗だろうが隠せるわい」サスケ


「ば、ばかなこれは化け物をこえた妖怪じゃ・・酒樽全部飲まれてしもうた」


「おや、お奉行様、もう終わりですかな?我が部下達もまだ足りてませんぞ」

「う、いかんこのままでは関所中の酒全部飲まれてしまう・・破産じゃあ」


「さすがは今をときめく織田様家中でござるこれ程の豪傑とは驚きました」

「はは、これ位はなんでもござらんですぞ、なにしろお市様警護を頼まし

我ら、一騎当千にて」


「左様でござったか、頼もしい限りでござるな」


「してお役人殿、今回の件そなたは如何にお考えでござるか?」サスケ

「拙者一介の関所奉行にて御政道に口出しなどおこがましい限りではござるが」


「が?」サスケ


「どうも腑に落ちませぬ」奉行

「ほう、お奉行にお考えおありかな?」


「あくまでも私的な考えでござるが」

「なんなりとご意見もうされよ」


「なぜ織田家領地から離れた北近江の浅井殿と盟を結ぶのか・・」

「ふむ、それはごもっともなご意見」

「我が六角家と反目するは必定でござるのに・・・」奉行


「これも私だけの個人的な意見ですがよろしいか?」サスケ

「お互い身分の低い者通し遠慮されるな」奉行


サスケの腹の内を少しでも引き出し情報を得たいのだろう。

サスケも同じ目的なのだが・・


「今回の婚儀で六角氏の出方を見てるのかと」

「な、なんと・・」しらじらしく驚くふりの奉行


「地図をみてわかりませぬか?」サスケ

「う・・なるほど、そこもとの言わんとすることわかりました」


「左様、浅井殿と盟を結べば六角氏は挟み撃ちでござる」サスケ

「当然我が家は妨害いたしますな」奉行


「そこがあさはかと言う物」

「な、なぜですか?」


「織田家と浅井家を妨害すればそれが大義名分となり宣戦布告となりましょう」


「げっ・・・しかし・・」

「反目は得策とはならないと存じます」サスケ


「今、京の都は麻のように乱れ将軍家の力は無きに等しくお上からの

援軍などは望むべくも有りません」奉行


「ですから大殿(信長)は天下の御政道の為に上洛を果たすべく尽力

してるのです」


「名門を自認する六角様が信長に戦わずして下るとは考えられませぬ」奉行


「ですが戦となれば両軍多数の犠牲は必至」


「先だっての墨俣攻城戦、その後の稲葉山城攻城戦ごぞんじ有りませぬか」

サスケ


「無論、我が方の物見による詳細、殿(六角)は承知のはず

「今や戦は兵の数ではござらん、すぐれた兵器兵法次第なのです」サスケ

「ぐ、つまり兵数に違いは無くても六角家は蹂躙されると?」

「墨俣では300(公式には)の兵で斉藤軍6千を破り、稲葉山では

籠城する斉藤軍⒉万を1万5千の織田軍が負かしました」サスケ


「皆まではもうしませんが事実が証明してまする」サスケ


「・・・・」奉行


しばし沈黙の後なにか意を決した奉行


「大酒は飲まれましたが収穫多き夜でした」納得の奉行


「それでも事に到るつもりですかな?」サスケは目で奉行の真意を探る


「ぐ・・・、全て読まれてる」奉行は狼狽するが眉一つ動かさない


「あくまでも抵抗かそれとも恭順か・・どちらが我が家に益がある事なのか」


奉行は考える


「確かにこの婚礼を邪魔し使者一行を押し囲むは容易なれど

同時に六角氏存亡の岐路に立たされる。安易に事を構えるは愚行かもしれん」


実はこの奉行六角義治の命を受け今回の総指揮を委任されてる。つまり情勢を

見極めて作戦遂行か否かを選択出来る立場。今は名も無き武将




「来るかな?」光圀

「来ますね」サスケ


「サスケがあれほど釘を刺しても来るか・・愚かな」光圀

「六角氏の過去をみれば明らかです。名門の誉れが高いのが逆に足かせになり

過去に幾度失敗した事か・・つまり将の器ではないのです」サスケ


