貴女の娘はお尋ね者
ハイ!度々すみません新年早々ダーク会が続き気が滅入るじゃ無いかとお叱り受けそうですが、この街はこうしようと思っていたので尚且つ次回は悲しきかな流血シーン有りますし。
無理無理という方そっ閉じでお願いします(>人<;)
部屋に戻り2人してお弁当を食べる。
重い沈黙 (やっぱり早めにこの街は出た方が良さそう。何だか精神的に来そうだよ。ルーク大丈夫かなぁ)
「ルーク、何か心配事でもあるの?さっきからずっと黙ってるけど...」
「.....」 (やばい、これ どうするよ)
「すまない、今日はもう休む。アリーも 早く休めよ」
そう言ってルークは、部屋を出て行ってしまった。笑顔の無いルークも、余裕の無いルークも、私を見ないルークも 初めて。
彼の不安が私にも乗り移った様で心がどんどん沈んでいく。今朝この街に入るまではあんなに笑い合っていたのに...。
とにかく寝よう明日は笑顔でルークを迎えよう。大丈夫だよと。
朝いつもルークがノックするけど、今日は私からノックしよう!
コンコン♪
「ルーク起きてる?」
「あぁ」
(く、くらっ これはかなり陰に入ってるかな?!)
「ルーク朝ご飯いこ〜」(明るく明るくね!)
ガチャ♪ (うっわぁ〜目の下の隈スッゴイ事に成ってるし)
2人して階下に降り、アレシュさんに挨拶し、朝食を頂いているとアレシュさんが「今日はどうなさるんですか?」と聞いてきた。
「取り敢えず女王陛下への謁見は明日なので、野宿用の買い出しに行こうかと」
「成る程。でしたらここを出て左に行った後、直ぐの十字路をまた左に曲がって行くと市場が有りますよ。で、十字路を右に行けば雑貨屋などが有ります」
「ありがとうございます、丁度お聞きしようと思ってました」
そう私が言った後、わたしの耳元で「あの、ルークさん大丈夫ですか?顔色が良く無い様な...」
「えぇ、わたしも気になってるんですけど 私が一緒に落ち込むと余計に酷く成りそうなので 私は明るくいきます!」
「そうですか。その方が良いですね、お茶お代わりどうですか?」
「お願いします!」
朝食を食べて一息着いたのでルークと早速市場に向かう事にした。
宿屋を出た途端に珍しくルークの方から手を繋いでくれた(珍しいな、いつも恥ずかしそうで私が無理矢理繋いでるって感じなのに。それにしても強いよ。ちょっと痛いかも....)
「あ、ねぇルーク、ルークから繋いでくれたのは凄く嬉しいんだけど少し痛いかも。 手がね...」
「す、すまない 痛かったか」
「あ、うん 少し。ね!市場何を売ってるのかしら。楽しみだね」
「そうだな」
(あ〜うん、駄目だね こういう時は放って置く方が良いかもしれないね)
何を聞いても心ここに在らず。そんな感じのルーク...
ただ、周りの男達に威嚇の目を向けて居る...
その日1日私達はそんな感じだった。
私もどうすれば良いのか正直解らなくて、とにかく明後日早くこの街を出ようそれだけを考えていた。
次の朝また私からルークの部屋を訪ねて、2人して階下に降り朝食をとると、午後一番に王宮に向かった。
相変わらずの罵倒と野次にウンザリしながら、この国も私が住みたいとは思えない場所だと感じてた。
この街の王宮は、一言で言えば派手! あの、入り口の門が全てを物語っていたね。見える場所だけを先ずは飾る中身のない女王なのだろう。
横長で左右にとんがり屋根の塔があり、真ん中は5階建の四角い建物になっている。左右の塔に行く為には横長の通路を通るという感じかな?
その真ん中の建物に入り、謁見の予約を入れたアシュリーだと伝えると右側の塔に案内され、先ずは魔力検査を受ける様に言われた。
そしてルークはその2つ隣の別室で待つ様にと。
わたしを、チラチラ見ながら何か言いたそうだったけど、魔法師のおばさんに催促され連れていかれた。
私はと言うと、ガレスティアの時と同じように検査され、そのままルークと逢うでもなく女王陛下の待つ謁見の間に通されたのだ。
よく言えば膨よかで、悪く言えば太ってる 赤茶色の髪に、アイスブルーの瞳の女性がそこに居た。釣り上がり気味の目で私を見下ろしながら扇子をパタパタ忙しなく動かしている。
「よう参ったの。この国はどうじゃ? 気に入ったかえ?」
「拝謁賜わり、有難うございます。ガレスティアもそうでしたが、好きになれる所と好きに成れ無い所が御座います」
「ほう、何が気に入らなかったのじゃ?」
「それは私などが話しても良い事なのでしょうか?」
「構わぬ、申してみよ」
(ママ様パパ様ズごめんなさい。でも、この国は間違ってる貴女の娘はお尋ね者に成るかも知れません、どうかその時は縁を切って下さい!)
「この国の人達は皆、強いか弱いか それしか見ていません...。でも、人の価値はそれだけでは無いと思うのです。たとえ弱くても出来る事は沢山あります。その人しか出来ない事も沢山あるのです。それが解らないこの国に私の居場所は有りません」
「ほう、そなた 妾に意見を言う気かえ? 」
「無礼者、女王陛下に意見するとは何事か!」側にいた宰相がわたしに詰め寄る。
「私は話して良いと言われたから話したまで。それを無礼と言うのなら、貴方の方が無礼なのでは?女王陛下が言った言葉を無視すると受け取ってよろしいのでしょうか?」
「肝の座った女子じゃのぉ。だが我が国を其方がどう思おうが、この国はこれからも変わらぬし、妾は変える気もない 。じゃが其方 妾に恐れも抱かず意見を言う。ギルドで出した其方のカードを見たが其方かなり魔力が有りそうじゃな。それだけでは無い。付加価値ものぉ。其方が気に入ろうが無かろうが、其方はこの国から出て行く事はまかりならぬ。この国に奉公せよ。良いな」
「はぁ?私はこの国には残らない。この国を選ばないと今そう言いましたよね?何勝手に決めてるのオバさん!」(めちゃ頭きた、何でも自分の思い通りに成ると思うな!)
「おのれ、女王陛下に向かって事もあろうかオバ、オバさんだと!!」
「ふふふ、まぁ良い その方が何を喚こうがもう決まった事じゃ。どうしても出て行くと言うのならば、その方のパートナーとやらはどう成るかのぉ」
「ルークに何をしたの? この街に来てから彼はどれだけ傷ついて来たか。そのルークにあんたらは何をしたの?」
「さぁて、自分の目で見て来るが良い」 扇で隠した口元が笑ってない。
次回壊れたルーク




