プロローグ
おれ二戸、ニートでボッチなんだけどとんでもない事に
俺の名は「二戸望冶」(にいどのぞむ)
しかし皆はニートでボッチとあだ名を付けてくれてる
実際生まれてから30年いちども働いたことも無く
ほとんど部屋に引きこもって学校は中学1年から行っていない
ニートでボッチでパラサイトwという最悪の人生なのだ
恵まれてるのは家の環境、お大尽の家なので生活には何不自由ない
膨大な財産は多分俺なんて一生働かなくても大丈夫だろう
だが年に数回どうしても外出しなければならない時がある
あの「ツーピース」の新刊が発売されるときだけは近所のコンビニに
買い物にいかなくてはならないのだ・・渋々二戸は支度して深夜に家を出た
「そっかもう11月だった、ちょっと肌寒いかも」てくてく歩く
コンビニまでは2分そこら町はすっかり秋が深く吹く風に冬がまじってる
「新刊かったっらとっとと帰ろう」お店の入り口まで後数歩
突如
「ブォオオオオオオオ」
「な、なんだぁあ?」
アクセルとブレーキを踏み間違えた暴走車がコッチに突進してきたのだ
「あ、あぶない~」
「ドガガガガ」
猛スピードで正面から俺は突っ込まれ車のボンネットに跳ね飛ばされて
天高く宙を舞う・・・
「あれ~・・・」
「どっしーーーん」
「あいたたたたた」
相手は乗用車だったからボンネットに乗り上げて天高く舞い上がった事で
致命傷は避けられたようだ
「ううううう」
幸い二戸は身体だけは無意味に丈夫180㎝で80kgいわいるデブではない
「君っ大丈夫か」近くにいた人が助けに来てくれた
「はい、なんとか大丈夫なようです」
ふと顔をあげる二戸
「あれ?」
なんか様子が変なのにすぐ気がついた
「どうした?」中年紳士風の男性が声を掛けてくれたが・・
なにしろ目の前にコンビニがないのだ駐車場も俺を跳ね飛ばした乗用車もない
というかここどこ?
「君は突然天から降ってきたんだが?」おじさん
や、やばいこれってもしかしてラノベとかでよくある異世界転生?
「あの~ここはどこなんですか?」
「どこって日本だよ」おじさん
聞くと住所は全く同じで日本なのも同じ、しかし風景だけが全然違う
「すいませんが今日は何日ですか?」
「何日って11月15日だよ」
おかしい日付も全く同じだ、どういうことなんだ?
「スイマセン頭を打ったみたいで記憶が曖昧なんです。西暦は何年ですか?」
「おかしな事を聞くもんだね。今日は西暦2321年だよ」
「ええええええ!」おれは内心で驚いたが声には出さない
そっか跳ね飛ばされたショックで未来に飛ばされてしまったんだな
しかしタイムスリップしたと説明しても誰も信じてはくれまい
それよりも記憶喪失ということにしてとぼけた方が早いし都合がよさそうだ
「スイマセン全く記憶がなくて自分の名前と歳ぐらいしか覚えてないのです」
「そっかそれは大変だな、とにかく一旦病院に行くことをすすめる」
「ですが所持金もなく身分を証明出来ないので相手してくれないと思います」
「むう、それは困ったね・・」しばし考えるおじさん
「じゃとにかくウチに来なさい、なんとかしてあげる」
「え?しかし身も知らずの私にそんな親切を?」
「そうなんだがなんとなく君は他人の気がしないのだよ」おじさん
「それに見たところどこも怪我などはしていないようだから大丈夫だろう」
「それはそうですが・・・」ニートで引きこもりの俺が抵抗感あるのだ
しかし、よく考えてみると身よりもなにもないこの世界でどうやって生きていく?
とりあえず状況を知る為にもこのおじさんの親切にすがるのが得策だろう
「スイマセン全くなにも思い出せないので戸惑いましたがよろしくお願いします」
「うむ、私は各方面にも一応顔が利く、なんとかしてあげるから安心しなさい」
てくてくてく、おじさんの後をついていく
「ついたよ、ここが我が家だ」
「ドーン」
「なんじゃこりゃ!」
見た事もない大豪邸しかも表札には「二戸」とある!!!!
「私は二戸家第20代当主権左衛門である」おじさん
って300年も未来なのに権左衛門かよ、ツッコミ入れたかったが黙っておく
玄関を衛兵!なに?衛兵だと?が開けてくれる。というか玄関というより城門
「とんでもないお屋敷なんですね」俺
「うむ、今は静かに暮らしているが先代は日本国総理大臣だったからな」
どっひゃ~
「ともかく中に入りなさい、君は当分我が家の客人あつかいだから
遠慮なんていらないぞ」権左衛門
「で、君の名は?」
俺はまさか二戸ですというのは不味いと咄嗟に判断し
「水戸望と申します」
「おお、なんだか偉そうな名前だな、分かったそれでは水戸君と呼ぶことにする」
「よろしくお願いします」
しかし、広大な屋敷だというのにあまり人の気配がない??