「うむ、足利幕府がこれ程衰退してしまったのは六角と三好の権力抗争による

畿内の衰退が大きな要因じゃ」光圀


「御意、この期に及んでもまだ目が覚めないのです」サスケ


「だな、では明日は手はず通り完膚なきまで叩き潰すぞ」光圀

「あわれ、野盗風情・・全滅間違いなしでござる」サスケ





朝が来た


「おはようござります、今日は良き天気にてすがすがしゅうござるな」奉行

「昨日の宴は大変楽しかったですぞ、このサスケ一生忘れませぬ」

「あれだけ大酒を飲まれたのはこの関所始まっていらい、私も深く心に刻みました」

「また、どこかで酒酌み交わせたらよいですな」サスケ


「いかにも・・それでは、くれぐれも道中お気を付けくだされ」

「さよ~なら」手を振って別れを惜しむ奉行たち


「しらじらしいにも程があるな」部下と目を合わせ苦笑するサスケ

一行は一刻(2時間)ほど進むといよいよ件の峠道、山は険しく道は狭い

足が遅い牛車にしたのはこの峠越えを見越してのこと。例えは変だが馬力がある


もっともからくりアンドロイドなのだから元から馬力いや牛力はとてつもない


「この分だととお昼は峠の茶屋という事になりそうです」呑気に市に説明するサスケ


「頭、どうやら囲まれたようです、気配を感じます」ステルス隠密が耳打ち

「うむ、殺気があたり周辺にただよってるな」サスケ


「その一行まてえ」 キタ―――(゜∀゜)―――― !!


「我らは織田家と浅井家を結ぶ一行と知っての狼藉か?」サスケ恫喝する

「は?そんなこと知らねーよ。我らは山賊、金目の物をだせば命は助けてやるぞ」

「ふん、しらを切りおるわい」ほくそえむサスケ


「山賊風情に渡す金など持ち合わせておらんわ!」

「ならば力ずくで奪うのみ、覚悟せい」山賊の頭領、押し囲む賊およそ100


それぞれに弓刀槍を構える山賊達


「ほう、山賊風情にしては身分不相応な武器じゃな」サスケ

「ここら辺は日の本一の交通要所、実入りも大きいのじゃ」頭領

「儲かっているのなら我らぐらい見逃しても大丈夫だろうに」

「いやいや、その牛車にはたんまり財宝があるはず絶対に見逃せんな。」統領


「盗っ人猛々しいとは言ったものじゃな」サスケ

「ほざけ、後悔はあの世でいくらでもするがよい!」

「それはこちらの台詞じゃけどな!」サスケ


「ものども一斉にかかれい!」「おおおお!」


「ダダダダダダーン」「うぎゃああぁ!」


それは一瞬の出来事


「サスケ、これはどうゆうことじゃ」サスケに耳打ちする光圀

「さ、さあ?なにがおきたのか分かりませぬ」サスケ


なんと山賊どもの周辺で更に囲んでいた伏兵がいたのだ

「サスケ殿、お怪我ありませぬか?」


「そ、そなたは先程の関所奉行?」


「は、我らの調査にて御一行が山賊に囲まれたと聞き及び助太刀に参りました」


「ば、ばかな、助太刀にしては用意周到すぎるだろうが!」

と、思ったがサスケは否定しない


「助かりました」一応借りは作っておくことにする後々役に立ちそうだから


「して、いかなる心変わりですかな?」サスケ


「は?心変わりなどしてませぬ」奉行

「さて面妖な・・」


「我が領地内での山賊の凶行民の安全を図る関所奉行として見逃せませぬ故」


「お奉行様、建前は止めにして頂きたい。我が隠密の手により其方の行動は

全て予想済だったのです。しかしまさか山賊達を成敗したは想定外」


「ふふふ、それは我らもサスケ様と同じ隠密だからです」奉行


「な、なんと!」

「いえ、正確に言えば足利義昭様の下知により特命を受けていたのです」

「と言うと?」


「必ず六角はこたびの婚儀の邪魔をするので奉行として潜入し阻止せよと

命を受けてました」奉行


今で言うダブルエージェント、二重スパイってことか?


