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手綱を握るのは、私です

いよいよ持ってヘタレてますなぁ…

皆様付いて来れますか? 私は心配です。


家の中は何も変わっておらず私が旅立ったときのままだった。


ただ違うのは、すっかり家族に馴染んでるルークの笑顔...そう、笑顔。

不思議だな、このふた月近くの間に何が有ったのだろう?

会話の中でもそれは感じられた。今は昼


「ルーク、お皿そこねアリーの分も並べて置いて!」


「わかりました」


「ルーちゃん、後でまた遊んでね」


「うん、あとでな」


「ルーク、さっきここに置いた書類見なかったか?」


「それなら、アルフレットさんの部屋に置きました」


「ルークぅ 刺繍針に糸が通らないのぉ」


「あっはい 俺がやります」


「ルーク、ブーツを磨くのはこの布でやって置け」


「はい、リードルトさん」


な、なんだ これ。馴染んでる...なんだ?

「あの〜」


「「「「「なんだ?」に?」」」」


「いえ、なんでも無いです...」 我が家なんだけど、我が家じゃ無い感。


昼食を取りながら今迄の旅の事、やらかした事を話した。


「成る程ねぇ、良いんじゃなぁい?」


「いいの?」


「良いわよ、だって馬鹿なんだもの。されて当然の事しでかしたんだしぃ。アリーは後片付けまでしたんでしょ〜 なら良いわよぉ〜 。で、ゼスさんてどんな人ぉ?」


やっぱり喰い付くのはそこかい、いつものママ様だね!


「えっと、プロポーズ?されました」 ガタッ わっビックリした!

ルークが椅子を倒して立ち上がってる。


「うんうん、ルークまぁ座ろうか」


「....はい」


「あらあら、まぁまぁ、で?なんてお返事したのぉ?」


「お受けしました」 バン! テーブルに手をついて立ち上がり去ろうとするルークの手をルトパパ様が掴んで止めた。


「ルーク、最後まで聞け」 ゆっくりとルークが座り直す。

意を決した様に顔を上げて私を見つめるルーク。

その瞳には懇願の色が見て取れた。


「で、アリーはそのゼスさんを愛しているのかな?」


「はい、ゼスさんが攫われて気が付きました」

ルークは唇を噛み締めていたが、その顔が次第に下がっていく...。


「でも、同じように私はルークも愛してます。この気持ちは可笑しいのですか?ママ様、ママ様はパパ様たちを同じように愛してるのでしょう?」

見る間にルークの瞳から涙がこぼれ落ちていく....。


「そうね、ママもパパ達と結婚するまでとても悩んだわ。ママはパパ達を等しく愛してたけど、パパ達はお互いに納得し合えるのかしらって。でも、今アリーはパパ達を見てどう感じる?わたしは今とても幸せよ」


「アリー、お、俺は アリーさえ側に居てくれるならそれで良い。ゼスさんの事も知ってる 良い人だと言う事も。その事でアリーが悩む必要は無い。ただ、俺が 、俺がアリーの側に居たいだけなんだ。アリーを愛してるだけなんだ。だから俺もアリーの側に居させてくれ、もう離れたく無い....」


「あらまぁ、アリーは幸せねぇママ嬉しいわぁ。一遍に2人も息子が出来るのねぇ。どうしましょうねぇ アリー、この世界の男の人達はとても愛情深いのよぉ

悪く言えば執着ねぇ 女は幸せよねぇ パパ達も結構執着愛強いのよぉ〜覚悟しなさいねぇアリー」


「ママ様、許してくれるの?」


「許すも、許さないも無いわぁ貴女の人生ですもの。それに貴女はもう旅立ちを迎え成人した女性なのよぉ〜貴女を愛して守ると言ってくれた人が出来たのならママもパパも安心でしょ。そ・れ・に、パパ達には文句は言わせないわぁねぇパパ達?」 「「「ハイ」」」

(そうだった、やっぱり我が家はカカァ天下なのね!あのルトパパ様でさえママ様の一言で....借りてきた猫になるのだもの)


「アリー貴女も結婚したら一家の中心になるのよぉ〜。しっかり夫達の手綱は握らないとダメよぉ」


「は、ハハ、はい!」


「で?いつゼスさんに逢わせてくれるのかしらぁ?」(ニヤリ)


「ヒッ、あ、今、今すぐ連れてきます!」


「あら、そおぉ 待ってるわぁ」 一度ルークを見ると声に出しては居ないけど唇が(待ってる)と動いてた。


私は一度頷くと『瞬間移動』でロスタリアの宿、私の部屋に飛んだ。


ワァオ!そこには部屋のテーブルに突っ伏して座ってるいるゼスさんが居た。(生きてるよね?)


「ゼスさん?」


バッ!「アリー?」


「ただいまでは無いのですけど、私と一緒に実家に行って貰えますか?」


「え?は?ま、待て待て、気持ちの整理が」 (乙女か!)


「取り敢えず掻い摘んで話すと、ルークも、家族も承知してくれてゼスさんに今すぐ逢いたいという事なので一緒に行きましょう!」


「は?ちょっと待てせめて着替えとかシャワーとか色々準備が!」(だから乙女か!)


「そのままで大丈夫です、充分に小綺麗ですから早く手を握って!うだうだ言わない!黙ってついて来い!」


「はい!」

(これか!これなのか!ママ様が言ってた手綱を握れとは、この世界の男は女に弱い!)


「行きますよ!『瞬間移動』」


今まで俺様なのかと思っていたゼスさんとルーク、まさかの....

もう、開き直って引っ張って行くしか無いよね!!


悩んでいた私の乙女心より男達の方が乙女だった件について....




次回急展開!

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