キーセントシアと言う街
いよいよ後半部分に差し掛かって参りました。
誤字報告ありがとうございました!
しばらくして落ち着いて来た頃、駆け寄って来た宰相が女王陛下の顔色、手の温かさなどを確認し「こ、これは、なんと...」と言い驚いていた。
女王陛下が私の話を聞いてくれると言う事に成り、ゼスも無事解放された。
そして今私達は執務室に通されている。
「まずは、礼を言う有難うアシュリー殿。今までの無礼の数々許されよ」そう言って宰相さんは頭を下げてくれた。
「いえ、無礼をしたのはこちらが先ですから。ただ、普通に言っても信じてもらえそうも無い事なのであの様に強引に。本当に申し訳有りません」
「ところでアシュリー、わたくしに話したい事とは?」
「はい、この街に入ってわかった事。それは、このまま改善されなければこの先誰も長くは生きられないだろうと言う事です」
「それは、解っているのだ。でも、どうして良いのかそれが解らぬのじゃ」
「もしかするとなのですが、後ろに有る山から吹き下ろす風が街から立ち昇る煤や煙を街の中に押し戻して居るのでは無いかと思うのです。そして、逃げ場のないそれらは全て街を囲む壁や門で又押し戻される。その結果街に溜まってしまうのではと。失礼ながら街を囲むあの壁や門は古くから有る物ですか?」
「アシュリー、その様に畏まらずとも、もう良い。私も普通に貴女と話しましょう。あの門も壁も私の母の代に造られたもので、それまでは無かったはずだと」
「はい、陛下 。魔物が大挙して襲って来る事が増え、案じた先の女王陛下が街を守る為に造られたと聞いております」
「陛下」
「ふふ、リゼッタで良い わたしもアリーと呼ぼう」
「はいわかりました。リゼッタ様。ではそれまでの女王陛下方にリゼッタ様と同じような症状が有った方々はいらっしゃいましたか?」
「私の知る限りその様な方々は余りおられなかった様に思うが。どうじゃ?ネステラ」
「はい、私もその様な方々がいらっしゃったとは聞き覚え御座いません。ただ、他国に比べて我が国の女王陛下の存命期間は確かに短いかと」
(宰相さんの名前はネステラさんと言うのね)
「だとしたら、やはり取り敢えず門と壁をもう少し低くするか壁と街の距離を離すとか考えた方がいいのでは無いでしょうか?でも、それは一時的な方法だとは思います」
「何故一時的なのか?」確かにリゼッタ様は疑問に思うだろうな。
「この街も、いつかは人口も増えれば職も増え、家も増えます。その度に門や壁を遠くに離しても...」
「そうだな、根本的には何も解決していないな」
「んじゃぁよ、どうすれば良いんだ?」
「職人街と住宅街を分けるとか、門、壁を低くするとか 考えられそうな事全て試してみるしか無いよね。出来ればなるべく山から離れた場所に街を移動するのも良いとは思うけど。そもそも魔物の襲撃の為に造られたって言ってましたが、そんなに頻繁に?」
「いえ、わたくしが知っているのは一度程なのじゃが、母上は目の前の惨劇のせいでとても恐れを抱く様になり、年毎にどんどん壁を高くして行ったとか」
(なるほど、臆病に成って仕舞ったのね。でも女王として民を守る為となれば仕方無い事なのかもしれないね)
「取り敢えず、私達が魔物の森の調査をしてきます。その間に色々考えてみて頂けますか?職人街と、住宅街の区別など」
「わかりました。大臣とも話し合い出来るだけ早急に取り掛かる様にすると約束しましょう。ネステラ直ぐに大臣達に招集を!急ぎ取り掛かるのじゃ!」
「はい、陛下!」
「では、私達は1度宿に戻り準備が済み次第、明日にでも向かいます」
「ありがとう、アリー。そして夫君方。頼り切る様な形になり申し訳ないがよろしく頼みますよ。じゃが気を付けて」
「私からも礼を言わせて頂きます。女王陛下をお助けくださり誠にありがとう御座いましたアシュリー殿」
そして、私達は宿に戻った...うん!拡声の範囲どうにかしないとね。
帰ると宿の前に人が集り、女王陛下に何をしたんだ!と怒鳴る人も居て怖いよ。
慌てて『瞬間移動』で、城に戻りリゼッタ様に『拡声』した後、皆さんに向けて事の次第を話してもらったよ 。 ふぅ。
その夜私達は魔の森のどこまで行けるか試しながら進む事や、その周りの状況を調査する事にし、それと同時に他にも何か方法は無いかなどを話し合ったが、結論にまで達する事はなく、それぞれの部屋に帰って休む事にした。
その夜、何故か夢の中にルトパパ様が出て来た。
そう言えばリゼッタ様はルトパパ様に何処か似ている気がする。気のせいかな?
次の朝私達は朝食を済ませ、屋台でお弁当を購入し門へ向かった。
街の人達は昨日と打って変わって親しみを込めて挨拶してくれたよ。
馬借りに行き馬を借りた。(まだ、この街から森に行った事が無いから『瞬間移動』出来ないからね)ルークも本当にうまく成ったよね、馬だけに...。
森の入り口近くに馬を繋ぐと、この時点でルークとゼスに『身体強化』を掛けておく。
勿論ルークには魔力を満タンになるまで渡しておくよ。
ルークは、剣に青い炎を纏らせて逆手に持ち直す。これが彼のいつもの持ち方だ。その方が何かと走りやすいらしい。
ゼスは、いつでも盾が出せる様に構えている。
私の夫達は本当に素敵だと思う。幸せだなぁ。
さてさて何が出て来ますかね、気を引き締めて参りましょうか。
次回魔の森の奥地




