決戦後のわたしの罪
その日夫達は私から中々離れようとしなかった。
*ママ様これってどうすれば良いの?*
*そう言うのってしばらく続くわねぇ。この世界の男の人って最初は強くて偉ぶって居たらしいけど、今はもうほぼ依存してるのよねぇ。特にルーク君みたいな子は激しいかもしれないわよぉ〜まぁ諦めなさいねぇ*
さよか...やらかしたのは私だし仕方ないのか。
ママ様の言った通りルークは駄目だった。
視界から私が消えるとあの綺麗な顔が崩れてしまう。
不安が彼を壊しそうに成ってしまう。危ういなぁ....
ママ様が実はねと、アルパパ様がそうだったと教えてくれた。
あの、冷静沈着を絵に描いたようなアルパパ様がだ...
バリーパパ様はある意味ポジティブな性格なので少ししたら落ち着くのだけど、アルパパ様はネガティヴな所が有るらしく、これでも大分落ち着いてきた方なのよと教えてくれた。
色素が薄い人達特有の病気みたいな物ねぇと。
ルトパパ様は、我が道を行く!と豪快な性格なので放っておくのだとか。
ママ様も結構大変なのね!三者三様上手く操ってる。
どこに行くのでも今まで恥ずかしがって手を繋いでいたのに、今は手を離す事を嫌がってしまう...かなりの重傷みたい。
そんな私達をゼスは微笑みながら見ていた。ある意味出来た夫である。
*ゼスごめんね放って置くみたいで*
*気にすんな、俺は今見える所にアリーが居るだけで大丈夫だが、ルークは駄目なんだよそれじゃ。 何故なのかは俺も知ってるからよ。 まぁ、その内落ち着くさ。アリーが消えた瞬間からルークはおかしく成っちまってよ、誰が止めようとしても暴れちまって...悪りぃと思ったけど俺が殴って気絶させてそれでようやっと落ち着いたんだゼ*
*そうだったんだ。心配かけてしまって本当にごめんね*
*まぁなんだ、そう思うならこれからは無茶はしないでくれよな*
*うん、ゼスが居てくれて本当に良かった有り難う*
*おうよ、気にすんな*
最初にルークと話した時、彼は自分のせいで私がと気にしてた。
ゲートルアに着いた時もいつもそう。
この世界での彼の扱いはわたしの想像を遥かに超えるほど酷い物だったのだろう。
そこで出来た初めての家族に執着するのは当たり前な気がする。
私だけでなく、きっとゼスに何か有っても彼は壊れてしまい兼ねない程愛情に飢えてしまって居るのだろうね。
考えてみれば彼はまだ十代の青年なのだから。
見た目十代の私とは違うもの。暖かく包んであげないとだよね。
その内嫌でも心も成長して男らしく変わっていくのでしょう。
見守り続けましょう。それが今回私が犯した罪でも有るのだから。
そして次の日、私達はママ様達に別れを告げキーセントシアに飛んだ。
宮殿の執務室から宰相のネステラ様に念話で今帰ってきた事を告げた。
バタバタバタバタと足音の後ドアが開き、真っ赤な顔のリゼッタ様が抱き着いてきた。少し遅れてエドちゃんもね。
「アリー、無事だったのですね!良かった、本当に良かった」
「アーちゃん!アーちゃん!うわぁっっっっ」
「エドちゃん、ごめんね置いてきぼりになっちゃって寂しかったよね。御心配お掛けして申し訳ありませんでした。無事帰還いたしました。エドの事もすみません」
「そのような事構いません!あの後、何の話も此方には一切来ず一体どう成ったのかと...」
「実は...」わたしはこの一週間の出来事をリゼッタ様に話した。
「何て無謀な...いえ、申し訳ありません。知らなかったとは言え貴女にそこまでさせなければ成らなかったなど、詫び用も有りません。御夫君方もさぞかし心を痛められた事でしょう」
「えぇ、なので今この状態です...すみません。」
ゼスの膝の上&ルークの羽交い締め状態です...。
そして今エドちゃんまでくっつき虫
「ふふふ、御夫婦仲が宜しいのは良い事です。まだ私には解らぬ事なので羨ましくも有ります」
「ここを立つ時に私はこの地を我が祖国と決めたと申しましたが、リゼッタ様は異論ございますか?」
「その様な事有る訳ありません。あの時わたしが申した言葉は今も変わりは有りませんよ。アリー、御夫君方喜んで歓迎致します。ネステラ!」
「ハイ!アリー様。誠に勝手とは思いましたが此方の書類の場所に家を用意させて頂きました。もし気に入らない様でしたら遠慮なく仰って下さいませ」
「え〜〜〜〜!そんな事して頂かなくても!」
「気に入らなければ構いません仰ってね。取り敢えず見てきて下さい。家具などは好みも有るでしょうし、そこまではしていませんが」
「有難うございます。お言葉に甘えて行ってきます!とても楽しみです」
「また、落ち着いたらこの国について色々話を聞いて下さいねアリー」
「ハイ、勿論ですリゼッタ様。ネステラ様も有難うございました」
「いえいえ、アリー様。ようこそ我がキーセントシアに。これからも陛下共々よろしくお願い致します」
私達は宮殿を後にし、我が家に成る家へ夫達と向かった。
そこにゼスを残して、エドとルークの手を取り実家に送り届けに帰った。
「エド、また来るね」と手を振り別れ今度こそ新居へ。
いや〜想像以上にわたし好みの家でビックリしたの!
この国は鉱石と木材の産地でも有るけど、私は冷たく感じる鉱石の家だったら正直に断ろうと思ったのよ。
でも違ったの。
まるでログハウス!素敵!テンション上がる上がる!
暖かみのある木の香りがしてとっても癒される。
有り難うリゼッタ様、ネステラ様!
短期間で私の好みを把握してしまうなんて凄いよね!夫達もめちゃテンション爆上がりでしたよ。
よし!後は家具を揃えるのみ 後、馬か!私は良いけど夫達には必要ね。
楽しみだわ!
次回何となくどうでもいい話っぽくなりました。ほのぼの日常です




