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おっ魚、おっ魚!

何故かルークとの旅よりゼスさんとの旅を書くほうが楽しい今日此の頃……

町を出て道沿いに歩いていると、急にゼスさんの足が止まり周囲を見回している。


「?どうしたんですか、ゼスさん」


「ん、いやぁ何だか解んねぇんだが、俺の感が警戒しろと言ってるんだよなぁ」


「分かりました、『調査』の魔法を貼りますからこちらに」

(これは、ゼスさんと訓練してる時に出来るように成ったんだ)


「おうよ」


「『調査』!」わたしの周りに大きな輪が広がっていく...まるで池に石ころを投げ入れた時みたいに。すると、森側ではなく海側から何かが数体こちらに向かってやってくる 1、2、3....。

「ゼスさん、海側から何かやって来ます合計6体です」


「海側だと?! アリー前の町に飛べ!一応警戒してもらうぞ」


「はい、ゼスさん手を」


「いや、俺は此処で確かめる。さっさと行けアリー!」


「で、でも。ウッ、わ、わかりました行きます」私はそう言って『瞬間移動』し町近くに飛ぶと、その足でギルドに駆け込んだ。 (待ってて下さいゼスさん、直ぐに戻りますから)


《へへへ、アリー えれぇぞ。訓練で俺の言った事をちゃんと解ったな。さてと 何がやって来るんだ?団体さんでヨォ》


ギルドに入りさっきの事を伝えると、ギルドの人達は直ぐに緊急体制に入ってくれた。

私は信じて貰えるか、信じて貰えなかったらどうすれば良いのだろうかと色々考えて居たのだけどそれはどうやら杞憂だった様だ。

今迄桁違いの魔物を倒してきてた私とゼスさんの言うことを、疑う人達はもうこの町には居なかった。


私はすぐにゼスさんの元に戻ることを伝え、町の外に飛び出すと『瞬間移動』で戻る。

そこではゼスさんが大きな盾を出し飛魚の様な姿をした8mは有りそうな魚達を抑えているのが見えた。

私は暫し呆然とその光景に魅入っていた...。「す、凄い」


ここまで大きな盾は、初めて見せて貰った。

縦横20mは有りそうな半透明な盾が、魚達の行く手を阻んでいる。

そしてそんな盾を出しているゼスさんが笑顔なのが一番凄い。


私はゼスさんに駆け寄り「町への報告して来ました。迎撃に入ります!」と告げた。


「おう、頼むゼ思いっきり焼き魚にしてやれや!」


「はい!『雷雨』!」

(私は頭の中で魚に雷の雨を降らしてる様子を想像し手を上から下げ降ろした。 私の魔法は想像魔法だからまぁ『雷雨』とか恥ずかしい名前で叫んでるけど、その事に意味はないんだよね。叫ぶことで気合を入れて周りに何をするのか教えてるだけだからね。『癒し』にしても頭で考えるだけだし。言葉は関係なかったよ)


ズドドドド!!!端から長く細い金色の雨が魚達を貫抜き地面に突き刺さって行く。 地面に落ちた魚達はピクピクと尾を跳ねさせていたが、次第に動かなく成った。


「しかし、アリーよぉ。お前の魔法はえげつねぇなぁ、見てるこっちが痛くなるゼ」


「何言ってるんですかゼスさんの盾だって物凄いじゃ無いですか。初めてあんなにも大きな盾を見ました!それにしても...うわぁゼスさん!この魚達は食べられますかね? ハァ〜美味しそうだぁ〜!」


「グッハッハハハハハお前はそんなにこれが食いてぇのかよ。よっしゃ町の奴らに言って今日は嫌って程食おうゼ 。なぁアリー!」


「はい!おっ魚 おっ魚!今日は嬉しいおっ魚!」


そんな私の頭をグリグリ撫でながら ゼスさんもご機嫌だ。

町の人達も最初はおっかなびっくりだったけど、もう動かないと分かると喜んで町の中へ運んで行った。

今日は町を上げてのお魚パーティ。

町の人全員参加で飲めや歌えの大騒ぎだ!

次の日は町のあちこちで頭痛てぇー、ぎぼじわりぃー 、の大合唱だった。


ゼスさんも多分に漏れず頭いてぇと、言ってたので 『癒し』してあげたよ。


町の人達には悪いけどそのまま耐えて貰うね。ごめんね。


今回の事が有ったからか、町の人達の私達に対する態度がかわった。

皆んな笑顔で挨拶を返してくれて、どの店に入っても歓迎してくれた。





そして次の日改めて私達は北の国ロスタリアへ向かう事にした。

しばらくするとゼスさんが指を差し「おい、アリーあれが東と北の間の国境線だゼ」と。


よく見ると海側の端から魔の森まで1m程の高さのまるで地球のコキアの様な可愛らしい木が植わっていた。


「お〜ゼスさん、東と南の国境線は何か石がゴロゴロ置いてあるだけだったのに、此処は違うんですね」


「北はな、冬が長げぇんだ。石程度じゃ雪に埋もれて解らなく何だろぉ。だからこうして寒くても枯れない木でわかる様にしてる。しかもよ、春、夏、秋とこいつは様々に色を変えるんだ。そりゃぁ綺麗だゼ。ロスタリアの女王は綺麗な物好きらしくて色々集めては溜め込んでるって話だ。まぁオッちゃんは会った事もねぇけどよ」


「そうなんですね、溜め込むって聞いた時点で何か物凄く嫌な予感がしますけど。大丈夫かなぁ」





ロスタリアの国境を越え2日目の夜、いつもの様にテントで食事をしながらわたしの家族の話に成った。


「そう言えば家族の話は今迄ちゃんと話した事は無かったですね。私のママ様はマリエッタって言います。で、パパ様達は...」


「お、おい、おいちょ、ちょっと待て。今マリエッタって言ったか?」


「?はい」


「おれの知ってるマリエッタっていやぁ ...いやでもま、まさかなぁ 。ハ、ハハハ まさかとは思うが父ちゃんの名前はリードルトとか言わねぇよな?」


「え?知ってるんですか?パパ様の事」あ、あれ、急にゼスさんの顔が青くなったよ!


「んが〜ヤベェ、やっちまった殺されるゼ」と、頭を抱えてテーブルに突っ伏したゼスさん。


「え!何でですか?誰に? 何処に敵が?」 (キョロキョロ)


「ち、ちげぇよ。アリーの父ちゃんに俺がだよ!」


「えー!何でですかぁ!何したんですかー!」


「大事な娘に何しやがんだごるぁーってよぉ。 俺ぁ生きて居られるかなぁ...」


何で?どして? 意味わからん!




次回家族の秘密です。

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