「成る程、つまり織田家のお味方と?」

「いえ、事はそれほど単純ではござりませぬ」

「ほう?」


「14代足利義輝様崩御は三好一族による裏切りにて」

「成る程、確かに義昭様は未だに征夷大将軍つまり15代将軍には就いてませぬな」

「いかさま、義昭様にとっては誰であろうと擁立の手助けをする武将が欲しい

つまり全国津々浦々誰でも力のある武将ならばよいのです」奉行


「しかし、そなたは織田様に目をつけた?」

「左様にござる、昨日の話を聞いてこの家臣ならばと確信しました」奉行

「先見の明と言われるか?」サスケ


「勝ち馬に乗るは戦国武将のならいにて」奉行

「昨日は其方を敵方と思い名を聞きませんでしたが伺っても?」

「は、今は義昭様食客に過ぎませぬが立身出世を夢みる明智十兵衛光秀と申します」

「信長様仕官が目的か?」サスケ


「いえ、お目通りしてから我が目で確かめたく・・・」光秀

「仕官する者が上司を選ぶとは前代未聞」


「必ずやお役に立つ自信がございますゆえ」光秀


「おおっやはり十兵衛でしたか!」お市の方

「なんとお知り合いでござったか?」サスケ


「拙者、信長様の奥方、濃姫の遠縁にあたります」光秀

「濃の方様は十兵衛音信不通をなげいておられたのじゃ」市

「は、諸国を見聞して廻っておりました。聞こえは良いですがつまり乞食です」

「縁故を頼れば仕官など容易でしたのに」市


「は、拙者は仕えたい殿のみに仕える覚悟でしたので」光秀

「ほほう、そなた気骨があるようじゃな」サスケ

「サスケ殿こそ、天下一の忍者と誉れ高いのになぜ織田家に仕官なされた?」

「信長様というよりも光圀様に心酔したからじゃ」サスケ


「ほほう、是非お目もじしたいものですな」光秀

「目の前にいるぞ」サスケ


「な、なんと御者に化けていたのですか!これは気がつかなかった」光秀

「これ、まだ敵領地内、油断めされるな」サスケ


「ここらあたりは私がまかされています襲う者などもういませぬ」光秀

「しかし、其方六角を裏切った事になる最早ここには居られまい?」

「は、ですからこのまま婚儀まで配下共々同道致したく」光秀


「今頃六角は飼い犬に手を噛まれ地団駄踏んでるな・・」サスケ

「ささ、北近江まではあと2刻の距離急ぎましょう」光秀


「いや、情勢は掴んだ、もうゆっくりする必要も無くなったひとっ飛びするぞ」

「ビューン」空高く天翔る牛車

「な、なんと」ビックリ仰天の光秀


「これが織田家の実力だ!しかと心得よ」光圀

「驚きました我が手勢50全員が牛車に乗れるとは・・・」光秀

「ふふ、特殊なからくりじゃ外からはわからなぬ仕組み」光圀


「それにしても驚いたぞ、50の手勢でなぜ100の山賊を一瞬で葬れた?」


「はっ織田軍墨俣城の戦を研究し独自の種子島を堺の商人を通じて開発させました」


「ほう、みせてもらえるか?」光圀


「は、こちらにて」


「なるほどこれなら3連発可能でござるな」現代で言う原始的なリボルバー式銃

弾ごめした3つの銃身を回転させて発射する仕組み、3発まで連射出来るがその後の

弾ごめは従来通り先込め銃と同じ時間が掛かるる

発射音からするにライフリング加工はされてない模様

しかし倍の兵を瞬時に葬れたその実力、相当の修練を積んだ手練れ達と分かる

とどのつまり光秀有能の証。


「織田軍の新種子島はこうではござらんのですか?」光秀

「奇抜な発想じゃな、しかし我が軍の新種子島とは構造が全く違う」

「我なりの研究成果ですが違いましたか・・う~む」光秀


「大変興味深いですなぁ是非拝見したく」光秀

「そなたが織田家配下となれば見せて進ぜよう」光圀


「それは楽しみでござる」

「と言ってる内に到着いたしました」サスケ


「こたびの件必ずや大殿に報告し其方の立身に役立てましょう」光圀


こうして浅井と織田の同盟は成立しいよいよ信長上洛の足掛かりが出来上がった。


あれれ・・・なんか

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