彼の哀愁 私の強襲
えぇ えぇ 主人公まだ自国から出ていませんけどね。すみません。
あれから1時間程この街の事 広場の事 これからの予定など話し合い、2人してサフランさんの元に向かった。
「やぁ、話は済んだのかい?」
「ハイ、取り敢えず一週間契約する事に成りました。」
「ふむ。そうかい、わかったよ。それじゃあタグ付けるから ルークこっち来て首出して」
「あぁ わかった」
そう言って彼はポニーテールを右手で上げた
(ハゥ うなじが色っぽい...男の人なのに!いけません!これでは痴女です)
ルークさんの首に銀色のネックレス、そして真新しいタグが付けられた。
「それじゃあ魔石で契約するよ、あ〜そうだった、お嬢ちゃんの名前まだ聞いて無かったね」
「そう言えば言ってませんでした! アシュリーです。よろしくお願いします」
「ハハハ、よろしくお願いされたよ!後カードも貸しておくれ」
私はサフランさんにカードを渡した。
「それじゃ 改めて始めるよ『 我サフランの名において今この時ここに契約の印を借主アシュリーその定を守る者としてルークを刻む』」
その祝詞をサフランさんが唱えた時、彼の首元のネックレスとカードが金色に輝いた。
「オッケー、これで完了だよ。 それじゃあ2人とも良い旅を」
「あぁ 行ってくる」 「行ってきます!」
ルークさんは首に掛かったタグを手に取りながら「始めてのタグだ」と小さな声で呟いていた。
私達2人は広場を後にした。 料金については私の好きな値段で良いと彼が言うので正直相場もわからないし1日2000Gで契約してもらった。
彼はそんなに要らないと言うのだけど、宿もご飯も一応契約期間中は借主払いだから大変だろう?とね。でも、私的にはやっていけると思うんだよね!
一応これでもチートだから...。
それに彼については試してみたい事が有るんだ。
まずは、一度宿に戻って仮契約から本契約にしてもらわないとね。
長く住んでいたのに彼は宿に泊まるのも初めてだと笑った...。
宿に着いておばさんに(マーサさんって名前だと後で聞いた)一週間分の契約料金4万1000Gを追加で支払い今、2人で私の部屋に居る。
例の試してみたい事を彼に話す為!
チョット緊張してます。男の人と2人きりで部屋に居る風景久し振り。
しかも、こんな素敵な人(私視点だけど)とだし。
彼も落ち着かなそうでキョロキョロしてる。(可愛い、素敵)オバちゃんに戻ってる私の思考ヤバイ。
気持ちを落ち着けるために私は買っておいたウォーターボトルの蓋を開け2つのコップに注ぎその一つをルークさんの前に置いた。
しばらくして彼が咳払いし、
「何の話しをしたら良いのかな?」と
「今度は私の話しを少し聞いてもらっていいですか? そしてその後少し試したい事が有るのですが....」
急に彼の顔が赤くなるけど 違うからね変な話じゃ決して無いからね。
色が白いからか、赤くなるとはっきりわかるんだね...いけない! つられて赤く成りそうだよ!
「こ、これから話す事は絶対に内緒にして欲しいんです!」
「アー、ウン 大丈夫だよ。 借主については守秘義務があるから他言できない事になってるし。もし破ったら刑罰も有るからね。 それに 俺の事は出来れば...信用して欲しいかな」
(ニコリ) 「信用できると思ったので 聞いてくださいね」
私は自分のチートな能力について彼に話した。
しばらく黙って聞いていた彼は嘘だろと言う様に目を丸くして驚いていた。
これ以上は話すより見てもらった方が早いと思い、いくつかのチートな能力を彼にみてもらった。
異次元ポケット、瞬間移動、身体一時強化、癒し(自傷行為は怖かったし彼は慌てて止めようとしたけどね)
そして何より私の魔力量は∞だと言う事も。
彼は椅子に寄り掛かかる様にして手は両側にダラリと垂らしてる状態に成り、目を閉じると、一度ふぅ〜と大きく息を吐いた。
そして「今更だけど、それ俺に話して良かったのかな?いや 信用して欲しいと言ったのは確かに俺の方なんだけど」
「ハイ、信用してますから。 ルークさんは悪い人じゃ無いって。それに どうしても試して確かめてみたい事が有るんです」(なぜか初めて彼を見た時 不思議と自然にこの人は信用出来る人だと感じてた。それにしても本当に綺麗な人だな)
「ありがとう、信頼してくれて。素直に嬉しいよ。それで試したい事って何?」
「女性から、男性に魔力を渡せないかという事です」
「!!!!!!え?それって」その重要性に何となく気が付いたのか彼は急に椅子から立ち上がった。が、少しして落ち着いたのかゆっくり又椅子に座った。
「ハイ!私からルークさんに魔力を渡せるか試させてはもらえませんか?確実では無いですけど、もしそれが出来たならルークさんは自分のエテが使えるって事ですよね? 」
「!あ!あぁそうだよな。ハッ ごめん今頭の中が整理出来ない 。少し考えてもいいかい?」
「ハイ もちろんです」
(出来る確証は無いけれど もし出来たら彼の喜ぶ顔が見られるのかしら?もし、剣に火の魔法とか付与出来たなら魔物も倒せるのだろうか?そうしたら彼のあの哀しそうな顔は消える事も有るのだろうか)
私は深呼吸をしながら彼が再び落ち着くのを待っていた。
そっと彼に気付かれないように見つめながら...。
次回こそヒーロー覚醒してくれ〜