「あの、この屋敷には何人住まわれてるのですか?」
「うむ、無意味にデカイだけが取り柄の我が家だが今住んでるのはわしだけじゃ」
「不躾ですがご家族のかたは?」
「訳あって今は我1人と言う事になってる」
「しかし門番がいましたが?」
「ああ、あれはセキュリティ会社から派遣されてるロボットだよ」
「記憶喪失なのでしょうがないが今の日本ではほとんどの人間は1人暮らし」
「げっ・・・そうなんですか」
「少子高齢化が極限まですすんでしまって日本人の人口は極端に少ないのだ」
「教えていただけますか?」
「うむ、日本国内の人口は約1000万人、いやそれ以下だろう」
「少子化に歯止めがかからないので日本政府はある政策をとってる」
「政策ですか?」
「うむ、オリジナル体の永久保存法が先代の尽力で施行された」
「え?どういうことですか」
「つまり少人数の管理者以外は永久にDNAを保管し、コピー体のみが
活動するという意味だよ」
「なるほど。しかしそれにしても人の気配が感じられませんね」俺
「それはそうじゃろうて、今日本で生活してるコピー体とて数万以下だからな」
「え?残りの人はどうされてるのですか?」
「うむ、君には一から全て教える必要があるみたいだな」権左衛門
「すいません」
「ほとんどの人類は地球を離れてコロニーで生活してるのだよ環境問題が深刻な
地球自体は少人数の人間が管理するだけでほとんどを大自然に戻す計画じゃ」
「その点で言えば君は私の前に現れたのは実に幸運といえる。この地区に
住むのは我ひとりだからな」
「つまり門兵がいたのは野生生物から身を守るためじゃ」
「どっひゃ~」
「今日はたまたま地区の見回りの日だったのでパトロールしてたんだよ」
「しかし、たった1人でパトロールって危険では無いのですか?」
「もちろん身を守る防御態勢は万全だったよ」
「はあ・・」
「君が出現したので解いたが実はステルス服を着ていたのだ」
「成る程外敵からは一切みえない服なんですね」
「驚いたのは君の服装・・なんの防御対策もしてないではないか」
「はあ、確かに」
「いくらなんでも放置したら君の身が危ないと思い保護したわけだ」
なるほどだから周囲に何も無かった訳だコンビニも駐車場も・・
「わしは元大学教授でもあり科学者・・咄嗟に思ったのは君は転生者なのでは?」
な、なんとそんな事を理解出来る人間がいたのか?
「記憶はあいまいですがかすかに覚えてる生活環境とは違いすぎますね」
俺は咄嗟に否定も肯定もしなかった
「安心したまえここなら絶対安心、記憶が戻らなくてもかまわない
なんなら君を養子として迎え管理者業務を引き継いでくれたら助かる」
「しかし、そんなに信用していいのでしょうか?失礼ですが悪意があって
先生に近づいたのかもしれませんよ?」
「お、いきなり先生呼ばわりかね(^^)、大丈夫君は我が屋敷に入れたろ?
それはすなわちセキュリティチェックを通過したと言う事なんだよ」
「げげ」おれは狼狽した・・ウソがバレバレ?
「君は咄嗟に身を守る為偽名を使い過去からきたことも隠した、だが
それは賢明な処置だよ。我でも同じ境遇ならそうしたにちがいない」
「恐れいります」
「今の科学力は君の脳内の全てをスキャン出来る。君がニートでボッチ(^^)
だったことも全て判明してるよ」権左衛門
「お、恐れいりました」
「ビビビビビ」突然脳内に電気が走った
「う、うわーーー」
「君の全てを露呈させておいて我は秘密では不公平、今私の全記憶を
君に送信した、だからお互い秘密などは無意味ということだよ」
「どうだ、これでお互いに遠慮無く生活できるだろ?」
「た、確かに・・・」
「んん?」
「どうかしましたか?」
「お、おかしい・・・」
「え?」
「どうやら、ホストコンピュータに解析させたところ君の記憶はおかしい」
「どういうことでしょう?」
「君が30年間に蓄積した記憶を照合させた所当時の西暦2020年に
すり合わないのだ」
「ば、ばかな・・・」
「これは面白い現象かもしれないぞ」
「と、いうと?」
「実に興味深い事に君はやはり異世界からの転生者だということだよ」
「と言う事は私は別のパラレルワールドから来た?」
「考えられないがそうらしい、すごい事。こんな事は人類史始まって以来だろう」
なんかとんでもない事になってきたようだ・・・
プロローグ終わり
全然タイトルと違う展開ですね