私は新進気鋭の女優です
さてさて、今回はお城に行っちゃうよ。
そしてお陰様で本編完結出来ました!
とうとう16歳成人の儀を迎えましたアシュリー事 アリーです。
ママ様から式の流れは聞いてたけど、バレないか心配な今日この頃。
今日はこの国ガレスティアのお城で魔法の検査&王様への謁見があるそうです。
検査と言っても出来る魔法を魔法師のおば様方に見せてどの魔法が使えるかと、倒れるギリギリまで魔法を使いどの位魔力量が有るか見せるだけ。
見せるだけなんだけどね、私普通じゃ倒れないよねきっと。
ここはそうよ前世で見たテレビの女優さんを思い出して、この辺でってところで アレ〜と倒れるしか無いよね! 後は詠唱だけど、誤魔化し呟きで一応言ってるよ〜の振りをするの。こし普通の大きさの声を出してと言われたら、それだと発動しないですで押し通します!
そうよ私は女優よ!今売れ時の演技派女優よ!と言い聞かせましょう。
我が家の幌付き馬車で首都の街 《 街自体に名前は無い、首都はガレスティア、その左右に小さな町がいくつか有るけれど、首都から見て北1つ目の町とか2つ目の町となるらしい》そして王宮まで行く馬車の中から外を覗くと、結構賑やかで活気はあるけど一種異様な雰囲気がある。
女の人の後ろを何人かの男の人がトボトボついて歩くとか、他の女の人は男の人をすごい剣幕で怒鳴ってるとか。でも、男の人は誰一人として口答えもしていないよ。
たまに偉そうに立ってる男の人はやはり見た目ゴツイ、大きい、強面の三拍子&肌が浅黒い人ばかり。(日焼けでも魔力が溜まるのは早くなるから路上に立って日焼けでもしてるのかな?)
うちのルトパパ様は残念な事に赤くなるだけで焼けないんだって。だから普通の人よりは若干溜まりが遅いけど、それでも女の人よりかは断然早い。
馬車で進んで行くと、正面に前世で見たトンガリ屋根の白亜の宮殿なんて物は無かった ……。 ガックシ。
なんかねぇ6階建てのビルの様なグレー色で大きな横長の建物がドンデンと建ってる。
なんか違うんだよねぇ 想像してたのとさぁ。
これじゃあ王様って言うより 社長さんじゃないのかね?
ママ様とパパ様ズに手を引かれ王宮(一応名目上は)の一室に連れて来られました。ここでパパ様ズとは、しばしのお別れ 。
勿論アルパパ様に抱っこされてるエドちゃんともね。
そそ、どうやらエドはアルパパ様が作成者だった様です。何故バリーパパ様じゃ無いって解ったの? って聞いたら ママ様が 怖い顔で聞いちゃダメよって感じで「貴女はまだ知らなくて良いのよ 」 (ニコリ)って おぉ怖っ 。
可愛い弟の小さなお手手をニギニギしてから隣の部屋にママ様と…。
お姉ちゃん頑張って演技してくるからね!
さぁここからは女優として恥ずかしくない演技を見せなくては。(いつ女優に?)
全属性の普通に出来る魔法を見せてこれが限界ですアピールをし、ママ様の合図で アレ〜とばかりに倒れ(まぁ尻餅ついて寝そべった程度の演技でしたがね)
やりきったわ 私!頑張ったわ感表に出し、 ハイ! ここでもアピール。
魔法師のおば様方から「うん、まぁ普通ですね」のお言葉を賜り 心の中で小さくガッツポーズして、 ヨッシャーと出そうな声を唇噛んで堪えたらおば様方が「悔しそうな私のその姿 他の方々にも見習って欲しいですわねぇ」と言ってたよ。
実際には違うけど お褒めの言葉は素直に頂きましょう。
やりきった感満載でパパ様ズの待っている部屋に戻ると、思いっきり抱き締められた。 パパ様ズも不安だったって。 有難うパパ様ズ。
さぁいよいよ王様の居る謁見の間(魔)、今私が居るこの国ガレスティアだけが現在唯一の男性王で、まぁ痩せてヒョロッとしてて光に当たらないせいか色白(この世界じゃ確実にモテないタイプだね) ケッ
宰相様が私を王様に紹介する。
「こちらが、マリエッタ様ご息女のアシュリー殿です陛下。アシュリー殿、陛下に名乗られよ」
「この度成人の儀を迎えましたアシュリーと申します。御目にかかれ光栄に存じます。」
「その方が、マリエッタの娘御か。此度はおめでとう。これからの旅が無事に終わり、再び又この国ガレスティアに戻ってきた暁にはこの国を選んでくれる事を望む。そしてここに証明カードを授与しよう。大義であった」
そう言って退出されて行った………短い時間とは言え疲れる。
正直言って王様って言うんだから期待してた訳よ。
キラキラしたイケメン様をね。
誰かが言ってた。
期待は裏切られる為にあると…。
本当だねしかも性格悪いと来たら救いようが無いよね!
次回の王子様達に期待だよ。王女様はいらっしゃらないらしい。
ヘッ!ここでも使えない王様だね。
後の三国は皆女王様。
流石女尊男卑の世界だよね。 せめて他国の女王様達はまともな方達であって欲しいけど。
じゃないと、選ぶ時泣きたくなるだけだからね。
王様は変に見栄を張りたがる困ったさんらしい。
他国が魔物で困ってると自国の女性魔法師をドンドン送ってドヤって感じ。
そのお陰でこの前みたいに突如自国で魔物が大発生すると、どうもこうも出来ず国民が沢山被害に合う。とんでもねぇ奴だね!
とにかく貰うべき証明カード 貰ったからさっさと我が家に帰りましょう。
出来るならもう二度と会いたくはないかな。
パパ様ズ、ママ様、 私今の所この国を選ぶ事は無いと思います。
どこの国に行っても《瞬間移動》で帰れるから良いよね?
可愛いいドレスも着れたし ずっと乗りたかった馬車にも乗ったし 満足かな。
我が家は一戸建てで小さな庭と厩舎があるよ。馬も二頭居る。(馬の世話はアルパパ様がしてるらしい)地球のサラブレッドより少し大きめで魔力も吸収して走るから持久力は相当なものらしい。
でも、その他は何も変わらない大人しい子達です。名前は セント君とポーリアちゃん。
国からの要請があったら直ぐに行けるように馬車は各家で必須なんだって。そんな時は国民頼りって何だかなぁ。
緑の蔦が家を囲むように生えてるのがとても好き。
そんな暖かいレンガ作りの平屋です。
庭には芝生………なんてものは無く普通の土と雑草軍 雑草はわざと抜かないで上っ面を刈る程度に生やしてるんだよね。
まぁ、ごく普通の田舎の風景みたいだけど落ち着く。
あぁ、このまま普通でいられたら。
次回からようやく旅立つ予定です。飛べるのか、落ちるのか どっちだ〜い




