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偏見と無くなる余裕

何やら事件の予感です。

二人して頬を染めながら手を繋ぎギルドへと向かう。


魔物討伐の報告とリセットの為 なんだけど、ルークに「借り賃もリセットする?」と聞くと「いや、いい」と言うので今回はリセット無し。

魔物討伐のお金の半分はそのまま貯めておいて貰ったよ。

[リセットってのは、今までの事が全て無かった事にされるみたいで嫌な気分になるな。俺は特に金は必要無いし、ずっとこのままでも良いんだが、そうも行かないよな。でも そのうち...にな]


そんな事をルークが考えているとも知らずこの時の私は(お金無くて大丈夫なのかなぁ)などと呑気に思ってた。


この町で野宿に必要な物を市場で買い足した後「ルークに今日はここで一泊する?」と聞いてみた。私としては正直ベッドで休みたいのとシャワーを浴びたいのも有るけれど、相手もいるのでそこはちゃんと聞かないとね。


「アリーは女だし初めての野宿続きはきつかっただろ?今日一日くらい宿でも良いんじゃ無いか?」


(ルークには、ここまでの旅の間に色々話しあい、思った事は借主だからとか関係なくちゃんと話して欲しいとお願いしていた。ならばと、ルークは俺の借り賃も何か必要な時は使ってくれと...)


「うん、ありがとう 正直ベッドで寝れるのは助かる」


「アリーの方が俺に気を遣いすぎて無いか? これでも俺は男だし、辛い時は辛いと言って貰った方が嬉しいぞ」


「そうだね、うん わかったこれからは言うね」


「そうしてくれ」


それから市場を出て2人して町を散策しながら宿の場所を探した。

この町は小さいので宿は一軒しかない。

受付の男性が余りにも素っ気なくて、色々聞く気にはなれなかったの。

普通はこんなものなのかな?


首都の街よりは若干安く一泊朝食付きで1部屋5000G 。シングル2部屋借りたよ。

部屋の鍵を受け取り二階へ 。

この宿は二階建てで、『杜の木亭』より狭いけれど、シャワーが有ったのは助かったかな。それとも、どの宿屋にもシャワーは付いてる物なのかな?


荷物を置いて部屋を出る。


鍵を預けマップ片手に二人してどの食堂にするか探してると、前の方から男の子が凄い勢いで走って来て私にぶつかりそうになった。けれども、その前にルークが彼を止めてくれて助かったよ。

私だったらあの勢いでぶつかられたら受け止めきれなかったと思う。


男の子はルークの後ろに隠れている「??」少しして、年配の女性が鬼の形相とはこう言うものかと言わんばかりの顔で走って来た。


ルークの後ろに隠れている男の子の手を掴むと引っ張ってくる。


「え、ちょ ちょっと待って 一体どうしたんですか?」


私の問いにその女性は「うるさい、あんたにゃ関係ないだろ。黙ってな」と凄い剣幕で、とても話が出来るような感じじゃ無い。

私はルークにこの場を任せ宿の中に入り、宿の主人を呼んできた。


「ハァ〜一体何なんだよ、 うちの前での揉め事は勘弁してくれよ」


「うるさいね、自分の子を連れて帰ろうとしてるだけだよ。それの何が悪いのさ、これは私のもんなんだからね 引っ込んでな!」


どうやらこの怒鳴っている女性は男の子の母親らしい。でも...物扱いってどう?


「取り敢えず宿の前で騒がれたんじゃ迷惑なんだよ。事を起こすなら他所でやってくれ。警ら隊呼ぶぞ!」


「チッ、 おい早くこっちにおいで」


「あの、この子嫌がってるみたいなので今日のところはわたしが預かりますから」


「え?アリー、本気か?」


「だってこの子、このままお母さんに渡しても決していい事無い気がするの。それに私も関わってしまった以上気になるし。駄目?ルーク」(若干上目遣い)


「グッ、仕方ないな。だけど今日1日だけだぞ」


「ありがとうルーク」


「おい、アンタ 聞いただろ。何が有ったのかは解らないが、このままじゃいけない事くらいはあんただってわかるだろ? 今日は俺達が預かるから明日来てくれ。俺達はここの宿に泊まってるから。引いてくれないなら今度こそ警ら隊呼んでもらぞ」


「白がいい気に成って偉そうに 」


そう言い残してお母さんは何回も振り返りながら去って行った。

男の子は目に一杯涙を溜めてるけど必死に我慢しているように見える。


宿の主人は関わりたく無いのだろう。

さっさと宿屋の中に入って行ってしまった。

何が有ったのだろうか。

取り敢えずお腹も空いたし食事しながら聞きましょうかね。


「お腹すいたでしょ?好きな物食べて良いよ。遠慮しないでね」


食堂はこの町に二軒だけだった。

片方はお酒の提供もしてたので、食事のみの場所に決めた。

子供も居るからね。

余程お腹が空いていたのかもの凄い勢いで食べている 。


「焦らなくても大丈夫だからね、ゆっくり食べないと喉につまっちゃうよ?!」


ルークも最初こそ呆れたような顔をしていたが、何だかんだと世話をしながら唇の端が上がっているので悪い気はしていないのかな?


ここの食事も首都の街と余り変わらず、香辛料主体の肉料理がメイン。

文句を言ってはいけないけれど、魚とか食べたい。


「もう良いの?お腹一杯? それじゃ帰ろうか 。安心してね。今日は一緒に宿に泊まろうね」

お会計をして宿屋に向かい歩き始めると、男の子がウトウトし始めたので、ルークが「眠そうだな俺がおぶって行こう」そう言って男の子をおんぶしてくれた。


男の子の名前はケリー君と言うんだって。それだけはわかったの。


少しするとルークが傍に寄ってきて「アリー、振り向くな。誰かにつけられてる 。そこの角を曲がったら宿の部屋に『瞬間移動』できるか?」


「わかった 宿の私の部屋に飛ぶね」


わたしはルークの後ろに回り込むと、おんぶしているルークの手と、ケリー君の手を握った。

角を曲がった瞬間 『瞬間移動』視界が歪み次の瞬間には私の部屋にいた。



つけて来ていたのは一体誰なの?




次回裏この町の暗い部分です。

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