表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
14/65

出逢いと運命

やっとヒーローが出てきましたが、やや今のところヘタレの彼です。これからも主人公に対してはヘタレかな?w

と言うか私の話にはヘタレ男子しかでてこないのかも?

「あの、何故なのか聞いても大丈夫ですか?」


「あ〜まぁ、何と言うかあの外見を見ても解ると思うけどね ...。

彼みたいに全体的に色素が薄い男を『白 』と言うんだけどね。髪、目、肌とかさ、色が濃い方が魔力量が多いってのは知ってるだろ?色が薄い男はまぁ結構いるけど、そんな中でも彼は魔力量が無いんだよ。少しとかじゃなくて無いんだ。

しかもガタイもそれ程しっかりしてない。悪く言えば細いから女性を守れるか?って聞かれたらどうだろうねぇ 。だからこれから旅立つお嬢ちゃんの役には立ちそうも無いって言うか 。エテ(得手)もまぁ使えない物だしね」


(あれでもしっかりして無いって...どれだけハイスペック要求されるんだろこの世界。結構 細マッチョぽいけど、あくまでもゴリマッチョがモテる基準か)


「エテ(得手)?」


「知らないかい?エテって言うのはねその人独特の技?みたいなもんだよ さっきも言った通りタンクとか。まぁ色々有るんだけどね 。彼の場合は魔力量を使って自分の手に持っている武器に魔法を付与出来る なんて酷い物なのさ。 魔力量も無い奴にそのエテは使えないじゃ無いかってことさ」


(そんな、本人に使えないエテだなんて。でも)


「彼の場合魔力量保有の倉は結構良いもの持って居るんだけどねぇ。可哀相に、神様も残酷だよ」


「あの、倉って何ですか?」


「あぁ、男や女が魔力を溜めておく、なんて言ったら良いかねぇ 壺?みたいなもんが体の中には有るんだよ。お嬢ちゃんも感じるだろ?目に見えるもんじゃあないんだけどね、感じるものなんだよ。おへそのあたりでね。男は魔法は使えないんだけどね、その分エテがある。そして女性にはその倉から取り出す様な感覚で魔力を渡してるらしいよ」


「それじゃ彼はその倉はあるのに、自分では魔力が溜められないって事ですか?」(私 、倉なんてあるのかな?感じた事無いんだけど)


「まぁそう言う事だね。普通 男は何をしてようが少しずつ魔力は戻るもんなんだけど、彼はそれが出来ないんだよ。色が濃い男は倉も大きければ魔力の回復速度も速いからモテるんだ」 ( 成る程そう言う事なのねママ様、もっとちゃんと教えてくれれば良いのに!変な所面倒くさがりなんだから)


「あの、でもこの街での買い物とかそう言うのに付き合ってもらうとかならどうですか?」


「それくらいなら彼も金になるし、悪い話じゃあないと思うけど 良いのかい?これから旅に出るのに金は大事だろ?」


「大丈夫です。あの...他の方達を借りるのに馴れるまでチョット掛かりそうなので 。えっと顔が怖いというか...すみません」


「ぶっ フゥアッハッハそりゃあそうか 。確かに良い男は顔が強面でゴツイからネェ。そこが良いんだけどさ。クックックあいつ位ふやけた顔の方が楽かね。あんたも変わってるよねぇ。わかった聞いてみるよ。ここで待ってな」


そう言ってサフランさんは彼の方に歩いて行った。

この世界では彼の顔はふやけて見えるのか...。


サフランさんと彼が話してる。

彼がチラチラと私を見ている。

何だかとても居心地が悪い。嫌がられたらどうしよう...ドキドキする。


しばらくするとサフランさんと彼が私の方にやって来た。


「お嬢ちゃん、後は彼と話して決めとくれ。それじゃ後でね」


(はわわわわ、どうしよう ドキドキして何から話して良いのか)


少しの沈黙の後彼の方から話しかけてくれた。


「えっと、まずは自己紹介からかな?俺の名前はルーク。よろしく。それで街案内とか買い物の手伝いとかで良いのかな?」


「ハ、ハイ あの私の名前はアシュリーです。よろしくお願いします」(ペコリ)


「 いや、こちらこそよろしくアシュリー」


(ルークさんて言うんだ。あぁ笑顔も声も素敵です。私、旅立つ前に心臓止まって終わるかも...)


「レンタルの仕組みとかは知ってる?教えた方が良いのかな?」


「あ、いえ 一通りサフランさんに教えて頂きました 。えっと 、レンタル料はおいくらほど支払えば良いのでしょうか?」


彼は少し考えてから


「そこのベンチに座って少し話そうか」と


「まず、借りたいと言ってくれてありがとう。正直言って助かるよ。 俺の事は知っててって事で良いのかな?だけど借りる前に 少しだけ俺の事について話させてくれる?...と言ってもあまり面白い話では無いが 」


そう話し始めた彼の顔は只々苦しそうだった。何が彼を苦しめているのか...。

何となく解ってはいたけれどそれを聞くのが私で良いのだろうか。

彼のきつく握りしめられた手が色を無くしていくのが哀しかった。

始めて逢ったばかりの私に、男の人が自分を借りてくれてありがとうだなんて 寂しい世界だ。


「こんな顔で、こんな身体で、魔力量が無いって事も知ってて借りてくれるんだよね?本当に良いのか?大した役にもたてないと思うんだけど。それに旅立ちなんだろ?これから色々と金もかかるだろうし、俺と一緒だと君も嫌な思いするかも知れないんだぞ?」


「ううん、もし嫌じゃ無かったらまだ解らない事とかあるし、街の事とか色々教えてもらえたら嬉しい」

こんな風にしか自分を言えない世界はおかしい。


「そうか、解った一杯聞いてくれ。よろしくな」 「うん、よろしくね」


これからの長い付き合いになる最初の出会い 。そう、こうして私達は出逢ったんだ。




次回ヒーローは遅れて覚醒するかも?

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