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良い奴?悪い奴?

主人公癒されるの巻!

ゼスタークさんはとても明るい人で門番さんとも仲が良いらしく、少し話してから手を振り私の方に向かって走って来た。


「待たせたな、さぁ行こうゼ。ロスタリアで良かったんだよな?」


「はい。ゼスタークさんは行った事が有るんですか?」


「有るゼ。何回かな。夏でも結構涼しい国で冬はお勧めしねぇなぁ 特に女の子は腰を冷やしたらいけねぇからな」


「ゼスタークさん、それ私を思って言ってくれてるのか揶揄って言ってるのかどっちです?それによっては引き返します」


「へ?何か気に障るような事言っちまったか?すまねぇ。俺は良く一言多いってサフランにも言われるんだが自分では何が悪いのか良くわかんねーんだ。気に障ったんならすまねぇ」

(悪気は無いんだ。女性の心がイマイチ解らないって感じの人なのね)


「いえ、悪気で無いのなら良いんです」 横のゼスタークさんを見上げれば

(何これ、大きな熊がショボくれてるメチャ可愛いんだけど...。ルークもしょっ中しょぼーんなワンコに成るけれど、ゼスタークさんの熊さんはゴツくて強そうな人だからか破壊力凄い。こんな人なのぉ?)


「あ、あの、すみません言い過ぎました?何もそこまで落ち込まなくても良いかと...」


「まだ、門出てたいして経ってもいねぇのに俺は解雇かと思ったら情けなくてヨォ。 嬢ちゃんにすまねぇだろ...」


「ブッ 、フフ 、ククク、ゼスタークさんって本当に良い人なんですね。私今ので余計に安心しました。改めてゼスタークさんこれからの長旅よろしくお願いしますね。それから私の事はアリーで良いですから」


「ホワァー、わかったゼ 。お、俺の事はゼスで良いからこれからはそう呼んでくれ」


「はい、ゼスさん 楽しい旅に成ると良いですね」(ニコリ)


「そうだな。さんも要らねぇけど、そう成るように頑張るゼ」


「でも、年上の人にいきなり呼び捨ては...なので」


その日は、結構歩いた。私も旅に慣れ始めて体力が付いて来たのかな?

夕食の準備をしながらお互いの事を話し合ったよ。

ゼスさんも、私が何も言わなくても獲物を捌いたりしてくれる。

それを私が調理し始めると驚いてた。

普通は男が全てしているらしい。

女は出来るのを待っていて、後は食べるだけ。

いや、私は自分で味付けもやりたいよ。なんせ中身オバちゃんだし。何もしないで待ってるのは申し訳なくてお尻がムズムズしちゃうからね!


これからもさせて欲しいと言うと いい笑顔で頷いてくれた。

あ!捌くのはお願いしますよ。


もう、南の女王も私の力についてはある程度わかっているかも知れない。

牢の鍵捻じ曲げたし、ルークを繋いでた鎖は引きちぎったし...牢から突如消えちゃったしね。

ママ様いわくもう隠す必要無い。やりたい様にやれと言われた。

何かして来たらドンドンやり返せと。

ママ様後半もう、面倒に成ったんだろうな。そう言う性格だものねママ様って。

なのでゼスさんにも私について話す事にした。


まぁ反応はルークの時と変わらんね。

そう成るわなぁ。でも、ルークと違うのは


「そうか、過ぎたる力を持つのは辛い時も有るが、それはアリーの財産でも有る。使い方さえ間違わなきゃ良いんだよ」 と。


(やっぱりオジサンは言う事違うね 重みが有るよ 第一印象最悪だったけど。街での仁王立ち日向ぼっことかね。考えてみれば最初からこの人との出会いも運命なのかもしれないね)


私のことを話した後ゼスさんは少し考えてから自分の事を話し始めた。


「俺はよ、エテを二つ持ってるんだ」


「二つ?それは珍しい事なんですか?」


「あぁ、二つの奴はたまに居るゼ。だがよその二つ目がなぁ。今まで同じようなエテを持った奴には会った事はねぇなぁ。一つ目はタンクだ、これはアリーも知ってるよな?」


「はい、盾ですよね?」


「あぁ、俺のはかてぇぞ。魔力量多いからな。前にな、この街に住んでいた奴ですげぇタンク持ちが居たんだがその人と変わらねぇ位はあると思うゼ。量だけはなぁ。ただ、デカさはまだまだ勝てそうもねぇな。それでよ、二つ目なんだが...」


(そんなに凄い事なのかな?額に汗かくほど言い辛いの??)


「アリーこれを見ても引かないでくれよ。嫌わないでくれ。頼むゼ」

そう言った彼は 、次の瞬間じぶんの大きなリュックからその子達を取り出した。


「はわぁ...カッコイイ!素敵!やばイィ!触りたいぃ」


目の前にまるで生きてるかの様に精密な動物の可愛いヌイグルミ達を広げていたのだ。


「アリー?俺が気持ち悪くねぇか?大丈夫か?」


「はいぃー大丈夫です。と言うかゼスさん!近くで見ても良いですかぁーーー!」


「へっ!あ!あぁどうぞ?」


「凄いです!はぁ〜見事ですぅ〜癒される〜ゼスさん、こんな素敵な特技が有るんですね〜細工も細かいですね」


「おっおう、俺もこれを見せたのは3回目だ。前はドン引きされたしよぉ。でっかいオッちゃんがチマチマとこんなもん縫ってるトコなんか見てても気持ち悪りぃだろう?だから、あれから誰にも見せた事ぁ無かったんだゼ」


「何だか素敵ですね...よく出来てます...」


「ただなぁ、これは縫うのに魔力量を結構使うんだわぁ 。だからせいぜい保っても1時間が良いところだなぁって訳で 、片付けるからちと離してくれ」と言いながらその子達をまたリュックに戻し始めた。

いつも持ち歩いてるのかな?あの大きなリュックはあの子達のお家なんだね。


「ゼスさん、私は裁縫が全然出来ないのである意味尊敬します!」


「そんな事言われたのは初めてだゼ。てっきり引かれると思ったし気味悪がられても仕方ねぇと思ったゼ?」


「そんな事ないですよ、家でも第1夫のパパ様は裁縫が得意ですし、第2夫のパパ様は料理が得意なんですよ。それにもし今度縫う時に魔力欲しいなら幾らでもお渡しできますよ!」


「はぁ?どう言う事だ?そんな事したらぶっ倒れちまうだろうがよ!」


「あ〜大丈夫です。私魔力量∞なので枯渇しませんから〜 。あ!でもこのままだと危ない子には成りそうなので 、この子もお返しします」

可愛いなぁこの熊さん。欲しいなぁ....。


「いやいや、どう言う事だ?そんな奴聞いた事ねぇぞ!」


「何故か私は魔力も、魔力量も人離れしてるんです。えっと驚くのは仕方ないと思うんですが 気持ち悪いですか?」


まぁそこはルークと同じ反応ですねしかたないです!




次回あんた誰?です

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