別れと旅立ち
やっと、やっとこさ主人公が旅立ちました初の投稿なのに長編読んで下さってる方々に心から感謝です!
サフランさんに別れを告げたその足で、ルークがこの旅で必要な物を揃える為に買い物をする事にした。
サフランさんとの事をちゃんとしてからルークの物は揃えようと話し合っていたからだ。
カップは特別。宿でも使うからね!
絶対に必要な物それはやっぱり装備だよねって事で、私の装備を買ったお店に行く。
今回ルークはすまないなんて言わなかった。後で払うから頼むと。
多分だけど、旅をする為に装備は必要なのだと、その為にはプライドも何も関係ないと自分なりの判断で決めたのだと思う
少しずつ彼も変わって来てるのかもしれない。
今回はルークの物なのでルークが気に入った使いやすい物を選んでもらう事にしたよ。
その結果普通の剣よりやっぱり使い慣れた短剣が良いという事になった。それも両刀なので二本。
装備はそれに合わせて機動力を考えた軽めの中鎧に肘当て膝下までのブーツ。それにハンティングナイフに額当てを購入した。
良い!良いよ カッコいい!
予算をオーバーしてしまったけど、お兄さんが後日持って来てくれれば良いと言ってくてたので甘える事にした。余り質を下げたく無かったから。
だってルークは近距離での攻撃なんだもの。
少しでも良いもの着て欲しかったの。
終始ルークは良い物にしようと言う私に申し訳なさそうにしてたけど 私はある意味楽しくてしょうがなかった。
だって選んでいる時のルークの顔がまるで子供の様にキラキラしてるんだもの。本当ならもっと良いもの揃えてあげたい所なのだけど、旅にどれだけお金が掛かるかわからないから今はこれで 。
少しずつで良いから装備ももっと良いものに替えて行けたら、それはそれで又楽しみになるよね。
「ごめんねルーク、本当ならもっと良いもの贈りたいんだけど」
「何言ってんだ、今までの俺の装備見てただろ?刃こぼれした短剣に皮装備だぞ それに比べたら格段に防御も上がった。後は俺も稼ぐし今はこれで充分過ぎるくらいだ」
「うん、ありがとう頑張ろうね」
「あぁ」(ニコッ)
それからの四日間私とルークは毎日森に通った。
もちろん今度は『瞬間移動』でね。
昼は屋台のお弁当を持参して、休む暇も惜しいと練習がてらお金を稼げるだけ稼いだ。とは言ってもやり過ぎるとギルドで怪しまれるのでそこは調節しながらだけど。
1日に何回かギルドに行って精算リセットをすれば数は誤魔化せたのよ。同じ受付ではしない。これ大事!国としても討伐してくれたら助かる訳だし、そこに関してはズボラだったから助かった。
森に行く度に確実にルークは強く成っている気がする。
彼自身の何かが変わったのだろう。
最初こそただ我武者羅な攻撃を繰り出していた彼も、この頃は色んな事を想定しながら考えた攻撃をする事に重点を置く様に成っていってる。
もちろん最終日前にはちゃんと防具代を払いに行ったよ。
そして今日、次の国に行く事にする。
昨晩ルークとこれから行くべき国を北と南のどちらにしようか話し合った結果 、南ルートで廻る事に決めた。
これから南の国ゲートルアは秋のシーズンを迎えるので過ごし易いのでは無いかと。それに秋と言えば味覚でしょ!美味しいもの有るといいなぁ。
北の国ロスタリアも春のシーズンになるのだけど、今ガレスティアが春なので思考を変えようと言う話で纏まった。
階下に降りて行くとマーサさんが待っていてくれてた。
「もう行くのかい?」
「ハイ、色々ありがとうございました。朝食いつも美味しかったです」
「そうかい そうかい。そりゃぁ良かったよ。そうそう 大した物じゃ無いけどお昼にでも食べとくれ」そう言って私達にお弁当を渡してくれた。
「ありがとうございますマーサさん、何から何まで本当に...」
「良いんだよ、したくてしてるだけなんだから。良いかい怪我や病気には気をつけて、無理せずにね。ルーク、アシュリーちゃんを頼んだよ」
「わかった。絶対に守る。ありがとう。マーサさんも元気で」
そう言って私達は 『杜の木亭 』を後にした。
これまで私の出会った人達は皆とても優しかった。
ルークを見ても嫌な顔する人はこの街には居なかったんだ。 一部の男の人達を除いてはね。
いよいよ出発だね。
ゲートルア行きの乗り合い馬車も有るけれど、なるべく歩く事にした。
一応国と国の間にはいくつか町も有るので、その町を見て歩くのも醍醐味だよねって事になったの。
馬車だと馭者さんは勿論男の人で、護衛が女の人達になる。
各々交代しながら町で馬を変えては直ぐに出発となるらしく、ゆっくりする事は難しいんだって。だから馬車を選ぶ人はマイクッションなる物は必須らしいよ。
流石に食事休憩は有るらしいけどね。
この世界の馬は地球の感覚と少し違う。
馬にも魔力を与える事が出来、下手したら4、5日くらいは平気で馬車を引けるらしい。
その馬車で8日くらい。
徒歩だと普通に歩いて一月は掛かる。けれどルークとならそれも楽しそう。
それじゃあ行きますか!
いつもの門番さんに別れの挨拶をして一路南へ出発です。
ギルドで貰ったマップを頼りに歩きながら、やっとルークに話しかけてみた。
「そう言えば私ルークの事余り知らないんだけど色々聞いても良いのかな?」
「何が聞きたいんだ?別に隠すようなことは何も無い」
「それではお聞きします!」
「お、おう 」
「ルークさん、まずは何歳ですか?そして、趣味は何ですか?」
(ありゃ、これじゃお見合いでの会話じゃない...)
「歳は19、趣味かぁ...何だろうな。う~ん筋トレ?」
「ほうほう、好きな食べ物は? 」
「ん〜肉? アリーは?」
「え?私?何だろ 急に聞かれると解らない物だね。果物は結構何でも好きかな?後はお菓子も好きだし、嫌いな物言った方が早いかも。嫌いなものは辛い物!」
「ハハ、そっか アリーは辛い物が苦手なんだな。俺は逆に甘い物が苦手だな」
「男の人って結構甘い物が苦手な人おおいよねぇ」
[アリーの好きな物はお菓子か。でも何で男の好みで甘い物苦手が多いって知ってるんだ? アリーは結構小さいな可愛い...]
(そっかぁルークは19歳なんだ、背は私より頭ひとつは大きいよね見上げる様だもん)
これから長い旅になるけれどお互い色々こうしてわかりあえたら良いね。
次回始めての町に到着




