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さらわれたオッちゃん

アリーがいつにも無くお怒りの様でお〜怖っ 女性は怒らせてはいけないんですよ!

何も言わずに去るなんてそんな無責任な事をする筈はない (探さなきゃ...)

きっと何か有ったに違いない。

だとしたらまずは昨日行ったであろう酒場を探さないと...。

何処かで怪我したり倒れてたりしなければ良いけれど...。


何故だろう胸がざわざわして落ち着かない、早く見つけないと。

1軒目、空振り来てないらしい、2軒目ここも駄目、3軒目、顔は出したらしいが混んでたため他に行くと言ったらしい そして4軒目。


「えぇいらっしゃいましたよ。多分お探しの方だと思いますが1杯奢って貰った後酔われたらしく、お連れ様達に脇を抱えられながらですが帰られましたよ」


バーテンさんの話だと先にゼスさんは1人で呑んで居たらしい。けれども後から来た2人組の男の人と話した後、どうやら奢って貰ったらしい。しばらくすると男の人の1人が、どうやら酔ったらしいから宿まで送ると言ってお金をゼスさんの分も払っていったと言う事だった。


でも実際帰って来ては居ない。と言う事は、その2人に連れ去られた?

あのお酒に強いゼスさんがそんな簡単に酔う筈は無いだろうし、薬でも盛られたのかもしれない。

私の心臓は早鐘の様に鳴っていた。


探さなきゃ...そう、その時に浮かんだのが昨日の女王のあの顔 だ。

私のオバちゃんの❮感❯がそう告げている。許さない!

もう、あの時のような思いはしたくない。

今度はママ様に許可は貰ってる!やられたらやり返せと!

やってやろうじゃないの!中身足したら63歳舐めんなよ!あんたは私の多分2分の1位しか生きて居ないんだろうからね!

こちらとら少なくとも一回は死んでるんだからね!気概が違う。



まずは王宮謁見の間控え室に『瞬間移動』して『調査』。

この宮殿はまるで日本の学校の様な作りだ。

白壁の5階建、彫刻で飾られた横長建物で、正面から入り左右に分かれている。校長室なら1階とかに有りそうだけど、女王の部屋が1階と言うことは無いだろう...。

『調査』で人の動きを観ていると8人位がゾロゾロ歩いてるのがわかった。

多分これが女王御一行だね。

もし私が部屋を貰うとしたら陽当たりの良い角部屋だ。

だとしたら、5階建最上階の左右どちらかの角。朝日を望むなら...右。


私は 『止まれ』を掛ける。15分しか保たないから、3階控え室から走る。5階に有るであろう女王の部屋に。

闇雲に探しても見つからないだろう。ならば女王の部屋に行き何か情報を得ようと思ったの。


ビンゴ!


女王の部屋に入った私は、見渡したけど隠れられそうな場所は....。

で、今ベットの下(どうでも良いけどね、綺麗好きな割にはベットの下もちゃんと掃除しようよ...埃が半端ねぇ〜)


夕刻に成り女王御一行様が部屋に来て、兵士らしい2人が部屋の前で待機し、残り4人のメイドさんに着替えを手伝わせながら、宰相らしいおばさんと話している。


「ねぇトリエノール彼はどう?承知してくれたかしら?」


「それが、未だ首を縦には振りません」


「この私が、6番目の夫に迎えてあげると言ってるのに拒むの?ねぇトリエノール貴女ちゃんと話したの?」


「はい、勿論でございます。この国一番の美貌の持ち主であらせられる陛下がお召しだと言うのに、何の不満があると言うのか」


「そうよね〜この私が望んであげてるのですもの。拒むなど有ってはならないわよね、あ!そうよきっと恥ずかしいのだわ。女の私から言わせてしまったから」


「そうかも知れませんね、ではあの者から言えるように致しましょう」


「そうね、それが良いわ。でもね御顔も、お身体も傷を付けては駄目よ。折角美しい男なのですもの綺麗なまま愛でたいわ」


「畏まりました。我が女王陛下」

そう言って宰相のトリエノールさんは出て行った。


「ふふ、なるべく早くね 楽しみだわ」


(そんな日は金輪際こねぇよ! あ、やばっゼスさんの言い方写っちゃったよ)

『調査』を発動して宰相の動きを探る。

何処で止まるのか...きっとそこにゼスさんは居るはず。


トリエノールさんはどんどん階下に降りて行くと、2階の丁度女王の部屋の下辺りで止まった。それを確認して私は『止まれ』を発動する。

走って2階の目指す部屋へ...居た!ゼスさん!


私が部屋に入った時トリエノールさんに何か話し掛けられてる状態で、ゼスさんはベットに腰掛け俯いて居た。私はゼスさんの手を取り控えの間に『瞬間移動』する。

このまま引き下がってもきっとあの女王は又何か仕掛けて来るだろうし、何よりも私自身の腹腸が煮え繰り返りそうだった。ヤバイな...これって間違い無いよね。ルークが囚われた時とおんなじ気持ち。


もう、誤魔化せないか...夫は1人で良いと思ってたんだけどなぁ。

ルークにはまだ何も言ってないけれど、同じ様に愛せるものなのかもしれない...。この世界にしっかり根付いて、染まってしまったのかなぁ。

あ!いや〜ルークは私の事好きとは限らないじゃん。なに考えてるんだか。

ガレスティアの実家に帰ったらちゃんとルークにも気持ちを伝えよう。そしてゼスさんの事も。


『止まれ』が解けていく...。


「ゼスさん、迎えに来ました。でもガレスティアに帰る前に女王と決着つけますので側に居てくれますか?」


「アリー?本物のアリーか?何故助けになんて来た?何か有ったら構わず俺を見捨てろと言っただろ!」


「見捨てませんよ。見捨てられません。ゼスさんはわたしの大切な人ですから。今そう決めましたから。生涯誰にも渡しません。だから側を離れたら嫌です!」


「アリー...本当に?」


「はい、本当です。もう嫌と言っても逃しませんからね。お覚悟を!」


「あぁ、覚悟はとっくに出来てるゼ。そう、とっくにな。アシュリー!」

そう呟くとゼスさんは俯き何度も何度もうなずいていた。


覚悟を決めないといけなかったのはどうやら私の方だったのかもしれない...。





次回アリー大暴れ

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