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ドキドキが危ない

さぁ良い人見つかるかな?見つかると良いねぇ!

その後からの説明はこんな感じでした。

レンタルとは、ちゃんと国営事業として女性の討伐補助などを目的としているから料金は広場の管理をする人のお給料や管理費として使われるんですって。


テントの入り口に売り込みを書いた紙が貼ってあるので、それを読んで気になった人が居たら声をかける。


そして話が決まったらさっきのお姉さんに言って、借りた男の人の首にタグ付きのネックレスぽい物を付けてもらい、そのタグとわたしの証明カードに印される。何回か借りられた事が有る人はもう、タグ付きのネックレスをしてるらしい。(これって奴隷とかじゃ無いよね?)


タグとカードに魔石を当てた時から料金が発生する。解約する時はギルドの受付の人に『解約の魔石』と言うものを使って解約してもらう。


ネックレスはギルドの人が持っている『解約の魔石』じゃ無いと解約は出来ない。どんな刃物でも切る事は出来ないらしいよ。

つまりは街などに有るギルドに行かないと解約は出来ないって事だね。(やっぱ、奴隷じゃ無いよね?)


もしも、途中で男の人とはぐれたり、居なくなったりされたらギルドの人に言えば解約してくれる。(証明カードに解約印が押される)その際男の人の方に違約金が課せられちゃうんだって。どこまでも男の人に厳しい世界だよね。

タグは男の人に付いたままだから解っちゃうんだね....。


又、男の人から解約を申し出る事は難しい 。

出来ない訳では無いらしいけども、その際も違約金が男の人側に発生するから。


有ってはならない事だけど、もしも男の人が女性に暴力など振るった場合 国営の警ら隊などに捕まり、重い罰則で裁かれるらしい。


逆に女性側が男性に暴力など振るった場合罰金が掛けられる。


借りる女性側も、借りられる男性側もお互いの信用が大事で大きいという事だった。

もし、何かしらの罰則なり罰金を受けた場合男性はテントを建てられなくなるし、女性の罰金回数がある程度増えると、女性は強制労働に行く事になる。(魔物討伐が嫌で、わざと男の人に暴力を振るう人が居たんだって...だからその為の罰則だって教えてもらった。罰則期間は刑の重さでかわる)それはそうだよね。

男の人もテントを立てられないと死活問題だから嫌だろうしね。


全部カードに載ってしまうから隠しようが無いんだって。

この国のレンタルテントをまとめているのが、今私に色々教えてくれてる お姉さんで、名前を サフランさん。 濃いめのオレンジの髪でショートボブ にしている。深い緑色の瞳の美人さんです。

値段に関しては男の人の自己申告制で借り手が居ないと下げて行くとか。

テントは自分の物なんだって


レンタルの理解もした事だし、それでは色んな人に交渉して行きますか。

男の人と話す事自体苦手なんだけどね。




あれから何人かと話してみたり金額や予定の交渉してみたりしたのだけれど、今一ピンと来ない。そもそもが嫌々だからかもしれない。

困ったなぁ このままじゃ先に進めないよね。

やっぱり、さっきのゼスさんに頼んだ方が良いのかなぁ...。



近くにあったベンチに腰掛け、ため息ついていた時だった。

斜め前の黄緑色のテントから男の人が出てきた。

その人を見た瞬間 息が止まるかと思った。

いや、止まったら危ないけどね!私の目がその人から離せなくなった。


最初感じたのは『なんて綺麗な人』だった。男の人に綺麗は可笑しいのだけどそれ以外の言葉が何も思い付かなかったの。


真珠色の髪が夕日でキラキラ輝いていて 、その髪を後ろでポニーテールにしている。

前髪は眉下で揃えられ、横の髪は左右の耳に掛けているのだけど、最初女性かと思ったよ。シャープな輪郭、 私と目が合うとニコリと微笑んだその目は二重で薄い紫色の瞳。

少し釣り上がってるけど決して怖そうな感じじゃ無いし、鼻筋はスッとしていて 少し開いた唇は薄かった。 皮で出来た上下の服に、ベルトには短剣が左右に挿してあった。


ボーっといつまでも見つめていたら、その人が少し困ったような顔をしてから振り返り水汲み場の方へ立ち去ってしまった。ポニーテールを左右に揺らしながら。

あの人もレンタルなのかな?嘘でしょう?前世から数えてもう63年。

あんなに綺麗な男の人は今まで見た事が無い。

心はすっかり少女の頃に戻った様に甘酸っぱく騒いでた。


こんな時に何だけど、さっきからドキドキが止まらない 。

何回も言うけど止まったら危ないんだけどね!

あぁ、どうしよう。彼から目が離せない。彼と話してみたい。でもメチャクチャ勇気が居る...心臓もたないかも。


諦める? どうする?うー うー


1人悶絶していたら サフランさんが話しかけて来た。

「どう?誰か決まりそう?良い人居た?」


「あの、その、気になる人は居ました。」


「ん?気になる人?」


「まだ話しては居ないんですけど……」(多分熱い顔は真っ赤だと思う)


「フム どいつ? 呼んでくるよ話してみる?」


「あ、いえ、すみません 個人的に気になったというかその...。」


「あらら、そっちなのね。まぁここでお互い気に入って結婚したなんてカップルもいたし、 珍しいこっちゃ無いよ。結婚なんてすればレンタルしないで一生討伐には困らないしね 。そう言う意味では出会いの場でも有るね。そんで、どいつだい?お嬢ちゃんのお眼鏡にかなったラッキーな男は」


そっか そう言えばこの世界では成人の儀が終われば結婚出来るんだったね。ママ様もパパ様達とこうして出逢ったのだろうか?

確かママ様は16歳で結婚したんだよね!?今の私と同じ歳で...。


私もう成人なんだぁ....。


「あそこで水を汲んでいる、真珠色の髪をした方です」


そう言った私の目線の先を見たサフランさんは 一瞬困ったような顔をした後 、少し考えてから話し出した。


「ごめんよ、彼はおススメできないよ 他の人じゃダメかねぇ?」と....




次回は 綺麗な花ほど棘が有る!ですよ。

誤字報告ありがとうございました!

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