何気に2人はチートです
ルーク君はどうやら………
あ〜私にもっと文才が欲しい 文才チート欲しいゾォ〜
( )←は主人公の心の声 [ ] ←はルークの心の声 です。
この世界で並んで歩く男女は、余り見かけない。
だからと言って全く無い訳でも無いし、ルークも隣を歩けば良いと思うの。
そう言うとアリーが嫌な思いするから駄目だと言う。
私が良いと言ってるのに...。
まだ二日目だから強くは言えないけど、目の保養が出来ないじゃない。
「ねぇ ルーク、まさか街の外に出ても後ろを歩くとか言わないよね?」
「時と場合によるかな」
「もう、どんな時よ 私は良いって言ってるのに」(小声で文句を言う)
「聞こえてるぞ、アリーの為だ。後ろからチャンと護衛はするさ」
[これでも、剣技と素早さには自信が有るからな。命に変えても君は必ず守る]
そんなの考えてた訳じゃ無いのに、一緒に歩きたかったのに。
時々振り返りながらルークと話す。
「おい、ちゃんと前見て歩かないと危ないぞ」怒られちゃったよ。
彼は腰近くまである真珠色の美しい髪をポニーテールにして歩いてる。
彼が歩くたびにその尻尾が左右に揺れるのを見ていたいのに。
「ねぇルーク、その髪は伸ばしてるの?」
「ん?イヤ ただ刃こぼれした剣で切ると結構痛いし面倒だから切ってないだけ。でも、 ソロソロ切らないと洗うのも面倒だな」
今迄 伸ばしてる事の方が絶対面倒だったと思う。
水だけで洗ってる割には本当に綺麗なんだよねズルイ。
私の髪は真っ黒で、子供の頃おかっぱだったその髪も今では腰下まである。
切ろうか迷ったけど、余りにも男っぽくなるからやめて今では緩く三つ編みにしている。
ルトパパ様譲りのこの顔は二重のアーモンド型。
この世界に来て唯一子供の頃から有り難かった事。
最初は魔法が使えない事で悩んでたから特にね。
チートのお陰で乾かすのも楽だしどこに居てもお湯には困らないしね。
「似合ってるのに勿体無いね」
「似合ってるか?」「うん」
[切るのは止めよう。アリーが気に入ってるなら面倒くさいぐらい我慢だ]
そんな事を喋りながら歩いていると、先の方に門が見えてきた。 始めて来た時のあの門だ。
門の近くには馬貸しが有る。
街から森までは、我が家から来た以上の道のりが掛かるので馬を借りる事にした。
節約の為 あくまでも!節約の為に!一頭に二人で乗る。
ルークは馬に乗るのも初めてだそうで、私が前に乗り後ろでルークに掴まってもらう体制だ。
私は我が家に馬が居た事も有り、アルパパ様に教えて貰ってた。
その頃はまだ、魔法も使えず補助的な事を沢山教えてくれてたっけ。
[ヤバイ これはヤバイぞ 馬の練習もさせて貰うぞ!大体アリーに掴まって乗るとか恥ずかしいだろ。 何処掴めば良いんだよ。 やっぱ腰だよな...]
最初に通った時は彼と出逢うとは思わなかったけど、 まだたった二日なのに彼が居ない旅はもう考えられなくなっている自分に驚いてる。
(ルークに頼んだら一緒に旅してくれるかなぁ...)
「ルークは森に行ったことある?」
「いや、俺を狩りに使う為に借りる女は居ないだろ?受渡も出来ない 、タンクも出来ない。 なんか...自分で言ってて悲しくなるな」
「ごめんなさいルーク、そんなつもりじゃ」
「わかってる、今迄がそうだからって これからもそうにはならないさ。今の俺は違う。アリーのお陰でな。
少なからず前からスピードだけは自慢だったんだ。
もし魔力を剣に付与出来て魔物に一撃与えられたら、 アリーを少しは守れるからな。まぁそんな訳だから魔物討伐に関してはアリーの方が先輩に成る ヨロシク」
「そっかぁ。 ふふ っ。それじゃあ2人で色々頑張ろうね 。私もそんなに実践出来なかったから教えられそうな事はないんだけどね」
「あぁそうだったな 」
[2人で...か 。 良いな 。どんな事してもアリーは守れる様に頑張ら ないと]
「あ!あそこが入り口 」
馬を森の入り口近くの木に繋いだ後
「それでね 魔物は死んだ物とか死にそうなものに取り付いてるの。だから匂いが普通の獣とは違うの。とにかく臭いの(ウヘそれだけが嫌なのよね)それとね、 動きはそこまで早くは無いの。私が今まで見た奴は、なんだけどね。 エッと後特徴は赤みを帯びてるって所かな?」
「りょーかい、それじゃあ、アイツがそうかな?」
「え!もう出たの? ハヤッ。 あ 、そうそうあいつそうだよ」
「手持ちが短剣しか無いが、試しにやってみるから離れてろよ!」
「うん、わかった 気をつけてね」
「オウ」
返事するより早く二本の短剣に手を当て、ルークが呪文を唱えると、短剣が炎に包まれていた。赤ではなく、青い炎だ。美しい輝きを放つそれを両手に持って彼は走り出す。
なんて速いんだろう。
木々の間をクネル様に避けながら剣を逆手に持ち後ろに手を伸ばした走りから その手が前に回った瞬間、魔物の身体はもう青い炎に包まれていた....。
「これってどう言う事?」
魔物は確かに倒されているのだが、その身体は魔物に憑依される前の状態に戻っていた。
「もしかしてだけど、魔物だけを浄化したって事? 青い炎は浄化の炎なのかな?(前世のゲームの見過ぎ?)」
「わからないが、取り敢えず付与は出来た。後はカードが討伐したと認識してくれるかだが、認識しないと下手に使えないからな。 金にならない」
「そ、そだね。やってみる」 私はカードを出し魔物に触れてみた。ピコン♪
「あ!認識したみたい !ヤッター ルークもこれなら討伐できるね」
「アァ良かった。その死体は燃やしておいた方が良いな。でも俺の炎じゃ燃やせないみたいだな」
「その死体は私が燃やすから大丈夫」(慣れ始めてる自分が嫌だな)
「他の魔法も試してみるか」
それからは2人してどう狩るのが効率よく安全に狩れるのか、試行錯誤しながらただただ狩り続けていた。
「ルークそっち行った!」
「りょーかい!」
[もっとだ、もっと速く!もっと高く!俺の身体!今迄の俺を超なければ!]
結果なんとルークは4種全て剣に付与することが出来 、しかも剣を通してなら他のものに使うこともできた。剣の炎〜枯木へ移すと焚き火が出来たのだ。ただ、生きてる物を燃やす事は出来ないし魔物に取り憑かれた事が有る木や動物などは、ルークが燃やす事は出来なかった。
『癒し』に関しては傷や欠損は治せるけれど、疲労回復や蘇生はできなかった 。
病はどうなんだろう?
ねぇルーク、貴方も 何気にチートだよね....。
次回アリーちゃんがルークにおねだり!




