よろしく新しいパートナー
今ではもう懐かしい人物が出て来ました。皆さん覚えてるでしょうか?
ママ様が言った通り私達はロスタリアに向かう事にした。
2人してもう一度やり直そうと。
そんな2人に次の日ルトパパ様が、少しルークと話したいと言い彼を連れて外に出て行った。
(これってあれかな?俺の娘が欲しいなら一発殴らせろ!とか。んな訳無いね 付き合っても居ないんだから 悲しい)
しばらくして戻って来たルークはうつむきながら黙って考えている。
朝食の席でルトパパ様が「アリー次のロスタリアにはお前は他の借り人と行け」と...。
「え?急に何故?」
「ルークはお父さんが預かる。良いかアリー、お前もルークもお互いに納得しようとしただけだ。そんな二人をこのまま旅に行かせる事は出来ない。時に離れる事も大事なのだと俺は思う。特に今のルークはな。俺はこの先も離れろとは言わん。だが、お互い次に逢う時 もう少し成長して居ると信じる。二人旅はそれからだ。キーセントシアに行く前にルークを迎えに来い。それまでお父さんがルークを預かる。否は受け付けん」
(あ!これは何を言っても聞いてもらえないやつだ。ルトパパ様は普段何も言わない無口な人だけど、こう言った時は何を言っても無理。パパ様がこう話すという事はきっとルークも納得したのだろうな。それなら私はパパ様とルークを信じて従うのみ)
「わかりました。ルークをお願いしますパパ様。私頑張ってきます」
ルークを見ても目を合わせてくれないのは寂しいけれど、私もきっと離れがたくなるからこれで良いんだと自分を無理やり納得させた。
その日のうちにもう旅立てと言われた。
ルークにも逢う事は許されなかった。
「アリー、ママは、この事に関して口出しは出来ないわぁ。でもね、きっとルトは貴女の為を考えての事だと思うのぉ。それだけはわかってねぇ。口下手でどうしようもない人だけど、貴女が産まれた時、まるで壊れ物を扱う様に大事に抱き締めて泣いて喜んだルトをママは今でもはっきりと覚えてる。貴女の事をとても大事に思ってるパパなんだからぁ」
「ママ様...大丈夫ですちゃんとわかってますから。ルークの事おねがい」
「良い子ねぇ、アリー。でも、決して無理は駄目よぉ」
「はい、ママ様」
「アリー間に合ったね。ハイお弁当 。行ってらっしゃいマイレディ」
「行ってきますバリーパパ様」 バリーパパ様の後ろに隠れてエドが泣いてる。
「エド、また直ぐに逢えるから泣かないで待っていてね。今度はお土産買って来るからね」
「ほんと?アーちゃん お土産要らないから直ぐに帰ってきてね」
「うん、ママ様、パパ様行ってきます!」
ドアを開けると、アルパパ様が馬に乗って待っていてくれた。そうだね今回は旅立ちの日ではないんだ。
やり直しなのだから...。
「アリー、街まで送るよ乗って」
私が飛べる事を知っているのにこうして送ってくれるのは、アルパパ様の優しさだよね。私が気落ちしてるのがわかるから...。
「ありがとうアルパパ様」私はアルパパ様の背中に抱きついた。
アルパパ様はゆっくりとポーリアを歩かせながら
「アリー、君達はこれから色々な意味で成長しないとね。頑張りなさい。今度はアリーがルーク君に誇れる様にね。だけど、1人で無理するのは駄目だよ。パートナーが居るなら時には頼らないとね。アリー1人で頑張るならパートナー何て要らないんだからね」
「アルパパ様、大好き」
「アハハ、わかってるよ」
ガレスティアの門の前でパパ様と別れ見送った後街に。
そしてサフランさんの居る広場へ。
「あれ?アシュリーじゃ無いのさ!どうしたの?ルークは?」
「ルークは、わたしのパパ様の所で修行するそうなんです。なので私はまた新しい方と旅を続ける為に来ました」
「まぁ〜元気ならそれで良いよ。誰か良い人見つかったらまた声かけとくれね」
「はい、わかりました」と答えた直後、後ろから
「フッ、俺を借りる気になったのか?」上から見下ろして居るその人は
「ゼスさん!まだ、いらしたんですね!」
「ウッ、結構堪えるゾ。 久し振りに逢ったのにヒデェな嬢ちゃん」
「すみません、悪気は無かったんです。ごめんなさい」
「ハハハ 冗談だ。どうだ?俺を借りるか?」
「良いんですか?私なんかで」
「ん?どうした?何か有ったのか?お前さんらしく無いな」
(なんだろう、ゼスさん鋭いな。人の事よく見てるんだね)
「いえ、旅のやり直しなので気を引き締めてる所です」
「そっか、まぁ詳しい事は聞かねぇよ。 で、どうする?」
「そうですよね二回も私に声を掛けて下さったんですもの。お願いできますか?」
「おうよ、そう来なけりゃなぁ オジサン頑張るゼ」
「はい!お願いします」
一度ルークとの契約を切らないと駄目なのかと思ったらそれは縁も切れるようで少し心が痛んだけど、別に契約を切る必要は無いらしい。1人で2、3人雇う人も居るのだからと。そう言えばそんな事ママ様に聞いた気がした。
なのでルークはそのまま契約続行にした。
「サフランさん、ゼスさんと新たな契約をお願いします」
「お?へぇ...ゼス良かったねぇ」
「おい、余計な事は言うな。あ〜嬢ちゃんなんでも無いからな。サフラン、サッサとやれよ」
「ハイハイ、全く拗れたオジサンだね」
「誰がオジサンだ」
「さっき自分で言ってたろ?」
「チッ、聞いてたのかよ」
「ほら首貸して。それじゃぁ行くよ、我サフランの名において今この時ここに契約の印を借主アシュリー、その定を守る者としてゼスタークを刻む」
(ゼスさんじゃなくてゼスタークさんだったー!)
ゼスタークさんのネックレスタグは使い込まれているようでルークほどの光は無いけれど何故かとても暖かい感じがした。
金色のほのかに明るい光がゼスタークさんのタグを光らせてた。
まだあの事が頭をよぎるけど、わたしも成長しないとルークにとって本当の意味でお荷物に成るかもしれない。
それは嫌だ。今度こそ2人で心の底から笑える旅がしたい。うん頑張ろう!
私の新しいパートナーのゼスタークさん よろしくお願いします!
次回 北に向かい出発です。




