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愛すべき人達 決意の先

ワンコが2人、いや、ワンコとクマさんかな?

アリーは上手く調教できるのか!

街の宿屋に着くと入り口近くにまで沢山の人が来てくれて居た。


中には愛する人を私みたいに奪われた女性も居て、泣きながら手を握って来る。

さっき右側の宮殿から逃げ出した人の中にその彼が居たらしく、彼女の元に帰って来てくれたんだって。

もう、絶対に彼を奪わせないって...。


他には大事にしていたお母さんの形見のオルゴールを、ただ綺麗と言うだけ取り上げられたって女の子も居た。 おい!それって絶対やっちゃ駄目なやつだろ...。

後日にでも返すように言っておこう!

どこまで人騒がせな女王様だったのか。

あれで懲りてくれたら良いのだけれど...。


人が大切にしているものの価値はその人の物。

他の人から見たら大した物では無くても、それは何よりもかけがいの無い唯一なのだから。

簡単に奪っては駄目なんだよ。大切な物は自分で造らないと……。


物であってもそれなのだから人に至っては如何許りだろう....。

そう思える人達に出逢えた幸せは、もう 私の唯一だ。

ある程度騒ぎが収まって来た頃、私達はそれぞれの部屋に戻った。




夕刻 コンコン♪


「はい、どうぞ」


「あ〜入るゼ」


「もう、入ってますよね」


「あ!まぁ、そうだな」頭を掻きながらそう言ってるゼスさんの声に覇気は無いね。


「私も少し話したい事が有ったので丁度良かったです」


「おう」

あ、ゼスさんの顔色が変わったね。


「私一度ガレスティアの実家に明日帰って来ますね。そしてちゃんと話し合って来ます」


「戻って来るよな?」


「戻って来ますよ。ゼスさんの元にちゃんと。ただ、自分の心にケジメを付けないとこのままだとゼスさんとも向き合えないと思うんです。酷いですか?勝手な話ですみません」


「いや、はっきり言って貰って助かるゼ 。ただ、俺はアリーがどんな答えを持って来ようが離す気はもうねぇし、ルークが俺だと納得しねぇと言うなら納得して貰えるまで言葉ででも拳でも、話し合うつもりだゼ」


「流石に拳だと、ルークの方が武が悪いかと。ってゼスさん!まだルークの気持ちも聞いてないと言うか、これから聞きに行く段階ですからね。振られる事も有るんですから」


《アリーは、振られると思ってんのかよ。あのルークがお前と旅してて嫌いに成れる要素なんかねぇだろうがよ。不安なのは良い年したこのオッちゃんだゼ。だがよ、俺はもう譲る気なんかねぇからよ》

「明日は大人しく部屋で待ってるさ、アリーが帰ってくんのをよ」


「はい、待ってて下さいね。必ず戻って来ますから」


「おう」


そう言ってゼスさんは自分の部屋に帰って行った。


これからどうなるんだろう。

一妻多夫推奨のこの世界で夫は1人で良い。多夫など無理だと思ってた。

まだ決まった訳では無いけど、二人を同じように愛する事が私に出来るのだろうか? パパ様ズの様にお互いに夫達は仲良く出来るものなのだろうか?もし逆の立場だったら私は認められたのだろうか?


多分無理だ。

ほかの女性達と夫を分かち合う事など...

なら何故、夫達にはそれが出来るのだろうか。そこに嫉妬は無いのだろうか?

考えれば考える程ドツボにハマってしまいそうだ...。

考えても私では答えは出そうにも無い。

ママ様、貴女はこんな風に悩んだりしなかったのですか?





次の朝いつもの様に階下に降りゼスさんと朝食をたべる。

周りで食べてる人達が挨拶をくれる様に成ったのは嬉しい。


ゼスさんと、部屋に戻り行って来ますとゼスさんに告げると、少し考えてからゼスさんの頬にキスをした。

そして留守の事お願いしますと一言いって笑顔で『瞬間移動』視界が歪む...。





ここはもう懐かしいと感じる様になった実家の玄関前。

少し進み玄関を叩こうとしたら、いきなり誰かに後ろから抱きつかれた!


「え?!」


「アリー、お帰り」


「その声は...ルーク?」


「あぁ」


正直ビックリした。

あのルークがわたしに抱きついて来るなんて思っても居なかった事だから。


「良く私が帰って来たと解ったね」


「あぁ」


「ルーク?どうしたの?何か有った?」


「いや、少しこのままで」


「べつに良いけど、いつものルークらしく無いからちょっとビックリした」


「そのまま聞いてアリー」


「うん、わかった」


「俺今までアリーの側に居られるなら、そばで守れるならそれで良い。そう思ってた。だけど、リードルトさんからお前は自己評価が低すぎる。このままだと安心してアリーを任せられないと言われて、俺...思わずリードルトさんに俺を強くして欲しいって頼んだ。俺頑張ったよ。昨日やっとリードルトさんから許しが貰えた。そしたら今、目の前にアリーが来た」


「ルーク、私の為に頑張ってくれてたんだ...ありがとう」


「アリー、俺 ...もうただ護るだけは嫌だ。アリーが居なくなるのはもっと嫌だ。アリー 俺、俺 アリーが好きだ。ズッと側で君を護りたい。お願いだアリー俺に護らせてくれ!」


「ルーク...わたし」


「は〜い、玄関先で何してるのぉ?家の中でも難しい話かも知れないけどぉ。パパ達の目も有る事だしぃ?でも今は朝よぉ〜 お家に入りなさぁ〜い」


うほ!ママ様にしっかり見られた〜!


「ルーク、と、取り敢えず家の中に入ろう...」


「あぁ」


家の中では生暖かい視線が出迎えてくれていたよ...居た堪れないです。


「あ〜え〜と、ただいま?」


「「「「「おかえり」」」」」


「ふふふ 、ただいま〜〜〜!一時的ですが 帰ってきました!」




次回家族会議

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