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生還 希望 絆

私は周りを見渡した。皆ただ呆然と前方を見つめていた。


やはりあの程度では駄目だったんだね。


あれで決まってくれればと願っていたけれど、やっぱりそう上手くはいかないか。

わたしは夫達を見つめる。

やっぱりやるしかないよね...愛する人達を護る。

それが出来るなら試してみる価値はきっとある。

ルークが振り返る。


「アリー?何を考えてる?...辞めろ...お願いだ辞めてくれ...そんな眼で俺を見つめるな。アリー頼む...頼む..から..辞めてくれ頼むから!」


(やっぱり彼は鋭い人だと思う。長い間人の顔色を見ながら生きて来たのだろう。いえ 生きなければ成らなかったのだろう。だから今こんな時でも私の考えを理解してしまう)


「ルーク、どうした?アリー?」


私はただニコリと微笑み「ごめんね、行ってくる」そう言って『瞬間移動』


「アリーーーーーー!嫌だ、戻って来い!アリー戻れーーーー!」


「アリー?アリーえ?どこへ行きやがった?アリーーーー!」




私は一度行った場所なら飛べる。

例えそれがドレイドの中心部だとしても。


着いてすぐ『障壁』『身体強化』を掛ける。

まだ塞がり掛けの中心部に『火球』開いたところに連続で『火球』を打ち込んで行く。


「よし、開いてきた!此処からが本当の勝負!」


少しずつでも良い、下に向かって火球を打ち続ける...

魔力はともかく体力が持つかな『火球』ズズズズズ

「え?!」上が閉じ始めて来てる?


「ヤバイ、速くしないと閉じ込められたら息が出来なくなる」


(もう少し、もう少し下まで行かないとさっきと同じ...まだ、まだだよ)と自分に何度も言い聞かせる。


(クッ、邪魔しないでそんな脅しに乗らない!分かるわ!私だって愛する人達が居るもの!哀しいのはお互い様よ。怒る気持ちも分かるわ!理不尽?えぇそうねでも....でも...お願いもう少し..大切な人達を護らせて...お願いだから息もって)



『火球』大きく、大きく、大きくなって(やばい、息が持たない...苦しい...気が..遠く成ってくる..)

まだ駄目もっと、もっと大きく!お願い愛する人達を護らせて!


*ルーク、愛してる。ゼス、愛して...る..まだ..言ったこ..と無かった...ね..*


「皆んなに出逢えて良かっ...た...(ゴボッゴボゴボ)グフォ」


いっけ〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜っ!!


私は薄れて行く意識の中で想い出のネックレスを握り締めた...ゆっくりと身体が沈んでいく...


「「アリィーーーーーー!」」



ズズズズズヴァイン ゴゴゴゴゴゴゴ ドゴーーーン!

ドレイドが静かに沈んで行く。

中心部に向かって崩れ落ちる様に、触手も尖端の方から崩れて行く.....


各国からおおきな歓声が湧き上がった。 まるで歓声の地響きだ。


そしてそれはガレスティアでも....ただ、1つの家族を除いて。





あれから3日、魔の森入り口でも中程でも魔物の姿を見掛ける事はない。

中心部、そこには今でも2つの影だけがフラフラと彷徨っていた。

愛しいものの姿を探しながら。



「ルーク、ゼス!貴方達せめて食事はちゃんと取りなさい!もしアリーが帰って来た時そんな貴方達を見たらどんな風に思うか考えるのよ。探しに行くなとは言いません。でもね、やり方を間違っては駄目!アリーが私の愛しい娘なら貴方達は私の愛しい息子達なのよママを悲しませないで頂戴。バリー、この子達にお弁当でも持たせてあげて」


「わかったよ、マイレディ。お前達も聞いただろママを悲しませる事は許さないよ!わかったね」


「「....はい」」




そして、5日目の朝の事だった 。

ドンドンドン、ドンドンドン


「伝令です、どなたかおられますか?」


「どうなされましたか?」


「こちらはマリエッタ様のお宅で間違い有りませんか?」


「はい、そうですが。いったい何事でしょうか?」


「申し訳ありませんが急ぎご家族様全員宮殿までお越し願いたいとの事で御座います」


「わかりました、準備が整い次第向かいますとお伝え願えますか?」


「はい、なるべく早くお願い致します。では失礼致します!」

そう言って伝令兵は帰って行った。


「アル?一体何事?」


「王宮から直ぐに来いって伝令が来た」

急いで準備を済ませ馬車に乗り王宮まで走らせる。




王宮に着くと門の前に宰相が待っていた。

そして、控え室に通される。

しばらくすると王様と宰相そして.....アシュリー


「「「「アリー」」」」


夫達によって殺されるかと思ったよ「く、苦しい...!」抱きしめられて居るんだけどね....。「「アリー!」」


「本当にお前か?何故直ぐに...」 「アルパパ様...」


「馬鹿娘!何故黙って行った!お前は置いて行かれる夫達の気持ちも分からないのか!せめて、納得しなくとも話して行くべきだったんだぞ!...この...この馬鹿娘が!」

そう言ってルトパパ様は私を抱きしめた。


「ご...ごめんなさい、ママ様パパ様、ルーク、ゼス わぁぁっぁっぁ」


「本当に、困った娘ね...良く無事で帰って来てくれたわね...」


それからは カオスな状態に成ってたよ。


「マリエッタ殿、直ぐに知らせず済まなんだ。許せ。実はアシュリー殿が王宮に着いたのもつい昨日の夜なのだ」


中央の森でドレイドに最大級の火球を当てた後私は『瞬間移動』を唱える間も無く気を失った。それと同時に身体強化も障壁も失われて居たらしい。

そんな私の腕を掴み助け出してくれたのはあの、ロッシュさんとリンダさんだったのだ。

実はケリー君のエテは『遠耳』で私のつぶやきを聞いて居たらしい。

(そう言えばあの時のロッシュさんはケリー君のエテはかなり使えるって言ってたしね。使い用によってはかなり怖いエテでも有るからロッシュさんもそりゃ心配だったよね)

そしてその事をロッシュさんとリンダさんに伝えた。

ロッシュさんのエテが『土竜(モグラ)』な事もあり、直ぐにロッシュさんは穴を掘り、魔力が無くなるとリンダさんが受渡しながら進み私を救い出してくれたらしい。

(女性から男性に受渡出来る事もあの時に話してたしね)


彼ら親子が居なければ今わたしはこの場に居られなかった。

救い出してくれた後介抱をしてくれていたが、家族に知らせたくても何処に居るのか解らず仕方なく王宮にと言う訳だった。


そう話しては居るのだけどね、居た堪れない状態な訳で...何故なら今私はゼスの膝の上で、腰はルークにタックル状態で抱きかかえられてるから...

他の方達は仕方ないよねと言う顔で私を見ている。


「そうだったのか。ケリー親子のお陰だったんだな」

小さな声で呟くように腰を抱きながら話されてもなぁ..良い男台無しだよね。


「その、ケリー親子って誰なんだ?俺は知らねぇゾ」まぁ、そうだよね。


「あぁ、ケリーさん達はね...」

私は皆んなに旅立ちの後初めて寄った町での出来事を話して聞かせた。


「その親子だが、隣に控えさせておる。逢ってゆっくり話すが良い」

そう言って王様と宰相さんは部屋を後にし、入れ替わりでケリー君親子が入って来た。


私の家族も、ケリー君の家族も揃って沢山話をした後、改めて逢いましょうと約束して別れたの。





次回これからの事

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